4 七五三

 私が5歳の誕生日を迎えたとき、「七五三」で私は父、母と一緒に神社にお参りしに行くことになった。

 私の希望で、お参りは京都の稲荷大社に行くことになり、江戸から京都まで初めて蒸気新幹線に乗ることになった。

 車中から富士山を眺めつつ、江戸から京都まで1時間くらいで着いてしまった。

 ――これなら、飛行機はいらないな。


 稲荷大社に着いて、一礼後、いくつもある朱色の鳥居をくぐり、身を清めた後、奥の拝殿に行くと


「お父さん!」


 どこからともなく、声が聞こえた。

 後ろにいる父を見たが、何も反応がない。母も同じだ。

 頭に響く声、「念波」のようだ。どうやら私にだけ聞こえているようである。


「誰?」と頭の中で答えると、


「あなたの娘の白狐、妖尾ヨウビです」

 そういえば、私には九尾の狐の時、5匹の子供がいた。


「久しぶりだなヨウビ。こっちに来てたんだ」

「はい。お父上は、天命を全うしてから天界に上り、とても功績のあった優れた狐であったため、神使になることができたのだそうです。でも、それを望まず人間を希望されたとか。

 神はその代わりにということで、我々を4世界の稲荷大社に神使の見習いとして置くことになったそうです」

 まだ、5歳なのにお父上とか、不思議な感じだ。


「そうか。健在でなによりだ。不自由はないか?」

「健在かといわれると、もう死んでしまってこちらの世界に転生しましたから――

 でもこちらでは、巫女さんにとても良くしてもらってます。私を崇めて、訪れる人も多くなっているような気がします。

 お父上のように的確な助言はまだできないと思いますが、がんばっているつもりです」

 我ながら、よく出来た娘だ。


「そのお姿だと、まだお父上の妖術が顕現できていないのではないですか?

 折角なので、私の力で目覚めさせたいと思いますがよろしいでしょうか?」

「うん。よろしく頼む」


 父と母に拝殿で礼に倣って、拝礼することを告げ、「二拝二拍手一拝」を行い、鈴を鳴らした。


 カラ~ン カラ~ン

 ――涼やかな鈴の音とともに頭の中に白狐が現れ、青い炎が舞い上がった。


「これは、もともと父上の中に眠っていた力です。かなり強い霊力とともに開放しました。他にも力があるようですが、私にできるのは今はここまでです」

「ありがとう。使い方は分からないが、いろいろ試してみるよ」

「はい。また遊びに来てくださいね」

「うん。今度はお稲荷さんでも持って、お参りに来るね」


 そういって別れを告げた。

 さて、どんな力(スキル)なんだろう?

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