第23話 簿記部 最終章

 自分の所属している部活については、これまに何度か書いたと思います。簿記部です。


 ただひたすら問題を解くと言う授業の延長のようなこの地味な部活にも、一応大会と言うものがありました。大会の内容ついては第10話でも書いたので省略しますが、自分達が二年生の頃、当時の三年生は県大会で二位となり、見事全国大会へと進みました。

 今回は、自分達が三年生の頃の話です。恐らくこれが簿記部編最終章になるでしょう。


 夏休みに入り、簿記部にとっては大会の季節がやって来ました。

 一年前、自分達の学年は男女3人女子1人の計4人で挑みました。しかし、それから一年の間に新しいメンバーが1人加わりました。その代わり、一年前にはいたうちの1人が辞めていきました。合計4人と言うのは変わらずです。

 更に言うと、当時二年生以下の後輩部員はゼロでした。厳密に言うと何人かはいたと思うのですが、みんな幽霊部員でした。


 部の未来が心配ですが、それでも今は大会に集中です。仮に一・二年生がいたとしても、自分達三年生とは出る部門が違うと言うのは10話でも書いた通りなので、今回の大会における影響は何もありません。

 目標は、二位以内に入って全国大会に出場する事!


 ですが自分達も、そこまで大会に対して情熱を燃やしていたかと言うと、決してそうではありませんでした。

 一年前、当時の三年生は違いました。前日止まったホテルでは、誰もが真剣な表情で猛勉強。その様子は、同室だった女子が空気が重くていづらいと男部屋にやって来て、帰りたくないと言うほどでした。

 それに比べると、自分達はどうもそこまでやる気や緊張感が持てないでいました。行けたらいいね、くらいの感覚でした。


 その理由の一つが、全国大会の開催地にあるのではないかとおもいます。

 全国大会は毎年東京と大阪で交互に行われているのですが、その年の開催場所は大阪でした。


 この全国大会、実は大会に出るのと同じくらい、我々部員にとっては楽しみにしている事がありました。観光です。


 毎回全国大会に行った際には、近くを観光して回ると言うのが我が部の伝統になっていました。開催地が東京ならディズニーランドが定番で、大阪なら大阪城だったり甲子園だったりに行っていました。

 しかも、大阪にはその少し前の年にユニバーサルスタジオジャパンがオープンしていたのです。

 そのため新入部員の勧誘では、『ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンに行きませんか』をキャッチコピーにしていたほどです。

 もちろん自分達も、目指せUSJの精神で頑張っていました。

 しかし、いつしかそれではやる気を保てなくなってきました。なぜなら……


「USJ、修学旅行で行ったよね」


 そう、22話で書いた通り修学旅行の行き先が直前で変更され、自分達は既に全員USJを満喫していました。もちろん大阪やその周辺には他の観光地もあるのですが、ずっとUSJを目指していた身としては、それが叶ってしまった今、わざわざ全国大会に行く意味があまり感じられなくなってしまっていたのです。

 何しに全国行く気だ、などと言うツッコミは受け付けません。


 そうして、中途半端なやる気のまま大会を迎え、問題を解き、そしていよいよ成績発表。

 その結果は…………三位でした。全国大会には、行けませんでした。


 二位とは本当に僅差で、誰かがあと一問でも多く正解を書いていたら同点になっていました。

 もしそんな事になったらどっちが全国に行くのだろうと疑問に思いましたが、考えても仕方の無いことです。自分達の簿記にかけた三年間は、そこで一つの区切りを迎えました。


 とは言えやる気が中途半端だっただけに、ショックもそれほど大きくはありませんでした。

 それに学んできた簿記はその後検定習得に役立ったので、続けてきた成果はそれなりにあったと思います。


最終章と銘打った割には、特にオチの無い話になってしまいました。

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