1403.構文篇:執筆場所に凝ろう

 今回は「執筆場所」についてです。

 デスクトップPCでは難しいですが、ノートPCならさまざまな場所で執筆できます。

 自室で書いていてどうしても煮切ってしまったら、家を飛び出してみてはいかがでしょうか。

 今からPCを買うなら、安いノートPCでも執筆にはじゅうぶんですよ。





執筆場所に凝ろう


 いつも自宅の自室で小説を書いてばかり。飽きなければそれでもよいのですが、人間そのうち飽きます。マンネリに陥ると書いている物語もマンネリになってしまうのです。

 たまには自室を飛び出して執筆してみましょう。




移動先でも執筆できるようノートPCにする

 これからPCを購入しようと思っておられる方は、ぜひ「ノートPC」にしてください。ノートPCのよいところは「持ち運んで作業できる」点です。

 デスクトップPCを持ち運んで作業する人はまずいません。とはいえ私は似たようなことを書店の店長時代にしていたんですよね。

 売り上げの集計のためにFUJITSUのデスクトップPC・FM−TOWNSを自費で購入して店と家に置いていました。とはいえすべてFM−TOWNSに任せると小回りが利かないので、NECのノートPC・PC−9801NCを「販売した商品データの入力」のために、これまた自費で店に置いていました。そしてノートPCに販売データをテキスト.csvファイルで保存し、FM−TOWNSにそれを持っていってC言語で作ったソフトで売上集計を行なって、閉店から退店までの時間をできるだけ短縮しました。

 まぁ店長とはいえ雇われの身なので、FM−TOWNSが2機とPC−9801NCを1機買ったのはかなりの痛手でしたけどね。でも字が汚い私がPOPを書くときはMicrosoft『Word』を使っていました。POPは通常「手書きの味」が魅力なのですが。とても見せられないような汚い字を書いていましたから、それならプリントアウトしたほうが読みやすくて喜ばれるだろうと思ったのです。

 本社の通信販売係を任されたときなどは、注文用紙をすべて『Word』で作成していましたね。こういうときはMicrosoft『Excel』を使う人が多いのですが、私は『Word』に拘りました。通販用のカタログ作りはMacintosh使いの方と組んで、データは私が作ってレイアウトはその方に任せていました。のちにWeb通販のサイト構築ではキャンディーカラーのiMacを購入しています。だいたいどの時代に店長や通販係をやっていたかわかってしまいますね。Web検索しないように(笑)。

 現在WindowsからMacへと乗り変えたのもこのときの経験に依ります。

 また自宅と店舗にFM−TOWNSを置いたことで、休日に店舗経営用のソフトを開発する、なんていう無茶もしていましたね。私の根っこがゲームクリエイターである利点が活かされた形です。しかも当時は20年ほどのパソコン歴でしたがそのくらいの荒業はやってのけました。今はパソコン歴40年くらいになるのかな。


 今の方はあまり気にしないと思うのですが、パソコンには「機種依存文字」があります。たとえば「VI」のようなローマ数字、「(1)」のようなカッコ数字や丸数字、一部の難しい漢字などが「機種依存文字」です。WindowsマシンとMacマシンとではこれらは文字化けしたり別の字に置き換えられたりして正しく表示されないのです。今ならiPhoneとAndroid OS端末とでは「絵文字」が異なりますよね。あれの漢字版だと思ってください。

 もし小説でプロを目指すなら「機種依存文字」は知っておくべきです。主に記号が対象ですが、稀に漢字でも「機種依存文字」があります。たとえば北条司氏『CITY HUNTER』の主人公・冴羽リョウの「リョウ」の字も「機種依存文字」です。iPhoneやiPad、Macでは変換すればすぐに出てくるのですが、一部のWindowsマシンでは文字化けします。元SMAPの草なぎ剛氏の「なぎ」の字も「機種依存文字」ですね。まぁJIS2000に対応していれば正しく表示される字ではあるのですが。


 話が脱線しましたね。

 今からパソコンを購入しようと思ったら、WindowsのノートPCがオススメです。MacBookでもよいのですが、JUST SYSTEM『一太郎』を使いたいのでWindowsがよいでしょう。スペックはそれほど必要ありません。ゲーミングPCほどのスペックは要らないのです。どうせ扱うのは主にテキストファイルですから、台湾ASUSの格安ノートPCくらいでよいと思います。

 加えて『一太郎』とモノクロレーザープリンターを用意してください。プリンターはトナーが消耗品で、印刷するにはPPC用紙が必要になります。両方合わせてもコンビニのコピー機よりは印刷代が安いのでその点は安心してください。もし余力があるならモノクロレーザー複合機にしましょう。複合機はスキャナ機能が付いており、写真や資料をノートPCに取り込む際に重宝します。まぁプリンターは持ち歩かないので、利用用途に合わせて購入しましょう。




執筆場所を探す

 ノートPCに慣れたら、自室を出て入力してみましょう。たとえばダイニング。いつも食事をしているテーブルで執筆してみる。またリビング。テレビをつけながら執筆すると速報に気づけるので時事ネタを扱うにはとても便利な場所です。まぁ自室にもテレビがある方が多いでしょうけど。他にも台所や風呂場を思いつく人もいるでしょうが、PCに水は禁物です。すぐに壊れてしまうのでオススメできません。

 自宅をあらかた開発しきったら、そろそろ家を飛び出しましょう。最も簡単なのは「図書館」です。とても静かで集中できます。多くのプロが利用している喫茶店やコーヒーチェーンなども定番です。多少騒がしいですが、人々の生きた声を聴けるので創作意欲も湧いてきます。電車やバスで通勤通学している方は移動中に執筆するのも「あり」でしょう。他にもファミリーレストランやネットカフェなどを愛用している方が多いようです。まぁネットカフェにはPCがありますから、わざわざノートPCを持ち込むのも効率が悪いですけどね。

 音楽を聴いているほうが捗る人は、携帯音楽プレーヤーやスマートフォンから、イヤホンやヘッドホンで聴きながら執筆しましょう。たとえ自宅にいても、家族が寝ようとしたり寝静まっているときにスピーカーから音楽を流したら騒音問題になりますからね。

 他者に配慮できない人が書いた小説なんて、誰にも配慮できない自分勝手な作品にしかなりません。つねに他者へ配慮して執筆してください。あなたはまだ小説で生活費を稼いでいないのですから。





最後に

 今回は「執筆場所に凝ろう」について述べました。

 執筆マシンはノートPCにしましょう。そうすれば自室を飛び出して外でも執筆できるようになります。

 また「機種依存文字」には注意してください。とくにWindowsしか使わない方は、その文字が「機種依存文字」かどうかに疎い傾向にあります。もしiPhoneやiPadを使っているのなら、一度小説投稿サイトで自分の書いた小説を閲覧してみてください。もしiPhoneやiPadで見たら文字化けしているなら、それが「機種依存文字」です。

 自宅のデスクトップPCをMacにして、出がけ用にWindowsのノートPCにして同様のチェックをするのも「機種依存文字」が見つけやすいので向いています。

 自宅の外へ出て執筆するなら、周囲の人の迷惑にならないようにしてください。

 トラブルに巻き込まれる可能性がないわけではありません。避けられるトラブルはあらかじめ避けるべきです。

 周囲に気配りができる人でなければ、「小説賞・新人賞」の選考さんに配慮した文章は書けませんよ。



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