1236.学習篇:カメラを記憶ツールにする

 今回は「カメラ」の有効活用についてです。

 資料はなにも文字である必要はありません。写真一枚が何千文字にも匹敵する情報を持っているものです。

 そこであなたが持っているカメラを利用して資料を集めてみましょう。





カメラを記憶ツールにする


 携帯電話にもスマートフォンにもタブレットPCにもパソコンにも。

 最近はカメラが付いて当たり前になりました。

 そのせいでデジタルカメラの売れ行きが先細りとなり、老舗のオリンパスがデジカメ市場から撤退することとなりました。その前にはカシオやコニカミノルタも撤退していますね。今デジカメ市場に残っている日本メーカーは、二大ブランドのキヤノンとニコン、それにソニー、パナソニック、富士フイルム、ペンタックスだけです。

 携帯電話やスマートフォン、タブレットPCのストレージを圧迫しないために、コンパクトデジタルカメラを一台所有しておくと、のちのち便利に使えます。

 そんなカメラを小説の「資料」作りに使うテクニックをご紹介致します。




海外で使う場合は時刻設定の仕方を憶えておく

 海外へよく行く方もいらっしゃると思います。外資系企業や総合商社などは海外転勤が当たり前です。今ならコンビニエンスストアや外食チェーンなども海外へ展開する時代となりました。

 そんな海外でカメラを頻繁に使う場合、端末の時刻設定を現地時間に合わせるようにしてください。

 海外で撮影した日付と時間に直しておかないと、パソコンで写真を管理する際に、日本時間と現地時間を考えながら整理しなければならなくなります。

 だから海外へ転勤や取材へ行く方は、カメラ端末の時刻設定に慣れてください。

 日本から出ないのであれば、時刻設定に詳しくなくてもかまいません。




どこで撮影したのか見出しを先に撮る

 たとえば「東京タワー」を外観と、展望台から観た風景をまとめて撮って「資料」にしたい場合もありますよね。

 そんなときは、まず「東京タワー」と書いてある案内板などを「見出し」として真っ先に撮影してください。

 また最寄り駅から「資料」を作りたい場合は、最寄り駅の行先案内板を「見出し」で撮っておくと「あ、この駅から東京タワーへ向かったんだな」と記録に残ります。

「東京タワー」と書いてある案内板を撮ったら、まずは東京タワーの外観を撮りましょう。そうしてから中に入り、展望台まで行って写真を撮りまくるのです。展望台には「どこ方面」かの案内板がありますから、それを撮影してから外の風景に移ります。

 こうしておけば、カメラロールには「どこでどの方面に向けて撮った写真なのか」が必ず直前の写真に書いてあるのです。




自宅周辺ではGPS書き込み機能を切る

 現在のデジカメやスマートフォン、タブレットPCなどにはGPSが内蔵されていて、写真に「位置情報」が書き込まれる設定になっているはずです。「位置情報」の取得を「許可」するだけで、GPS情報が写真ファイルに埋め込まれます。

 実はこれが厄介で、SNSに投稿したスマートフォンの画像から「ジオタグ(GPS情報やExifなどが記録されているタグ)」を抜き出して撮影した場所を特定できてしまうのです。

 とくに自宅で写真を数多く撮る方は、自宅の場所をインターネットで大々的にさらしているようなもの。なので、自宅やその周辺で写真を数多く撮る方は、SNSへアップロードする前に「ジオタグ」消去アプリを使うか、「設定」内で「カメラ」アプリが「位置情報」を取得しないようにチェックを外してください。

