1255.学習篇:競い合う仲間を作ろう
今回で「学習篇」は終わります。
次回からの「物語篇」がかなり難航していまして、毎日連載が途切れるかもしれません。ただこれが終わればいつでも連載終了できるかなとも思っています。
次回までを楽しんで待てるよう、「学習篇」を締めくくります。
競い合う仲間を作ろう
小説だけでなく、学習効果を高めたいなら「競い合う仲間」をふたりから四人は持ちましょう。つまり三人組から五人組です。
競い合える仲間がいれば、あなたは手を抜けなくなります。愚直に執筆を続ける以外、仲間の誰よりも上には立てないのです。
競い合えば高め合える
同じ志を持つ者が複数集まれば「仲間」になります。
たとえば昭和のトキワ荘には手塚治虫氏を慕うマンガ家がこぞって住んでいました。
その誰もが「一人前のマンガ家になりたい」と大志を抱いていたのです。
しかも誰もが「一番になりたい」とも思っていました。
つまり「仲間」であり「ライバル」でした。
実際トキワ荘からは数多くのマンガ家がデビューしていきます。互いに競い合い、結果として高め合えたからこそ相次いでデビューできたのです。
ときにスランプや挫折を味わっても、競い合う「仲間」がいれば再起の後押しをしてくれます。
「仲間」が頑張っている姿を見て、心を動かさないようなら、静かに筆を断つべきです。
他人から感じるものがない。そんな感性では読み手の心を揺さぶるような作品は書けません。
「仲間」の中から一次選考を通過した人が出た。
たったそれだけでも他の「仲間」たちは競争心に火がつき、いっそう執筆に邁進するようになります。
中には一次選考を通過した作品を何度も読み、どこが一次選考を通過した点なのかを吟味する「仲間」もいるでしょう。
そのような「仲間」がいるから、人は情熱を燃やせるのです。
もし競い合う「仲間」がいなければ、どんな人でもやる気を失ってしまいます。
だって孤独な存在と張り合おうとする人はいませんからね。張り合っても得るものがないのです。
「仲間」のレベルは全員等しいのが望ましい。
トキワ荘に集った「仲間」たちは、全員同じくらいの実力を持っていました。だから研鑽して多くの読み手を魅了する作品が書けたのです。
もしひとりだけ際立ってすぐれていたら、その人が「師匠」となります。
トキワ荘では手塚治虫氏がすべての住人の「師匠」でした。「師匠」がいれば目標となり、手ほどきも受けられます。だから数多くの一流のマンガ家を輩出できたのです。
そんなトキワ荘は、近日中に「再建された姿」で資料館として生まれ変わります。マンガ家志望だけでなく、すべての創作者・アーティストが一度は訪れておきたい場所ではないでしょうか。
仲間は励まし合える
「仲間」でたいせつなのは、互いに励まし合って頂上を目指せる点にあります。
ひとりで難題に立ち向かうよりも、協力して攻略していくほうがはるかに効率がよいのです。
エベレスト登山では現地民のシェルパが「仲間」となって登頂をサポートしてくれます。彼らはエベレストの難所を知り尽くし、登山者が危険を回避して安全に登頂するまで導いてくれるのです。
当然「仲間」がいなくても登頂は可能ですが、困難を極めるでしょう。
日本一の冒険家といわれた植村直己氏は、世界初の五大陸最高峰登頂に挑み、成功させました。しかし一九八四年に誰も成し遂げたことのない冬季のマッキンリーへの単独登頂を成功させますが、下山中に消息不明となりました。単独で行動する難しさを日本人が再認識した事故です。
エベレスト登山でいえば、プロスキーヤーの三浦雄一郎氏が最高齢登頂記録に挑みましたが、途中で「仲間」の医師からストップがかかって下山を余儀なくされました。おそらく登頂はできたでしょうが、無事に下山できるかまでは本人にはわからなかったはずです。「仲間」の医師が健康状態を冷静に確認していたからこそ、三浦雄一郎氏は無事に下山でき、再挑戦の夢へつなげました。三浦雄一郎氏はまだまだ夢をあきらめていません。
挫折しづらくなる
椅子は四脚あるとどれかひとつが短くても長くてもガチつきが生じます。
それに対して三脚であれば天板が傾いても、三脚すべてが地面に設置して安定するのです。だからカメラの三脚は足が三本になっています。どんな地形にも三脚を据えられる利点があるのです。
競い合う「仲間」が三人組ならカメラの三脚のように、誰もが手を抜けません。手を抜いたらバランスが崩れるからです。
だから三人とも実力を発揮しようとしますし、結果としてめきめきと地力を高めていきます。
しかしもし三人のうちふたりが不真面目だと、長続きしません。怠ける人が多数派を占めると、頑張っている人も「なぜ私だけ」という気持ちになります。だから「仲間」が相次いで脱落していくのです。
それを防ぐなら五人組にしましょう。これならふたり不真面目でも、頑張っているのは三人ですから不真面目なふたりも「もう少し頑張ってみようかな」という気にもなります。
偶数の人数は基本的に好ましくありません。多数決をとろうにも半々に割れてしまうケースがあるからです。その場合はリーダーに一任する組織もありますが、たいていはどちらにも動きません。
だから競い合う「仲間」を持つのなら三人組か五人組をオススメします。
七人組は数が多すぎてひとりひとりにかかるウエイトが減り、怠けやすくなってしまうのです。
ゴレンジャーやサンバルカンなどの特撮戦隊ものもたいてい三か五。THE ALFEEは三人組で、一九七三年に四人組として結成して翌年三人組でデビューし、現在まで四七年間も活動を続けています。SMAPもスタートは六人だけど森且行氏が抜けて五人になってからが長かったし、嵐も五人で長持ちしました。
「仲間」全員がWin−Winの関係を築ければ、その組織は盤石になります。
皆様もぜひ「仲間」を探してみましょう。
最後に
今回は「競い合う仲間を作ろう」について述べました。
競い合う「仲間」がいると怠けなくなります。
手抜きしそうになっても「仲間」が頑張っている姿を見れば奮起するものです。
競い合い、高め合える存在が身近にいれば、あなたにとってプラスに働きます。
ぜひ「仲間」を見つけて同じ夢を追いかけてください。
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