第46話 不勉教信者たちによる恐るべき集団生活の実態

「〈曲がり角〉に気をつけて」

 木村は眼鏡の奥で目を細め、先を見やった。岩瀬の言うとおり、まごうことなき〈曲がり角〉が待ち受けている。〈曲がり角〉以上の描写は必要ない、〈曲がり角〉とだけ言えばすべてが伝わる、日本における伝統的な〈曲がり角〉だった。

「あの〈曲がり角〉は危険だ。あまりに〈曲がり角〉すぎる。ここはいったん、部屋に入りましょう」

〈通学路〉のコンクリート塀にはなぜかマンションのように等間隔に扉が並んでいた。

 一行は部屋に入り、鍵をかけ、チェーンを5重にロックした。

「さあ、これでひとまずは安心です。確認しますが、女子とは一度も出会いませんでしたね?」

 木村はうなずいた。部屋を見まわす。中はまるで〈教室〉のようだった。それも典型的な〈教室〉だった。さらにいうなら〈放課後〉の〈教室〉だった。〈通学路〉と同じく、〈教室〉と言えばわかるだろうという設計者の傲慢な意識が濃密に漂っている。

 岩瀬が言った。

「わたしはあなたがたおふたりに先んじて、アイドル経済学者の田中先生と、ここ『はるいろレジデンス』に潜入した。だが田中先生は、わたしの忠告も聞かず、さまざまな〈出会い〉を繰り返した。〈曲がり角〉で女の子とぶつかり、〈幼馴染み〉と下手な漫才を繰り広げながら〈通学路〉を歩き、美少女〈転校生〉と出会い、手をつないで〈敵〉に追われ、〈着替え〉をのぞき、エロ本を読んでいたところへ不用意に近づき『見たな、わたしの秘密』と言われ、かつての傭兵時代を〈ヒロイン〉とこれ見よがしに語り合ったあと青い空を見上げながら『日本は平和だな』とつぶやき、とある施設にふたりきりで閉じ込められ、パンをくわえられ、空から降ってこられた。そしていまは、あのような姿に」

 窓際を指さした。頭の禿げ上がった中年男性が、スクールシャツ姿で机にすわり、頬杖をつき、夕日のようなものを顔に浴びながら、窓の外をぼんやりと眺めていた。

「いまやラノベ廃人です。お気の毒に」

 カイザーが突然叫んだ。

「こ、こんなところにいたら、われわれもラノベに…………っ!」

「菅原先生、セリフに気をつけて! 〈3点リーダー〉を口にしてはいけない! しかも4つも! 4つは長すぎだ!」

「……………………」

「まただ! 先生、気をたしかに! カギカッコの中がリーダーまたはケイのみの場合は4字分です! いまどのような意図で〈3点リーダー〉のみを口にしたか、ご自分でわかっていますか? うまい返しが思いつかなかったからではありませんか?」

「――――――――――――――――」

「長すぎる! 怠慢なうえに長すぎる! そうだ、菅原先生、これを」

 岩瀬はバッグをかきまわし、B5、上製、厚さ12.5センチの書籍を取り出した。

「わたしの代表的著書、『理論生物学入門』(関東第一高校出版会)です。さあ、これを読んで!」

 カイザー菅原は震える手で書籍を受け取り、ページを繰り、2種の個体数を数学的に表現する連立微分方程式を眺めた。その難解さにほっこりし、その顔に穏やかな笑みが浮かぶ。そして癒やし効果の浸透とともに、学者らしい眉間のしわがみるみる深まっていった。

「危ないところだった。みなさん、準備もなしにここへ来られたのですか?」

 木村は顔をしかめてうなずいた。ちなみに木村は岩瀬が大嫌いだった。偽善的な一生懸命さ、かんちがいに端を発するリーダーシップの発揮ぶりが癇にさわるのだ。神奈川県警と連携し、岩瀬のバッグにこっそり手鏡やアダルトグッズを仕込んだのも一度や二度ではなかった。

