第22話 修学旅行の行き先が変わった

 前回遥か上の先輩方の修学旅行について書いたのですが、今回は自分達の修学旅行について書いてみます。


 とはいえ、あの先輩方の話と比べると、どうしてもエピソードが弱くなります。しまったな、こんな事なら公開順を変更すれば良かった。


 修学旅行の行き先は数年毎に変化にしますが、自分達の頃の行き先は中国でした。

 中国です。外国です。飛行機に乗って海を渡らないといけません。


 世の中には外国に行くと聞いても「ふ~ん、そうなんだ」みたいな薄ーい反応しかしないセレブな人もいるかもしれませんが、自分にとっては大変な出来事でした。もちろん、それまで海外旅行の経験なんてありません。


 クラスのほとんどの生徒も海外に行くなんて初めてで、このためにパスポートも作りました。

 ですが正直、期待よりも不安の方が大きかったです。だって日本とは文化も食べ物も全然違うんですよ。ビックリするような作りのトイレがあるそうですし、食べた事の無い料理が出てくるのです。そりゃ楽しみな部分ももちろんあったのですが、誰もがまだ見ぬ異国の地にビビりまくりでした。


 しかし、自分達がかの地を訪れる事はありませんでした。修学旅行まであと一ヶ月を切ろうとしていた頃、急遽行き先が変化になったのです。

 いったいなぜそんな事になったのか。その理由を語るには、さらに少しだけ時間を戻さなければなりません。


 2001年9月11日。これを聞いただけでピンと来る人も多いでしょう。アメリカ当時多発テロがあった日です。


 大勢の人が亡くなりましたし、不謹慎な事になりかねませんので、ここで詳しく触れるのは止めておきます。

 ですが自分が今までニュースで見てきた事故や事件の中でも最も衝撃を受けた出来事で、普段ニュースの内容なんてまず話題に上がることの無かったうちのクラスでも、次の日当校した時には誰もが口を開けばその話題を出していました。

 それくらい、誰にとってもショックな出来事でした。今後、二度とこのような事件が起こらない事を願います。


 それはそうと、同時多発テロは日本の修学旅行事情にも大きな影響を与えていました。


 万が一の事が起こってはいけないから、アメリカに行くのは止めた方がいい。アメリカ軍基地のある沖縄も危ないかもしれない。念のため、海外旅行は全て取り止めた方がいいんじゃないか。国内でも、飛行機ではなく陸路を使おう。


 過剰と思われるかもしれませんが、それほどあのテロは人々の心に大きな衝撃と不安を与えていたのです。


 そしてそれは、我が校も例外ではありません。ある日二年生だけが体育館に集められ、緊急の学年集会が開かれました。もっとも、それ以前から生徒達の間でも噂になってはいましたが。

 そして案の定、そこで中国行きの中止が発表されました。せっかく作ったパスポートも無駄になり、その後一度も使わないまま期限が切れてしまいました。


 それと同時に、中国に変わる新しい行き先も発表されました。それは、『1日移動→二日間岐阜県でスキー→京都観光→ユニバーサルスタジオジャパンで遊ぶ』と言うものでした。


 ですが皮肉にも、大半の生徒はこの行き先変更を感激していました。その最大の理由が、ユニバーサルスタジオジャパン(以外USJ)です。

 USJ今でも東京ディズニーリゾートと並ぶ日本屈指の遊園地ですが、当時はオープンしてまだ一年も経っておらず、世間の注目度は今以上でした。

 この発表があった時はみんな大喜び。体育館中が歓声に包まれるほどでした。





 こうして自分達は、当初予定されていた中国にはいかず、スキーに京都にUSJを満喫する事になりました。


夜みんなでトランプをしようとしたら、クラスの誰も持ってきてなくて中止になったり、身長190センチの先生がホテルの暖簾にぶつかって暖簾を落としたりと、面白おかしい旅行でした。

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