 旅行先ではひじょうに便利で頼もしいGPS機能ですが、自宅の場所をバラしてしまう恐怖の機能でもあるのです。

 現在のSNSやブログの多くは、アップロードされた写真から「ジオタグ」を削除して掲載する機能を内蔵しています。しかし削除されずに公開されているところもあるのです。

 写真の「ジオタグ」は、SNSにアップロードされた画像をパソコン内にローカル保存し、Adobe『Photoshop』などを使って写真を開けばすぐに調べられます。

 SNSやブログなどに写真をアップロードする際には、自宅周辺の写真ならGPS機能を切って撮影するか、「ジオタグ」消去アプリを使ってからにしてください。

 とくに女性で、設定の仕方がわからずカメラでGPS機能をオンにしたままインターネットへアップロードしている方がかなりいらっしゃるようです。

 気になる方は「写真 GPS 削除」「写真 位置情報 削除」でWeb検索すれば、詳しい対策がわかりますよ。




見出し写真をラベリングする

 写真をパソコンに取り込んだら、まずやりたいのが「見出し写真のラベリング(ラベル付け)」です。

 人によっては写真の名前を変えたり人物や建物別にフォルダ分けしたりして管理していますよね。

 でも「あの写真どこにしまったっけ?」という事態に陥らないためには、「見出し写真のラベリング」をしてください。簡単に言うと「色分け」「索引作り」です。同じ日付はひとつのフォルダにまとめたうえで「ここから先はどこを撮影した写真なのか」がわかるようにしたほうが格段に見やすくなります。

「ラベリング」の仕方がわからない場合は「フラグ」を立ててもかまいません。そうすれば「フラグ」だけを表示して一枚ずつ確認して場所を特定するだけです。その「見出し写真」を選択して写真を全表示するだけで選ばれた「見出し写真」の後ろはその場所の写真だと簡単に見分けられます。

 これなら写真一枚一枚の名前を変えていくよりも圧倒的に手間がかかりません。「見出し写真」を目立つように、索引にする工夫をするだけです。




メモ代わりに写真を撮る

 ちょっとした情報を頭で憶えるのではなく、メモを書くとよい。そうすれば脳はその情報を憶えておかなくてもよくなります。

 実はさらなる裏技として「写真に残しておく」方法があるのです。

 携帯電話では難しいのですが、今のスマートフォンやタブレットPCが搭載しているカメラは最低でも800万画素はありますので、かなり細かな文字もピンチアウトして拡大すれば読めます。

 たとえば目的地までの地図を、スマートフォンでナビゲーション機能を使いながら歩くと通信容量をかなり食うのです。しかし紙の地図を撮影したり、スマートフォンのナビ情報をスクリーンショット画像でカメラロールに保存しておくと、通信容量を食わずに目的地までたどり着けます。

 この方法は家にインターネット固定回線があり、Wi−Fi環境を構築してある方にはとくにオススメです。家から目的地までの地図をスマートフォンで検索してスクリーンショット画像で残す。パソコンで地図を表示して写真に残す。これだけでキャリア通信容量を消費せずに目的地へ行けます。さらに時刻表をスクリーンショットや写真で読み込んでおけば乗り換えだって楽勝です。

 こうして捻出した通信容量を、小説の執筆にまわしましょう。人によっては通信プランを変えてスマートフォンの維持費を安くできるので、そのぶんを売れている小説の購入費にしてもよいですね。




最後に

 今回は「カメラを記憶ツールにする」について述べました。

 いちいちメモをとるくらいなら、いっそ写真で残しておけばよいのです。

 本来なら学校の勉強こそ、板書をノートに写すのではなく写真を撮るほうがよい。

 ノートへ書き写している間、あなたはその情報について考えますか。私は無心になってノートへ書き写すだけですね。あとは先生の話を聞いて憶えるくらい。

 コンピュータ社会となった現代において、黒板とノートの組み合わせはもはや時代遅れです。

 今は電子黒板の導入と、それに連動するタブレットPC端末を全生徒に配布したほうが学習効果は高いはず。

 先生の話を聞いて納得できるかどうかで、授業が身についたかどうかわかります。

 ノートをとるだけでは、その場で納得できるかどうかがわからないのです。

 書き写す時間より、納得させる時間を優先する。

 社会人になった今でも、私は自分が納得できるよう実践に重きを置いています。

 情報なんてインターネット・メールでもよいし写真でもよいのです。形となって残りさえすれば、それを見て納得した記憶が呼び起こされます。



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