〈大人〉もムカつくときはあるのだ。

「ここはいったん、引き上げたほうがいいかもしれない」

 岩瀬は顎に手をやり、リーダー然とした思案げな表情でうつむいた。

 木村は眼鏡を持ち上げ、大人の忍耐力を発揮しながら言った。

「この施設は、一体どういう原理が働いているのです? なぜ生身の人間が、そうまで都合よくラノベを展開することができるのです。ラノベは20年前に失われた。高校2年生たちはもう、ラノベはできないはずだ。そうでしょう?」

「ここはラノベリハビリ施設。数理生物学の応用によって、ここでだけはラノベが可能となるのです」

「数式で人間行動をあらわすことなどできない」

「通常の環境ならね。高校2年生信者たちはここで、厳格な〈お約束〉のもとで暮らしている。〈テンプレ〉と呼ばれる共同生活です」

「理想気体のようなものか」

「言うなればね。個性も遊びもチャレンジスピリットも許されないゴリゴリの〈テンプレ〉、そしてほぼ〈教室〉と〈通学路〉と〈自宅〉しかない単純きわまりない環境。よってほかの不確定要素は無視できるほどに小さくなる。これを見てください。わたしが即席でつくった、ラブコメ競争関係にある2種、つまり男子と女子の動態モデルです」

 岩瀬はグラフを見せた。横軸に男子、縦軸に女子を取ってある。

 カイザーがのぞきこみ、言った。

「繊毛虫のグラフみたいですな」

「繊毛虫のようなものですからね。2種は非常に安定している。まさに単細胞生物のように。これでは角を曲がるたびにぶつかるのも道理だ」

 木村が言った。

「専門家として、なんとかできないのか。たとえばどちらかの種を絶滅させるとか」

「無理です。環境が一定ですから。通常、個体数は連続量ではなく離散的なのですが、環境の変化がほぼない以上、種の絶滅はあり得ませんね。保護区のようなものですよ。いや、待てよ。女子を捕食者、男子を餌生物と捉え直せば、もしかすると、もしかするかもしれない。dx/dt=rx-axy、女子の捕食速度を ax/(1+hx)と」

「口で数式を言われてもわからない。黒板に書いて説明してくれ」

「〈黒板〉は使えません」

「なぜだ」

「なぜでしょうねえ。試してみましたが、ここの〈黒板〉に書けるのは、製作スタッフや関係者にしか通じない小ネタか、せいぜい英作文くらいでした。きっと書けないんでしょうね。書く頭もないんでしょう。まあ、ただの背景ですから」

 なにを言っているのかさっぱりわからず、木村は頭を振った。

 そのとき。

 壁を挟んだ隣の部屋から、男女を思わせる会話がうっすらと聞こえてきた。教師3名はすぐさま壁に寄り、上段、中段、下段にわかれ、往年のコントを思わせる体勢で耳をくっつけた。

「あっ、お兄ちゃん! もう、どこほっつき歩いてたのよ?」

「おれにもコンビニに行くくらいの権利はあるだろ」

「ない! そしてお兄ちゃんは、わたしの許可なくしては、パンツを履く権利もないんだからねっ!」

 ……パンツくらい自由に履かせてください。

 という心の声が木村の耳に届いた。センスのない返しだな、と思った。ひねりがない。

「毎朝お兄ちゃんにパンツを履かせてあげるのが、わたしの唯一の生きがいなんだから!」

 いやそれ生きがいって言わないし!

