第19話 文化祭は無かった

 高校生活において最も印象的な行事の一つに、文化祭が挙げられると思います。今回はこの文化祭について語りたいところなのですが、残念なが自分の母校に文化祭はありませんでした。ええ、ありませんでしたとも。

 そのせいか、今でも文化祭には憧れみたいなものを持っています。


 しかし、世間が文化祭で盛り上がる頃、母校では学校全体を使った販売実習が二日に渡って行われます。この販売実習が、母校における文化祭のポジションになっています。


 ですがこれだけ聞くと、文化祭とどう言うところが違うのか今一つわからないかもしれません。

 大きな違いは、販売実習と言う名の通りどこのクラスも販売を行う事です。一年の頃は一部のクラスが駐車場の誘導を行ったりしますが、文化祭の定番である劇やお化け屋敷なんてありません。


 そんな販売実習。いったい何を売るかと言うと、学校が予め協力してくれる地元の商店と提携し、それから各クラス毎に一つの店の商品を販売します。ここで重要になるのは、どのお店の商品を売るか、生徒に決定権が無いと言う事です。自分達が何を売る事になるかは、全て学校によって決められます。


 何になるかは運次第です。花屋、和菓子屋なんかだとまだいいのですが、自分のクラスが二年生の頃やることになったのは米屋でした。

 売るものはもちろんお米です。おにぎりなどではありません。袋に2キロだの5キロだの入ったコシヒカリやササニシキを販売するのですが、これを知らされた時はみんな微妙な表情をしてました。


 しかしそれも仕方ないでしょう。いきなり米を売れと言われても、「やるぞー、おーっ!」みたいなテンションになるのは難しいでしょう。

 これが、農業高校で自分達の育てた米を売ると言うのならまた違うのでしょうけど。


 そして迎えた本番当日、残念ながらお米はあまり売れてはいませんでした。クラスメートの友人も何人かやって来たのですが、その人達はほとんど買ってはくれませんでした。そりゃそうです、高校生が米なんて買っていってはくれないでしょう。



 因みにこの本番当日。クラス全員が各自2時間ほど交代で販売に当たります。それとは別に、一般のお客様と同じようにあれこれ見て回れる時間が一時間ほどありました。

 では残りの時間は何をしていたか。教室待機です。

 やって来るお客さんがたくさんいる中、生徒達まであちこち出ていたら混雑するからと言う配慮なのでしょう。空き教室に集められ、出番が来るまでじっと待っていました。一日の半分が、これで潰れたような気がします。ハッキリ言って、暇でした。




 と言うわけで、文化祭の無かった我が高校時代。自作の小説で文化祭のシーンを出す際は、こんなのかなと全部想像で書くことになってます。

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