7 トラップ魔法

「なんかすごく暗いところ。その後、火に包まれて、雨が降って、ショウが動かなくなったの」

 ……碧衣の予知夢だ。とてもよく当たっている。


 暗雲立ち篭め暗くなり、美夜が炎で森を焼き、瑠璃が雨を降らせた。

 私は死ななかったが意識を失って倒れた。

 本当に危なかった。皆がいなかったら死んでいただろう。

 トラップ魔法って怖いな。


 少し調べないといけない。このままだと、前に進めない。

 ここは魔女の国だ。何らかの文献があるかもしれない。

 ギルドの総合窓口に聞いてみた。

 イギリスのギルド支部には、地下3階の研究室に図書館が併設されているそうだ。

 その中に魔法に関する文献があるかもしれない。


 ということで探しに行った。

 魔法に関係する本がたくさんある。さすが魔女の国だ。

「魔法とスキル」

「魔法陣」

「魔術」

「手品と魔法の違い」

「禁じられた遊び」……これは違うか。

 皆と協力して関係しそうな本を読んでいく。


 日本では教わっていない魔法や魔法陣について詳しく書いてある。

「魔法陣」の本の中にトラップ魔法に関する記述があった。


1.トラップ魔法の種類

 ①落とし穴 魔法陣を踏むことで、奈落の底に落ちる。泥沼、針の山、登れない壁などがある。

 ②致死性の魔法 魔法陣に入ることで、心臓麻痺、呼吸困難、大怪我を起こす。

 ③天変地異 魔法陣に入ることで、地割れ、落雷、洪水、炎に巻き込まれる。

 ④その他 魔法陣により簡単な魔法(転ぶ、水をかぶる、頭にタライが落ちるなど)を起こす。

 ……私がかかったのは②だな。④くらいなら悪戯で済むけど、かなり危ない魔法だぞ。


2.トラップ魔法の方法

 トラップは通常、地面に魔法陣を直接書くか、交点を結ぶことで発動する。

 魔法陣が形成されたことで、その範囲内でのみ魔法が発動する。

 *注意:なお、この魔法は、大変危険なため通常の冒険者は見ることはできません。S級の冒険者のみに開示されますので、必要な場合はギルド本部に申請してください。

 ……と記述されていた。確かに危ない魔法だ。


3.トラップ魔法の見破り方

 魔方陣に入らないと通常は分からない。

 しかし、何度か経験すると、直感でトラップがあるか分かるようになる。

 なおトラップは、通常、人間が魔物除けに仕掛けることが多い。

 魔物の場合は、人間並みの知識があり、相応の魔力がなければ仕掛けることができない。

 ……なんかいいかんげんだな。


 でも確かにあの森に魔物の気配はなかった。

 でもあんな危険なトラップ、魔物でなくても人間だって死んじゃうぞ。

 よほど近寄って欲しくなかったとみえる。

 もしかしたら何か隠していたのかも……まあもう近づかないけどね。



4.トラップ魔法の解除

 トラップ魔法は解除することはできない。

 トラップ魔法は一度、そのトラップ現象を起こさない限り、消えることはない。

 ただし、トラップ現象を吸収または治療する方法はある。

 吸収する方法は、『逆魔法陣』を作ること。


 治療する方法は、高度な治癒魔法により回復することはあるが、死亡していれば効果はない。なお、トラップは通常地面を踏まないと発動しないため、空中を飛んでいけばトラップにかかることはない。


 ……逆魔法陣が文献に書いてある。全部で4つだ。

 でもどうやって、使うんだろう。

 あらかじめトラップがあることを分かっていないと、無駄なんじゃないのか? 

 もしかしたら、トラップに引っかからないようにするには、トラップ吸収用の魔法陣を防具に書いておけばいいのかも。


 やってみる価値はあるな。メンバー全員の胸当に書いておこう。

 私の『魔断』でもトラップを解除できるかもしれない。

 トラップがありそうだったら、あらかじめ魔断でその場所を切る方法もあるかもしれないな。


 この「魔法陣」の書には、トラップ魔法の他に、防御魔法陣や攻撃魔法陣、生活魔法陣についても記述があった。


★防御魔法陣は、日本でも習ったが、お札による結界や魔法陣を使って魔物や魔法から身を守る方法だ。

 こちらではお札とは言わないみたいだし、魔法陣も円形が多く、日本のように文字によるものは少ない。


 こちらの文字タイプも魔法陣の中に書き込み発動させるようだ。

 ただどのタイプも物理攻撃には弱い。

 *防御魔法陣は、魔法による攻撃を防げるが、剣による攻撃にはほとんど無効である。


 ★攻撃魔法陣

 魔法陣を歌や詩を唱えながら空中に描き、炎や氷の矢などを発動させる。

 時間はかかるが、威力はけた違いのようだ。

 ただ、これも危険なため、S級にならないと実際の魔法陣は閲覧することはできない。


 ★生活魔法陣

 生活に必要な水や火、風、土の創生を比較的小規模で発動させる魔法陣である。

 こちらの科学でも十分に対応できるため、だいぶ使う人は少なくなったようだ。


 私は逆魔法陣を書き写し(この世界にコピー機はない)、図書館を後にした。


 後日トラップ吸収用の魔法陣を胸当に書いてあげたら、女性陣から

「なんかイヤラシイ魔法陣だね~ ちょうどおっぱいのところに描いてあるし~」

「魔方陣4つだから、表裏に2個ずつ描かないとダメだったし、我慢してね。

 そのうち、違うプロテクターができたら、そっちに書き写すよ」

「アハハ冗談だよ。けっこういいマークだね。ショウが描いてくれたんだし、大事にするよ」と乙女たちになんとか受け入れてもらえたようだ。

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