8 原住民


 「ア~~レ~~」


 その落下速度に追いつけたのは、美夜とクロだけだった。

 このままでは地面に激突する! ……と思い、身体強化のスキルを使う。

 木の枝をへし折り、地面を転げ回り、100mの凹んだ跡を残し止まった。


 意識はある。身体もかすり傷程度だ。

 ……身体強化ってやっぱすごいな。

 と感心していたら、美夜とクロが追いつき、助けに来てくれた。

「大丈夫かにゃん? ショウ」

「けがはないか? ショウ」と聞いてくる。

「うん。なんとか無事みたいだ。この防具と身体強化スキルのお陰だな」

 と思って立ったら、先住民と思われる部族に囲まれていた。


――槍♂槍――


 ★瑠璃視点です。


 あっお兄ちゃんの羽が燃えてる! 消さないと ……って邪魔だな。この鳥!

 あっお兄ちゃんが落ちていく! ……って邪魔すんなよ。この鳥!

「お兄ちゃ~~~ん」 ……もう、なんだってんだ。この鳥!

 なんか懐いてきてるぞ。襲って来る感じじゃないしな?


 もう、この火がついて飛んでくる矢も邪魔だし……とりあえず、消しちゃえ! 


「ゲリラ豪雨!」


 鳥がなんか困っているみたいだ。もう、そんなことしてる場合じゃないのに

「みんな、この鳥が助けてくれって言ってる。どうする?」

 と感じたことを皆に話した。

 日葵や紅々李たちが

「ショウが落ちてったんだぞ。そんな場合じゃない!」

「うん。私もそう思う。でも、美夜もクロもついてったから大丈夫だと思うし

 ここで、この鳥を助けておいたほうがいいような気がする。だって、鶴に似てるし……」

 瑠璃は「鶴の恩返し」という本がとても好きだった。

 瑠璃はまだ、10歳の幼い少女である。


「まあ、美夜とクロが付いてれば、たぶんまず大丈夫だと思うが、瑠璃のいうことも一理ある」(……「納得するのか!お前たち!」とショウが聞いていたら思ったであろうツッコミの心の声)


 碧衣が「それで、鶴に似た鳥、どうしたいんだ?」というと、

 鶴に似た鳥(めんどいので怪鳥という)は、矢の飛んできた方向を指差し、

「ツーツールールー」という。

 それを瑠璃が、「あっちに自分の子供が囚われて焼き鳥にされそうなんだって」と感じたことを翻訳する。


ツルツルそうそう」と怪鳥が頷く。


「分かったよ。怪鳥さん」蓮月がそう言って、怪鳥をその場で待たせ、そっちの方向へ瑠璃、紅々李、碧衣、蓮月、日葵で向かった。


――△▽△――


 一方、ショウ達は、先住民Aに囲まれ、(先住民AやBは複数形です)

「なんだこいつら、やっちまうか?」

「腕がなるにゃん」

「待て! 先住民に手を出したらダメだ。少し様子を見よう」

 私は美夜とクロを制止させた。


 先住民Aが「aaOφτκτγЙ」という。

(たぶん、読者の皆さんも何をいっているのかわからないと思うので、特別にカッコ内に日本語で翻訳しよう。なお、もちろんショウ達は何をいっているのか分からない) ……もう一度


 先住民Aが「aaOφτκτγЙ(こいつら変な羽つけてるだな)」という。

「◇!кКМжΨ?(もしかして悪魔か?)」

「ЙД‐ΨТiΠ∈ O×¢Ψθ?(んだ。悪魔に違いね。祟られたら怖えな)」

「♂§ee, ♀ΠΖαΦ(んだば、あの弱っちいオスとらえて、メスの悪魔利用すべ)」

「〆U, §o(んだな。そうすべ)」

 何言ってんだ。こいつら……「あっ、やめろ!」


 私は先住民Aに縄で亀甲縛りにされ、檻に入れられた。

『そんな趣味ないぞ』とショウは心で叫んだ。

 美夜とクロはショウに言われたとおり様子を見ていると、先住民Aが膝まづき何度も崇め奉るように両手を下ろしては上げてを繰り返している。

 私以外には危害を加えそうもない。


――Ψ♀Ψ――


 一方、瑠璃サイド


 時間は夕刻、もう日も落ちている。瑠璃たちは、先住民Bの元に、空から降り立つ。それを見た先住民Bは、神々しいものを見たように、両手を合わせ涙ぐんでいる。


「Åчьф∇∑(天使様が舞い降りてきたじゃ)」

「джйяЗ(これで、おらだちの勝ちだじゃ)」

「何言ってんだか、さっぱり分かんないわね」

 日葵が縄に縛られて、下に薪を置かれてる鳥を見て

「まあいいわ。まず、あそこの怪鳥を助けましょう」


 蓮月が蛇腹刀でスパッと縄を切る。怪鳥の子供がバタバタと空に飛び立っていった。

「oo`oNani§uγδα(あっ、なにするだじゃ)」

「ÅΦЖЛξζη(天使様は殺生が嫌いなんかな?)」

「ΘeAOΞΠ(とりあえず、機嫌とんべ)」といって、お供え物を持ってきた。


「食べ物よねこれ?お腹もすいてきたし食べましょ」蓮月はよだれを垂らしている。

「けっこううまいじゃん。野菜と果物ばっかで、焼鳥がないのは残念だけど、お腹の足しにはなるわ」日葵は肉も食べたいようだ。

「野菜は身体にいいからね~」と紅々李がいう。

「最近、肉と魚ばっかりだったら野菜と果物ほしかったのよ~」碧衣は満足そうだ。

 瑠璃が怪鳥が飛んでいった空を見上げて

「あ~食べた。これで、焼鳥があれば最高だね」と、恨めしそうに空を見ている。


 怪鳥は上空で円を描き、

ツーツルーありがとう」と言って去っていった。

 先住民Bが瑠璃たちを囲み、部族衣装を着けてときどき奇声を上げながら踊っている。手には、弓矢と槍、太鼓、笛などを持ち、変わった幾何学模様の仮面を被っている。

「これって、私たちを歓迎してくれているのかしら?」

「あっ、お兄ちゃんのこと忘れてた!」


 紅々李たちがハッと思い出したように慌て始める。

「どこに落ちたんだっけ?」

 先住民Bが「⇒√ЖΩΦ(あっちに敵いるだ) ÅoΨζΓΛ(天使様やっつけてくろ)」

 と、ひとさし指を指して言ってきた。

「よく分かんないけど、あっちに何かいそうね。行ってみましょ」


――Å♀Å――


 ★檻に入れられたショウ視点


 なんだこの檻。四方が鉄格子で簡単には抜けられないな。……この亀甲縛りもけっこうキツイな。口には何もされてないから話せるけど。

 手は後ろで縛られてるし。身体強化使えば、逃げられるかもしれないが、少し様子を見るか……


『あれ?』

 美夜とクロに何か持ってきたぞ。食べ物か? 南国のフルーツみたいだな。

 あっオレには、何か変なトゲトゲのものを檻に投げられた!

 これも食べられるのか? ……しかし、臭いな。嫌がらせか?

「手の縄、解いてくれ!」というと、美夜が軽く火で炙って、縄を焼き切ってくれる。

 それを見ていた先住民Aが驚いたように美夜たちをまた崇め奉っている。


「джйяЗΛ(これで、おらだちの勝ちだべ)」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます