第377話 新天地へ③ 浮遊大陸と謎の老人
【お知らせ】
カクヨムコン6への参加作品として、新作を投稿しました!
「絶対無敵の
https://kakuyomu.jp/works/1177354055151436608
《ざまぁ》+《主人公最強》な作品です!
応援よろしくお願いいたします!<(_ _)>
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地下古代迷宮で発生した謎の光。
以前は魔界へ飛ばされたが、今回は謎の浮遊大陸へと移動していたトア。
とりあえず合流できたエステルとフォルを連れて、その全容解明と他の仲間たちとの合流を目指して大陸内を移動していた。
「思ったよりも広いな」
「こんな大きな大陸が空の上を浮かんでいたなんて……」
「人目につかないよう結界魔法の類で覆われている可能性もあります。サーチ機能がまったく働かないので詳細は不明ですが……今の僕はただ料理がうまくて多言語会話が可能なただの甲冑です」
「戦闘兵器の名残はゼロになったな……」
そちらの方が平和的で喜ばしいのだが、おかげでフォルがよく分からない方向に進化を遂げつつあることに若干心配するトア。
その時、エステルが何かを発見して叫ぶ。
「トア! フォル! あそこ見て! 人がいる!」
「人って……クラーラたちか?」
「ち、違うみたい――おじいさん?」
「「おじいさん?」」
トアとフォルは顔を見合わせる。
この浮遊大陸に、自分たち以外の存在がいる――まったく想定していなかった事態に、三人の動きはピタリと停止。
だが、さすがにこのままではいられないとまずはトアが一歩を踏み出し、老人のもとへと向かって歩きだす。
すると、
「む? 誰かおるのか?」
老人が振り返り、視界にトアを捉える。
「むおっ? ……驚いたなぁ。こんなところに人がいるとは」
至って普通そうな老人。
なぜこんなところにいるのか、とトアが尋ねようとさらに近づく――と、突然視界が薄暗くなった。
何か巨大な物体に日の光が遮られている。
トアがそう認識した直後、フォルが叫んだ。
「マスター! モンスターです!」
慌ててトアは首を真上に向ける。
視界に飛び込んできたのは、体長五メートルはあろうかという巨大な鳥が鋭い爪をこちらに向けて落下してくるところであった。
「なっ!?」
トアは咄嗟に聖剣を構えるが、それよりも先に――
「チェストォ!!!!!」
先ほどの老人が強烈な飛び蹴りを巨鳥へ繰り出した。
その直撃を受けた巨鳥は木々に体を叩きつけ、ピクリとも動かなくなる。よく見ると、首があり得ない方向に曲がっていた。
「危ないところであったな。あの鳥は獰猛な肉食鳥。ここにはあのような鳥が多く生息しておる……油断するでないぞ」
「あ、は、はい……」
突然のこと過ぎていろいろと処理が追いつかないトア。
一方、老人はトアの手にしている聖剣を目にすると、一瞬目を見開き、その後で静かに尋ねた。
「小僧、名をなんという」
「あ、え、えっと、トア・マクレイグです」
「トア? ……そうか。シャウナが気に入っていた人間の小僧とはおまえさんのことであったか」
「!? シャウナさんを知っているんですか!?」
トアの声を聞いたエステルとフォルも駆け寄り、合流。
三人が集まったところで、老人は改めて口を開いた。
「トア・マクレイグとその仲間たち……となると、おまえたちは要塞村の村民か?」
「よ、要塞村まで知っているなんて……」
「あなたの言う通り、僕たちは要塞村の村民です。――シャウナ様から、その話を聞いたのですか?」
「その通りだ」
そう語る老人――だが、トアたちはある共通の違和感を抱いていた。
『なんか、さっきより大きくなっている?』
明らかに、最初見た時よりも老人の身長は伸びていた。
最初はトアよりも低かったはずが、巨鳥を蹴り飛ばした時はトアよりも頭ふたつ分ほど大きくなっているのだ。
そのことに気づいた時、トアはある人物を脳裏に思い浮かべた。シャウナを知っているということもあって、ほぼ間違いないだろう。
「あ、あの、あなたは――」
「吾輩か? ……名はアバランチ。おまえたちには《赤鼻のアバランチ》と言った方がよいかな?」
「「「!?」」」
三人は自然と背筋がピンと伸びた。
相手は八極のひとり――《赤鼻のアバランチ》だったのだ。
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