 という心のツッコミも聞こえてきた。いちいち返すとおもしろさ半減だな、と思った。それにいちおう、「毎朝パンツを履かせる」は、生きがいの範疇に含まれるだろう。価値観はひとそれぞれだ。ゆえに先のツッコミはツッコミとして成立しない。

「まあいいわ! 今日のところは許してあげる。その代わり、一緒にお風呂に入れっ!」

 こほん。

 男子はペース配分を考慮するように咳払いし、嬉しいくせに妙に冷静な口調で言った。

「一華(妹の名前)」

「なに?」

「中学2年生にもなって、おれとお風呂とかだな……」

「うるさいうるさいうるさーいっ! お兄ちゃんには発言権なんてないんだからね! ほら入れーっ! その前にパンツ脱げ♪」

 妹に襲われもみくちゃにされているような効果音とともに、妹によるセクハラを受けつづけてきて困っていますといった無駄に冷静な男子の思考が言葉の連なりとなって聞こえてくる。なにがセクハラだ、と木村は思った。たしかに「わいせつ」は、被害者には男子も含まれる。しかし現在どたばたと繰り広げられている行為に対し、男子被害者の法的侵害性は認められない。なぜなら犯人にパンツを無理やり脱がされているにもかかわらず、性的羞恥心を微塵も抱いていないからだ。むしろ喜んでいる。なのになぜ、あれほど嫌がるそぶりを見せるのか。なぜ冷静さを保とうとするのか。風呂くらい入ればいいじゃないか。石鹸でぬるぬるすればいいじゃないか。13歳以上なんだから(自主検閲)いいじゃないか。近親だからか? バカな。「性的自由に関する罪」に関しては、近親か否かは日本においては区別されないし、被害者の親告がなければ罪は成立しない。いいんだよ! 日本では妹との(自主検閲)は法的に許される! ここは日本だ! 多神教の単一民族国家だ! 愛しているのなら愛せるのだ! 風呂に入りたければ入れるのだ! お互い愛しているのなら、血のつながった妹(自主検閲)できるのだ! 石鹸まみれの中学2年生の妹の(自主検閲)に触れ、「あう(自主検閲)お兄(自主検閲)もできるのだ! 犯罪ではない! なのになぜ! おまえらは刑法も忘れてしまったのか?

 ゆとりだ! ゆとりがやってくるぞ!

 日本は終わる!

 木村は防火扉に駆け寄り、ロックを開け、〈通学路〉に飛び出した。岩瀬が気づき、木村の背に向けて叫んだ。

「ダメです。木村先生!」

 どん。

 木村は「どん」の原因を見下ろした。

 男子が腰を抜かしたような格好でへたり込んでいる。

「あ…………あ…………」

 少年は木村を見上げつつ、実際に「あ…………あ…………」と口に出してあえいだ。たしかにいまの木村の形相に対するリアクションとしては適切だったが、それ以上に互いのあいだには次元の壁とでも呼ぶべき隔たりが存在しているように木村には思えた。

 男子は見たところ、ごくふつうの高校生だった。おそらく2年生だろう。なんの取り柄もなさそうだった。冴えない風情で、明らかにモテなさそうだ。生徒をそのように決めつけるのはよくないことなのだが。

「おまえ!」

 木村は男子の腕を取り、無理やり引っ張り上げた。

「授業にも出席せず、こんなところでなにをやっている?」

「プ、プロローグ」

「プロローグ? なんだそれは?」

「その子を解放しなさい」

 凜、とした声が聞こえた。

 木村は〈通学路〉の先に顔を向け、イヤな予感を覚えつつ眼鏡を持ち上げた。

 ひとりの少女が立っていた。焔を思わせる深紅の髪はふくらはぎ付近まで伸び、その手にはただかっこいいからという理由のみでデザインされたであろう実用性ゼロの大剣が握られている。顔は凜々しく引き締まっているが、どこか幼さを残している。瞳の色はもちろん、焔を思わせる深紅だった。

 きれいだ、と思った。

 もちろん木村がではなく少年がだった。

 木村はごてごてのコスチュームをひととおり眺め、記号化されたシルエットを頭から追い出し、顔の造形のみに意識を集中した。そして女子の正体に気づいた。

「お、おまえは、2年Θ組の東堂杏! こんなところでなにをやっているんだ!」

「わたしの目の前で、もう人間は殺させない……っ」

「なにを言っているんだ」

「すべての邪悪を灰燼にっ! 《炎滅閃》っ!」

 東堂杏ならぬ焔の少女は、技名を叫んだあと、木村に向かって駆けた。だいたい3メートルまで距離を縮めたあと、跳躍し、横方向からの力にはめっぽう弱そうな剣を木村の頭上に振り下ろした。

 ガキィ!

