8 日本平定(前編)


 Lip Magic Generations は富士山麓のギルド日本支部に来ていた。


 日本晴れだ。

 今日の日本上空は、雲一つない快晴である。


 といっても夜なので、満天の星が瞬いていると言った方がいいだろう。


 時はすでに夜0時を回っている。

 それでもギルドは我々を待って歓迎してくれた。


 すでに外の雰囲気からあの江戸城にいた魔核マスターが討伐されたことを悟ったのだろう。

 日本支部総出で出迎えてくれた。

 魔核マスターは北海道を除き、8人倒している。


 江戸マスは20万P、他の魔核マスターは5万P 合計で55万Pだがその他の魔物が4万P、ボーナスPととして5万P追加だそうだ。


 合計ポイントと金額は64万P(8万P/人)  約1億円になった。


 *ギルド会員証メモ欄 7月27日 80000P 累計167862P


 我々は、A級に昇格した。

(これもまたレコードホルダーだそうだが、公表しないでほしいとお願いした)


 夜空に花火が上がり、ファンファーレが鳴る。

 祝福と拍手の嵐が巻き起こる。


 ……なんか照れくさいな。


 明け方まで、お祝いされ眠ることができなかった。

 さすがに疲れた。

 ホテルを用意してもらい、(例によってスイートルームだ)

 みんな爆睡した。


――★☪★――

  

 よほど疲れていたのか、起きたのは8月1日の朝だった。

(この間に、江戸城に置いてきた魔核やケセランパサランの針などのドロップアイテムをギルドの職員が集めておいてくれた)


 目を開けるとそこにはハクビがいた。

「お父様、魔神様がお話があるそうです。変わりますね」

「ショウ ありがとう。 よくやってくれた。何か望みはあるか?」

「少し待ってもらえますか。 皆に聞いてみます。」

「みんな~ もうそろそろ起きて~ 」

「な~にショウ。 目覚めはキスして起こしてくれないとダメなんだよ」と蓮月が言う。


「キス!」

 という言葉に一斉に皆、目を覚ます。


「あれ? 今日って何日?」

「もう8月だよ」

「エ~~そんなに寝てたの」

「それでね。起きがけで悪んだけど、魔神様が今回のことでご褒美くれるって、何がいい?」

「そんなの、リーダーのショウが決めていいにゃ。まだ眠いから寝るにゃ~」

「適当に決めていいから、任せる。おやすみ~」

「起こすときはキスして起こしてね」と、またみな寝てしまった。


「もうしょうがないな~ さてどうしようか」


――✿✿✿――

   

 しばらく考えたあと


「魔神様。一度剣神世界の日本に帰りたいので、移動魔法陣作ってもらえますか?」

「そんな願いでいいのか? この日本をくれてやってもよいぞ」

「いやあまり政治とか統治とか興味ないので……あの大統領のようにはなりたくありませんし」

「お前が以前のように収めてくれれば、安定するのだがな。残念だ」

「しかし、剣神世界まで儂の力は及ばぬのだ。申し訳ないが、この世界のアトランティスまでの移動魔法陣を授けよう」


「もう一つよろしいですか?」

「言ってみろ」


「たまにハクビにも会いたいので、アトランティスからこの日本までの移動魔法陣もお願いします。」

「分かった。ハクビに聞くがよい」


「それからこれはお願いというか、教えて欲しいのですが……」

「何だ。言ってみろ」

「この世界そして龍神世界にもいた事があるようなのですが、よく思い出せないのです」

「なぜでしょう?」

「それは人神のせいだな。人神は記憶を封印できる神だ。かなり強力に封印がかかっているようだ。だが封印にかけてはお前のほうが上だったんだぞ」


「え! そうなんですか?」

「うむ。お前は神や悪魔でも、そのものを封印できる術を持っておった。たとえお前より力が上の者でもな」

「だが、今は神を封印する術は思い出せないであろう。みなそれを恐れた。私も含めてな」

「ヴィーナスのことなど些細なことだ」

「ヴィーナスはあの後どうなったんですか?」


「お前を追いかけて、龍神世界に行った。龍神世界で苦労しておるようだ。もし龍神世界に行くようなことがあったら助けてやって欲しい」

「ずいぶん寛大なんですね」

「あれは、男を食う女神だ。私には手に負えん」


「ついでだ。もうひとつ教えてやろう」

「お前は、この旅で『封印』を復活させた。他の者も魔力だけはこの世界のマスタークラスだ」

「『封印』を復活させたお前は、まだ魔力そのものは弱いが、儂と同等つまり神に近い存在になったともいえる」

「なぜそんなことを教えるんですか?」


「ショウ。また儂の配下にならんか?

 お前を儂の後継者とし、魔神としたい。どうだ?」


「私を魔神にして、創造神の魔神様はどうするんですか?」

「儂は、またこの魔神世界を1から作り直したい。それには新たな創造神が儂を生まれ変わらせてくれないとできない」


「途方もない話なので、それは私がこの世界で死んだ時にまた言ってください。

 その時に、また考えてみます。

 私はまだこの世界を Lip Magic Generations のメンバーと楽しみたいです」


「分かった。人間の寿命はせいぜい100年だからな。待っていよう」


 そう言って、ハクビが意識を戻した。

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