9 沖縄

 7月で梅雨も明けているし、沖縄は海水浴シーズンだ。

 沖縄にも魔物はいると思うが、軽く魔物退治をした後で海水浴もいいかもしれない。


 約30分ほどで石垣島まで飛んでいく。

 もぐらマスを倒したせいか、天気は快晴だ。


 ――あれ? 海岸で魔物と戦っている人がいる。

 よく見るとマーメイドたちだ。

 昔、会ったことがあるマーメイドに似ている。

 確か、名前はサリーだったような――

「サリー 何してるの?」と声をかけてみる。


 マーメイドが「サリーは私の姉よ。あなたは誰?」

「オレはショウっていうんだけど、昔サリーにお世話になったんだ。

 助太刀してもいいかい?」

「もちろんよ。この魔物、私たちの縄張りを荒らして困ってるの」


 冒険者は人の縄張りを荒らさないことになっているので、一応確認する。

「分かった。任せて」

「海水浴に邪魔だから、あの魔物倒すぞ」とメンバーに声をかける。


「了解!」


 美夜とクロがまず魔法機関銃で、魔物「珍子高」の学生の群れにぶっぱなす。

 美夜は「坩堝るつぼ」のイメージ

 クロはなぜか「桃源郷」のイメージを弾に込めている。


「珍子高」の学生は足を燃え盛る炎で火傷したようにバタバタしているが、恍惚の表情を浮かべている。マゾッ気があるみたいだ。

 もう闘うことはできないようだ。

 そのままパサパサに干からびて魔核と「ちんすこう」になってしまった。


 マーメイドたちは、海にいる魔物「Sea臭ッサー」と闘っている。

「Sea臭ッサー」の攻撃は、目にしみる液を飛ばし、臭い息を吹きかけてくる。

 つまり、目と鼻を使えなくする嫌らしい攻撃だ。


 マーメイドは液体をなんとか防いでいるようだが、臭い息のため近づけないようだ。

 碧衣が 「颶風ぐふう!」 で臭い息を、後ろにいる魔物「Sea舞踏」に飛ばすと、「Sea舞踏」は鼻を摘みながらクルクル舞って倒れていった。

 マーメイドはその隙に、「Sea臭ッサー」と「Sea舞踏」に手に持っていた笛で魔法を使う。


 魔法「冥土火笛めいどかふぇ!」


 マーメイドが持っている笛から、火の矢が「Sea臭ッサー」と「Sea舞踏」に突き刺さり、冥土に連れて行く。

 ――恐ろしい笛だ。


 闘いの後の海岸には、とても清々しい良い香りがする「シークァーサー」と「海ぶどう」がたくさん落ちていた。


――◇◆◇――


 瑠璃たちが「やっと海水浴が楽しめるわね」とセーラー服をバッと脱ぐ。

 中にはちゃんとビキニを着込んできたようだ。

「お兄ちゃんの要望に応えてあげたわよ」と言っているが、なんのことだろう?


 アニメになっていないのが残念だが、乙女達は順調に成長している。

 

「さっき、サリーはお姉さんっていってたけど、サリーはいないの?」と

 マーメイドに聞いてみた。

「サリーは、30年位前に剣神世界に遊びに行くね~と言って出かけちゃったの」

 たぶん、ポセイドーンが通った通路を使ったのだろう。


「私は、エリー こっちは旦那のテリーよ」

 男のマーメイドだ。いや男性だからマーマンだな。

 ポセイドーンと同じような三又の槍を持っている。


「私たちは、この先の竹富島に住んでるの。自己紹介してくれない」

「あ、すみません。自己紹介がまだでした」

「フフフ。自己紹介ね。任せて頂戴」と日葵がしゃしゃり出てきた。


 ――出た。出てしまった!


「水着眩しいこの季節、一騎当千、快刀乱麻、ショウが率いる我ら Lip Magic Generations!」といって、それぞれポーズを決める。


 蓮月と碧衣が一緒に 「花吹雪」 というと、花弁が舞い上がり、

「ワルキューレ!」 といって、クロが周りを爆発させる。


 紅々李が手を広げ 「サンセット!」 というと周りが朱色に染められた。


 瑠璃が昼夜逆転のベルを鳴らす。 ・・・いったん暗闇に包まれ

 蓮月の「月光!」で一人ひとりスポットライトで照らし出しながら 

 それぞれ、ポーズを決め、


「日葵です!」

「紅々李です!」

「クロにゃ!」

「碧衣よ!」

「瑠璃よ!」

「蓮月で~す!」

「美夜だ!」

「ハクビです!」

「ショウです。よろしく!」

 と自己紹介し、ハクビが狐火で私を照らす。


「我らショウと夏の花 9人衆 Lip Magic Generations!」 

「略してL・M・G~」といいながら、美夜と日葵が羽で飛び上がり、


 「 炎幕!」で美夜が炎で私を包み、そこに日葵の

 「 雷! 」で激しい光とともに私に向かって雷が落ちた。


 そして皆で私を指さし、私は黒くなりピッと指を上げる。


 最後に瑠璃が羽で飛び上がり、「海水!」で海水浴をしたようにずぶ濡れになり、 碧衣の「突風!」で乾かされる。

 最後に紅々李が私に「ホーリー」する。ハクビは私を舐めてくれる。


「これは笑ってもいいのかしら? とてもユニークな自己紹介ね」

 とマーメイドが笑いをこらえている。

「どうぞ笑っていいですよ」 


 マーメイドとマーマンが砂浜を叩いて笑っている。

 笑われると、逆にそんなに面白いかなと思ってくる。

 まぁこの世界は娯楽が少ないからな。


 しばらくマーメイドが笑い転げたあと、海水浴を楽しむことにした。

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