 斬撃を受け止めたような効果音が鳴り響いた。だが木村はなにもしていない。ついでに《炎滅閃》らしさもとくに感じられなかった。ただジャンプして剣を振り下ろしただけだ。

 少女は剣を振り下ろしたままの体勢で宙に浮いている。いや、ちがう。木村は気づいた。浦安の反重力プレートだ。髪がゆっくりと、まさに焔のように揺らめいている。

「……めろ」

 少年がうずくまったままつぶやいた。

 木村は腰を折り、少年にたずねた。

「なんだって?」

「やめろ…………っ」

「なにが『やめろ』だ。なにに対しての『やめろ』なんだ。わたしはなにもやっていない」

「もうだれも傷つけさせないっ!」

 木村はふと足下を見下ろした。そこでは東堂杏がうつ伏せで倒れ、美しい顔をゆがめ、苦しげに息をついていた。なにもしていないにもかかわらず。

 少年は震える脚で立ち上がり、ちっぽけな勇気を振り絞り、木村に正対した。その表情、前髪で目を隠しつつうつむくその表情を見るにつけ、秘められし力の解放は時間の問題のように思われた。

 木村は両方の手のひらを向け、刺激しないようゆっくりと話しかけた。

「落ち着け。落ち着くんだ。わたしの顔をよく見ろ。わたしは木村だ。刑法学者の木村だ。おまえらの先生だ」

「いまさら慈悲を乞うても遅いんだよっ! 《竜牙斬》っ!」

 バキィ!

「聞くんだ。いくら効果音を鳴らしてこぶしを突き出しても、わたしはおまえの攻撃を受けて壁際まで吹っ飛んだりしない。だいたいこぶしによる攻撃なのに『斬』はおかしいじゃないか。技名が技そのものを表現できていない。『斬』という文字がかっこいいからか? おい、こっちを見ろ。どこを見ているんだ。なんだその目の焦点の合わせ方は。そっちのほうに妖精でもいるのか。頼む、現実を見るんだ。こんなことはもう、終わりにするんだ」

 ガキィッ!

「やめるんだ。ラノベをやってはダメだ。自分がいまなにをやっているのか、あらためてよく考えてみるんだ。ラノベをつづけていたら、大変なことになる。取り返しがつかなくなるんだ。わたしは知っている。30歳を過ぎてもラノベに固執し人生そのものが負のラノベスパイラルに陥ってしまった男を知っているんだ。わたしの友人だった。だから、だから。ラノベだけはダメだ。ラノベだけは」

「炎と氷と風と雷、そして光と闇を統べるすべての精霊たちよ、ぼくに力をっ!!!!!」

 炎と氷と風と雷と光と闇がいっぺんに少年のまわりで渦を巻いた。それぞれのいいところがぐちゃぐちゃに入り混じりながら上昇していく。あれだと期待される効果が正味ゼロになってしまうのではないかと木村は思った。なんでも組み合わせればいいというものではないのだ。

「《竜牙斬・改》っ!」

 ドグシャァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 木村は6色ソフトクリームのような《竜牙斬・改》をまともに喰らった。もちろんこぶしの残像や先ほどの渦巻きは単なる光のページェントなので肉体的ダメージがあろうはずもない。

 その代わり精神に喰らった。

 竜牙斬・改。

 木村は少年だか男子だかの腕を引っつかみ、先生らしく怒鳴りつけた。

「おまえ! 新必殺技の名前すらまともに思いつけないのなら、ラノベなどもうやめてしまえ! いますぐ一緒にここを出るんだ! 両親におまえの言動を逐一報告してやるからな! こっちを見ろ! わたしに目の焦点を合わせろ!」

「その子を解放するですにゃ」

 にゃん、とした声が聞こえた。

 ひとりの少女が〈通学路〉のちょっと先に立っていた。〈語尾〉で的確に伝わったとおり、東堂とは別の少女だった。

 ちなみに衣装と髪色は青系だった。

 きれいだ。

「ここはわたくしに任せるですにゃ! いっくよー、《氷舞葬》っ!」

 キシャーン!

