1231.学習篇:スマートフォンはお金と時間を奪う

 今回は「時間泥棒」についてです。

 あなたの生活にはさまざまな「スキマ時間」があります。

 そのはずなのに、いっさい時間を捻出できない方がいるのです。

 情報社会の現代、多くはスマートフォンに原因があります。





スマートフォンはお金と時間を奪う


 日常生活をしていると「スキマ時間」が必ず生じます。

 そのとき漫然と過ごしていれば、ただ時間を浪費しただけです。

 たとえエレベーターを待ち、乗って目的の階へ着く数分であっても、読書したり小説のネタを考えたりするにはじゅうぶんな時間となります。




ムダな時間など存在しない

 あなたはカバンの中に小説を入れていますか? スマートフォンの中に電子書籍を入れていますか?

 この世にムダな時間など存在しません。なにもすることがない時間は、有限の人生を浪費しているにすぎないのです。

 もしエレベーターに載る一日一分の間に小説を読めば、一年間で六時間ぶんも読める計算になります。これだけの人生のムダをしていると気づいているのでしょうか。

 エレベーターは待ちに数分、移動に一分。その往復だと一日で五分くらいはとられるのではないでしょうか。エスカレーターも基本的にはただ立っているだけですよね。あまりにもムダです。最低限の安全に配慮する必要はあります。しかし小説や書籍を読むだけの時間は絞り出せるのです。

 中でもムダの極致が「電車・バス移動」の空き時間。漫然と降りる駅やバス停までただ座っていたり立っていたりするだけでよいのでしょうか。

 こんなときこそ「小説を読む」のです。

 スマートフォンをいじくる暇があるのなら、一行でも多く小説を読んでください。そしてときどき自分の作品を構想してください。

 そうすれば空き時間を有効活用して、あなたを「小説の書ける」体にしてくれます。

 スポーツをやるときに筋肉トレーニングをするのと同様、小説を書くときにも書くトレーニングをするべきです。

 小説を書くトレーニングは、主に「多くの小説を読む」「多くの小説を構想する」をします。

「スキマ時間」はあなたが気づかないだけで、とても豊富にあるのです。

 それらをすべて「小説」でつなげる努力をするのが「小説を書くトレーニング」だと思ってください。

 数十分は乗る「電車・バス移動」では「小説を読む」「小説を構想する」のにじゅうぶんな時間があるのです。

 比較的短時間のエレベーターやエスカレーターでも、ただ待っているだけでなく「小説を読む」「小説を構想する」時間に充てましょう。

「小説を読む時間がない」と言い訳していませんか。「小説を読む」時間は、上記のような「スキマ時間」の積み上げで生み出せます。

 もし「電車・バス移動」で片道三十分かかっているのなら、週五日で合計二百六十時間も捻出できるのです。これだけあれば何冊小説が読めるのでしょうか。私は精読派なので一冊五時間くらいかけますが、それでも一年で五十二冊も読める計算です。




スマートフォンは1GBあればじゅうぶん

 スマートフォンが広まった現在、多くの方は「スキマ時間」にスマートフォンでネットニュースやネット動画、SNS、ゲームなどをしています。これのどこが生産的なのでしょうか。

 本コラムを読んでいるのであれば「小説が書きたい」のですよね。

 それならネットニュースやネット動画、SNS、ゲームなどをしている暇なんてありません。その時間で一冊でも一行でも多く「小説を読ん」でください。

「読まなければ書けない」は真実です。

 ニュースなんて緊急エリアメールで届かないかぎり、今すぐ知る必要なんてありません。学校や職場に着いてからまとめて確認してもじゅうぶん間に合います。

 ネット動画なんて観たところで日常のなんの役に立ちますか。

 SNSも、学校や職場に着いてから直接話せば済む話ですよね。

 ゲームなんてムダの極致です。楽しんで課金している方も大勢いらっしゃるでしょうが、お金を何万円も注ぎ込んでまでプレイする価値がありますか。ほとんどの時間を費やして楽しむ価値がありますか。そのお金で何冊の小説が買え、そのプレイ時間で何冊の小説が読めるのでしょうか。

 スマートフォンという便利なデバイスが浸透した現在、ネットニュースやネット動画、SNS、ゲームなどが当たり前のようにあなたの時間を奪っていきます。

 あなたは「小説が書きたい」のですよね。

 その小説にネットニュースの記事が役立ちますか。ネット動画が役立ちますか。友達とつぶやきを交わして役立ちますか。ゲームを楽しんで役立ちますか。

 ほとんど役立たないはずです。

 では今一度問います。

 あなたは「小説が書きたい」のですよね。

 それなら学業や生業以外の時間を、すべて小説に注ぎ込まなくてどうしますか。

 ニュースは職場に着いたり帰宅したりしてからまとめてチェックすればよい。SNSは基本的にやめて直接会って話したほうがよい。あとでまとめて読める『Twitter』はまだよいのですが、「既読スルー」が許されない『LINE』をする必要なんてまったくありません。ゲームなんていっさいプレイしないほうがよいのです。

 そんな金銭的・時間的余裕があるのなら「小説を読む」「小説を書く」時間を増やしてください。

 人生を変えたいのなら、今の生活をとことん見直しましょう。スマートフォンの通信容量なんて「1GB」もあればじゅうぶんです。

 ネットニュースはまとめ読み。ネット動画は観ない。SNSも控える。ゲームなんていっさいやらない。定額音楽配信サービスも利用しない。

 これで「月1GB生活」ができます。

 しかも小説を買うお金、読む時間、書く時間が生み出せるのです。

 スマートフォンの使い方ひとつで、あなたは「文豪」にもなれるし「堕落した庶民」にもなれます。

 もしあなたがスマートフォンに依存しているのなら、だまされたと思ってひと月でよいので「月1GB生活」をしてみてください。

 あれほど「小説を書く時間がない」と思っていたのに、実は「小説を書く」時間に満ちあふれていたのだと気づけます。

 スマートフォンは連絡手段だけでよいのです。スマートフォンに時間を奪われてはなりません。スマートフォンの利用を抑えたければ、通信プランを「1GB」に制限しましょう。そうすればネット動画もSNSもゲームなども控えられ、「小説を買う」資金と「小説を読む」「小説を書く」時間を手に入れられます。

 あなたが思い描く理想の将来は、スマートフォンをいじっているだけの人生でしょうか。それとも「プロ」の書き手になりたいのでしょうか。

 なんの生産性もなくスマートフォンをいじって課金を繰り返すだけの人生を選びたければ選べばよい。その代わり「プロ」の書き手になりたいなどと思わないように。

「プロ」の書き手になりたいのであれば「小説を読む」「小説を書く」時間をとにかく増やしてください。これまでスマートフォンにかまけていた時間を取り戻せば、「スキマ時間」はじゅうぶんにあります。

「プロ」の書き手になりたいのなら、通信プランを「1GB」に抑えるのが手っ取り早くてオススメです。通信制限が入ったら「あ、今月もスマートフォンを使いすぎた」とすぐに気づけます。

 スマートフォンに奪われた時間を視覚化できる点でも「月1GB生活」に切り替えてみませんか。





最後に

 今回は「スマートフォンはお金と時間を奪う」について述べました。

 スマートフォンは確かに便利です。しかしあなたから「小説を買う」資金と、「小説を読む」「小説を書く」時間を奪います。

 資金は課金サービスを利用しなければ取り戻せますし、時間はスマートフォンを使う回数を減らせば生み出せるのです。

 そのためにもスマートフォンは「月1GB生活」を意識してください。

 たったそれだけで、あなたは「小説を書く」時間と資金を得られるのです。



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