第20話 お酒の話(高校生です)

 お酒は二十歳になってから。これは昔から変わらないわが国の法律ですが、以前は今と比べて何だか緩かったような気がします。

 もちろん昔も今も未成年は飲んではいけませんし、そんな事が学校にバレたら停学になったっておかしくありません。ですが、実際にお酒の味を覚えずに成人した人がどれくらいるのでしょう?


 我が校には、二年生の時に丸一日使って地元のお寺や旧跡を回ると言う行事がありました。社会科見学のようなものです。そこで行った先の一つに酒蔵がありました。地元は焼酎の産地だったのです。

 酒造りの現場を見学させてもらったのですが、その時何人かが言っていました。


「今度飲んでみようかな」


 その今度と言うのは、果たして二十歳になってからの事を言っているのでしょうか?







 さらにこんな事もありました。


 たしか、保健体育の授業だったと思います。その中で、アルコールが体に与える影響と言う項目がありました。

 その部分の授業を始める際に、先生はまずこう言いました。


「お酒は二十歳になってからと言うのはもちろん知っていますね。ですから、皆さんがお酒を口にするにはあと数年かかります」


 と、とこまで言った後、先生は一度言葉を切ると、そらから改めて皆に向かって言いました。


「まあ一応そう言う決まりになっていますが、みんな本当は飲んでるでしょう」


 一切オブラートに包むことなく言い放つ先生。それに対して数人の生徒が反応しました。


「飲んでまーす」

「ビールが好きです」

「〇杯飲んだ事があります」


 みんな競い合うように、次々と自らの飲酒歴を堂々と言い放っていきます。恐らくクラスの過半数は優に超えていたでしょう。

 そんな盛り上がりも一通り落ちつくと、先生は満足そうに言いました。


「みんながお酒を好きだと言うのはよく分かりました。だけど決まりとしてはダメなので、決してバレないようにしてください」


 バレないも何も、たった今何人も大声で言っていたような気がするのですが。


 もし現在で先生がこんな発言をしようものなら、SNSに上げられて炎上したっておかしくはありません。そう思うと、当時は色々と寛容な時代でしたよ。こんな事が許されていたのですから。いえ、当時だって厳密には許されていないのですけどね。


 ちなみに自分はお酒の味が嫌いなので、大人になった今でもまともに飲んでまいません。酔いやすいとかじゃなくて、飲んでもたいして美味しいとは思えないのです。

 食事には水さえあれば十分ですし、飲み物と言う面ではコーヒーやジュースの方が好きです。

 ですがお酒に関するトークに一切混じれないと言うのは、少しだけ寂しく思っています(´;ω;`)

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