11 魔女集会(後編)

「£§§ᏖᏔᏪᏧ £§§ᏖᏔᏪᏧ £§§ᏖᏔᏪᏧ」


 魔法陣が出来上がり、火の玉が襲ってくる。

 瑠璃が「水壁!」でそれを防いでいる。


 さらに上から魔女たちが箒に乗って、火の矢を放ってくる。

「 碧衣頼む! 」


「 天っ風! 」 


 火の矢を押し戻し、ゴブリン達に当たる。

 ゴブリン達は上を見上げ怒っているようだ。


「蓮月、碧衣、刀で応戦だ」

 斧で襲ってくるゴブリンを私も入り3人で難なく刀で往なしていく。


「 美夜行け! 」

 美夜が炎炎に乗り、シャドウ、ゴブリンの上を飛び越え、箒に乗った魔女を火炎槍で屠っていく。


 そのまま、詠唱している魔核魔女へ火炎槍を向けながら、

「 豪炎! 」を放つ。


 魔核魔女は、次々火の海に飲み込まれていった。


 シャドウが鋭い爪と鎌で我々を襲ってきた。

「 紅々李、シールドを 」

「 ホーリーシールド! 」

 青い清浄な光が我々を包み込む。


 シャドウはそれに触れると、蒸発するように消えていく。

 後には無数の魔核が落ちていった。


 ゴブリンはそれを見て、恐れをなして逃げ出した。

「 蓮月やれ! 」

「 月光の矢! 」


 前衛がいなくなった魔核魔女を射っていく。

 魔核魔女も次々倒れ、魔核になっていった。


「残る魔女もマシンガンで一掃だ!」

 我々は90度前方に機関銃と魔法機関銃をぶっ放した。

 散り散りになって逃げていく魔核魔女を機関銃で打ち抜いていく。


 残る集団は、幹部と思わしき魔核魔女が50人だけだ。

 魔核魔女の幹部は奥から、不完全な魔物のキマイラを引っ張り出してきた。


 首が3つあり、蛇、鯛、鶴で胴体が亀だ。


 ――魔物を合成して作ったんだろうが、もう少し強そうな動物を使ったほうが良かったんじゃないか?――とても御めでたそうな魔物だけど。


 でも、それなりに大きい。全長3mはありそうだ。

 亀なので遅いのかと思ったら、足を引っ込めて、火を出し空中を回転しだした。


「おーっ」少し感動した。首は引っ込められないでいる。――3つもあるからな。


 そのまま無駄に回転している。

 どのような攻撃をするんだろうと思って、観察していたら目を回したらしく、ふらふらしている。


 フッと何かに気づいたのか、前の足だけ出し、回転をやめた。――だよねー。 

 そして、パーンチの形で突っ込んできた。


「 瑠璃 防御だ! 」

「 氷壁 !」


 瑠璃が壁を作ると、いきなりぶつかり、亀の甲羅がパカッと割れてしまった。

 キマイラは寒いようだったので、美夜が「炎火!」と言って炙ってあげたら、焼け焦げてしまった。


 ――ん~あの火を出す構造はすごいと思うのだが、中身は火に弱いのか。

 あんまり火に強い生物っていないからな。

 難なくキマイラを退治すると、今度は中央の壇上から悪魔が出現した。


 マフィアの悪魔よりかなり強そうだ。

 キマイラは囮だったようだ。

 キマイラが戦っている間に詠唱で悪魔を呼び出したのだろう。


 だがしかし、すでにクロがさっきの戦闘中に供物として捧げられていた5人の少女を救い出していた。

 悪魔はひどく癇癪かんしゃくを起こし、近くにいた魔核魔女を10人ほど食べてしまった。


 するとその悪魔は、さらに身体を背丈で4mぐらいに肥大化させ、我々を見つけ襲いかかろうとしている。


「 紅々李頼む! 」

 すばやく 「 ちはやぶる! 」 と紅々李がいって、光の玉を悪魔に投げた。


 悪魔が神々しい光に包まれる。

 少し縮んだように感じられるが、悪魔は霧散することはなかった。


 ただ、動くのが重石でもつけられたようにすごく遅くなっている。

 その場所から、無詠唱の魔法陣を作り上げ、黒い閃光を放ってくる。


 ハクビが素早く我々の壁になるように立ち塞がる。

「ハクビ! 危ない避けろ!」と言ったが、


 ハクビは「 魔断! 」といって、空手のようにその閃光を真っ二つに切り、

 両脇に弾き飛ばした。

 ――へ~刀でなくても、手刀でもいいんだ。――さすが、我が娘だ――


 黒い閃光は壁にあたり、壁が崩れ爆発し、岩が弾け飛んだ。

 その後には、ブスブスと煙が立ち、深い穴が空いている。


 この場所は地下で、紅々李の光の精霊「アスカ」の力は弱まり、

 逆に魔核魔女が作り出した陰鬱としたこの空間は、悪魔の力は強まる場所である。


「 ハクビ、瑠璃、支援だ 」

「 狐火! 」

 神使ハクビの神聖な炎が悪魔を下から焼いていく。


「 清水! 」

 瑠璃の精霊ウンディーネによる清らかな雨が、悪魔めがけて降ってくる。


 悪魔はもがき苦しみながらどんどん縮んでいく。

 我々の背の半分くらいになったところで、


「 日葵、美夜、碧衣。トドメだ 」


   「 神 雷 !」 「 坩 堝 !」 「 鎌 鼬 !」


 きっさき鋭い雷が悪魔に当たり、地面が烈火の炎で溶け坩堝るつぼとなる。

 さらに一陣の風が回転し悪魔を切り刻む。


 焼き焦げ、もがき苦しむ悪魔が、明滅する光に包まれ、頭を抱え


 ”グゥオーーー”  


 悲鳴とも叫び声とも取れる断末魔の声を出し、1つの大きな塊、中級悪魔の魔核になった。

「クロ、あの残った魔女を頼む」

 クロがサッと消え、

 残っていた魔核魔女を手裏剣と短刀で始末した。


 ◇◇◇


 やっと、カルト魔女集団を退治できたようである。


 ――今回は何もできなかったな。あまり戦闘に参加できなかったし――


 と思っていると、

 皆が「ショウすごかったね~」

「格好良かったよ」と褒めてくる。


 ???


 ――なぜ?


 なぜと思っていると、美夜が

「お前はリーダーだからな。あんな感じで指示を出してもらうと戦いやすい」と言ってきた。


 ――そういえば、今まであまり指示とか命令とかしたことなかったな。

 ・・・・・・それぞれの自主性に任せていたし・・・・・・

 今回はハクビのこともあったから、少し頭に来ていて、命令口調になってしまった。

 これまで、戦闘技術や武器、防具、スキル、魔法にばっかり目がいっていたが、

集団で戦うということは、作戦や的確な指示・命令も大切だよな。

 もっと勉強しないと――



 今まで欠けていたものを見つけた気分であった。


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