「や、やめろ」

 木村は膝をついた。だが氷の舞に葬られたからでは決してなかった。

「やめてくれ。もう、これ以上は」

「ところでそこの少年、あんたは一体だれなのですにゃ?」

「ぼ、ぼくは、その――――」

「ほうほう。名前をまだ決めてないのですかにゃ」

「そ、そうなんだ」

「ラノベも人生も練習あるのみですにゃ。ではさっそく、わたくしとの合体攻撃で、悪を完全に滅ぼしてしまいましょうですにゃ」

「あ、あなたはシレイア? こ、こんなところで、なにを」

「にゃ? おっときみは、フレイアちゃんではないですかにゃ。その傷はどうしたのですにゃ? 『焔の精霊女スピネー』ともあろうお方が、たかだか人間に打ち倒されちゃったのですかにゃ?」

「あ、あなたには、関係のないことよっ!」

「き、きみたち。知り合い、なのか」

「やめろ。そういう会話はやめろ。頼むからやめてくれ。頭が。炎だからフレイアという名前はまだわかる。だがシレイアとはなんだ。どこ由来の名前なんだ。あ、頭が割れそうだ。おまえらの必殺技より、よほど来る」

「それはそうと、わたくしたったいま、この子をわたくしの『男人形パペット』にすると決めたですにゃ」

「ふ、ふざけないでっ! わたしが先に見つけたのよ!」

「き、きみたち、ケンカは、やめ」

「あんたは黙ってなさい!」

「おまえは黙ってるにゃ!」

 バキィ! ガシィッ! ズガガガガ!

 どさり。

「さ、これで邪魔者は片づきましたにゃ」

「じ、邪魔者……って」

「それでは唐突ではございますが、1000年の長きに渡る『炎』と『氷』の戦いを、いまここで決着させるですにゃ」

「望むところよっ!」

「ぼく、完全無視ですか…………」

 ガシ。バキ。

「ここで終わらせるっ! 《炎滅閃》っ!」

「《氷舞葬》っ!」

「じゃあぼくもついでに、《竜牙斬・改》っ!」

「あぁっ!」

《炎滅閃》と《氷舞葬》と《竜牙斬・改》のエフェクトが渾然一体と繰り広げられるなか、木村は〈通学路〉にうずくまり、頭を抱えた。そして叫んだ。なぜ。なぜなのだ。こいつらは一体、なぜ……………………。思いは言葉にならず、代わりに〈長すぎる3点リーダー〉になった。木村はくぐもった叫び声をひたすら上げつづけた。

「あああぁぁぁぁぁっ! あああぁぁぁぁぁっ!」

 敵の様子がおかしいことに気づいたシレイアとフレイアと名前をつけ忘れた少年が、それぞれの矛を収め、法服姿の中年男性を心配げに見下ろした。

「だいじょうぶですかにゃ?」

「あああぁぁぁぁぁっ! あああぁぁぁぁぁっ!」

 そこへ岩瀬とカイザー菅原が〈教室〉から飛び出してきた。カイザーは木村の腰に腕をまわし、軽々と持ち上げ、肩に担いだ。

「とにかく出ましょう! いま迎瀬先生から電話がありました。第6校舎ヒルズが大変なことになっているようです!」

 岩瀬が言った。カイザーはうなずき、ひたすら叫びつづける木村を抱えて出口へ駆けた。

「あああぁぁぁぁぁっ! あああぁぁぁぁぁっ!」

「にゃw」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます