2 誕生 と 刀剣鍛冶師

 出産は順調で、安産だったと言えるだろう。

 生まれてから、産声も上げず暫く放心していたら、母が泣くように驚いて


「声を出して泣いて、私の赤ちゃん」と言ってきた。

 ――オギャー ―― ではつまんないな

「ウ、ウ、・・・

「ウ、生まれて、飛び出て、ジャジャジャジャ~ン」


 ――仕舞った――


 と思ったが、母は、「ギャハハハ……」と泣きながら笑っていた。

 まぁこちらの世界では、前世の記憶をもって生まれてくるので、生まれてすぐ話せるんだそうだ。

 普通は「おはよう」とか「こんにちは」らしいが――


 私は、鍛冶師の家に生まれた。

「名は?」 と、父から聞かれたので、

「前世では『ショウ』という名だったらしいです」と答えた。


 氏姓は「立花」だったので 「立花 翔」という名前を授かった。


 父は刀剣鍛冶師である。

 名前は「立花 正宗」 母は「立花 櫻」いかにも日本的な名前だ。


 私は生まれてまもなく、刀剣の作り方を勉強することになる。

 ”トン、テン、カン トン、テン、カン ……”

 今日も家中に金鎚かなづちの音が鳴り響く。


 刀を作るようになるには、まず身体を鍛えねばならないが、生まれてすぐの赤子には無理なため、読み書き、刀剣という感じで、おっぱいを飲みながら母に教わった。


 正宗は、日本でも屈指の刀工で、妖刀を作ることを得意としている。

 正宗は2人のドワーフと熊族の弟子を持ち、日々刀工に明け暮れていた。


 刀剣は、世界各国の地域によって作り方が異なるが、

 日本刀の場合、砂鉄と木炭などを炉で炊き続けることで鉄の塊「玉鋼」を作る。

 それを焼成しながら、水や油などに入れ冷やしと焼きを繰り返していく。

 どのくらい繰り返すかは、刀工の感となる。

 てこ棒と呼ばれる、棒の先に品質が整った玉鋼を乗せ、炉で積み沸かしをしていく。

 材質の異なる鉄を内部と外部に造り込み、大槌で叩きながら適度な大きさに伸ばしていく。

 ある程度まで大きくなったら、反りを入れさらに焼成、水入れを繰り返し、刀の形に整えていく。

 荒削りと研磨を繰り返し、形が整ったら焼刃土を塗り、刃紋を作っていく。

 最後に焼入れを行い仕上げる。


 父の場合、妖刀を作るため、砂鉄の他に自分の血液を入れたり、内部に入れる鉄を、合金にしているらしい。

 あとは焼入れや水入れのタイミングが非常に難しいため、身体で覚えるしかないそうだ。

 妖刀は刀工も大事だが使う人によって、かなり変化する。刀工はできるだけ、魔力の伝導性を良く仕上げることが求められる。



 刀剣には、切れ味や魔力伝導性、特殊能から5段階に分けられる。


端物:ただの刀剣。木刀や包丁、木の棒も含まれる。

    木の棒はタダだが、通常1000円~1万円くらいである。

業物:鍛冶師以外のものが作った刀剣が多い。約1万円~10万円程度

良業物:鍛冶師が作ったものが多く、あまり切れ味は良くないが、

 防御性は高いと言われている。約10万円~100万円程度

大業物:練度の高い鍛冶師が作ったものが多い。

 切れ味または魔力伝導性がとても良い。約100万円~1億円程度

最上大業物:練度の高い鍛冶師でも作るのは偶然性が高く、難しい。

 切れ味、魔力伝導性はもちろん良く、特殊能もあるとされる。

 1億円以上で通常100億円はするといわれる。


最上大業物の日本刀や東洋の刀剣では、

 妖刀村正、鬼丸、十束剣、名槍岩融、涯角槍、方天画戟、蛇矛など

洋刀では

 エクスカリバーやデュランダル、聖剣グラム、ロンギヌスの槍、ストームブリンガーなどが有名だ。

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