660.事典篇:北欧神話:巨人族:ロキの血族1
今回は「北欧神話の巨人族」のうち、ロキの血族をまとめました。
ロキは「北欧神話」でとても重要な役回りをしています。
「ラグナロク」を引き起こしたのも、ロキに原因があるのです。
事典【北欧神話:巨人族:ロキの血族1】
北欧神話に登場する巨人族において最も重要なのはロキです。
巨人でありながらも主神オーディンと義兄弟の契りを結んだのですが、いたずら好きであれこれとやっかいなことを巻き起こします。そして「ラグナロク」の引き金ともなる存在です。
そこでまずロキの血族を見ていきましょう。
巨人族
ロキの血族
ロキ
父ファールバウティ、母ラウフェイ、妻シギュンとアングルボザ、夫スヴァジルファリ、兄弟ビューレイストとヘルブリンディ、義理の兄弟としてオーディン。子はアングルボザとの間にフェンリル、ヨルムンガンド、ヘル。シギュンとの間にナリとナルヴィとヴァーリ。スヴァジルファリとの間の子にスレイプニールがいます。
いたずら好きの神とされますが、元々は神々の敵である巨人ヨトゥン族の血のみを引いているのです。
巨人の血を引きながらもオーディンやトールの義兄弟になってアスガルドに住み、オーディンやトールとともに旅に出ることもあったのです。最も仲がよいのはトールで、ロキの悪知恵によって何度も窮地を逃れます。変身術を得意とし、男神でありながら時に女性にも変化するのです。自身が変身するだけでなく、他者に呪文をかけて強制的に変身させたこともあります。美しい顔を持っていますが、邪悪な気質で気が変わりやすい。狡猾さでは誰にも引けを取らず、よく嘘をつくのです。「空中や海上を走れる靴」を持っています。
アスガルドに厄介事を持ち込む一方で、オーディンの槍グングニルを始めとしてトールの鎚ミョルニル、フレイの船スキーズブラズニル、黄金を生み出す腕輪ドラウプニルなどを騙して作らせたり、小人のアンドヴァリから黄金を奪うなどして神々を窮地から救い出すなどの役に立つ一面も持っています。
アングルボザとの間の三人の子はいずれも怪物の姿だったため、ヨルムンガンドは海に捨てられ、フェンリルはのちに妖精が作った紐グレイプニルで縛られました。半身が腐っているヘルは冥界ヘルヘイムに投げ落とされそこの支配者となったのです。雌馬に化け、馬のスヴァジルファリとの間に八本脚の馬スレイプニールをもうけます。ウートガルズの宮殿ではロギと早食い競走で勝負したが、ロキは彼の前に完敗した。なぜならばロギの正体は野火だったからです。
スルトの妻シンモラが持つ剣レーヴァテインはロキがニヴルヘイムの門でルーン文字を唱えて作り上げたとされています。
ヘズをそそのかしてバルドルを殺させ、また老婆セック(ソック)に変身してバルドルが蘇らないように仕向けたのです。神々の宴に乱入し、そのことを明かすとともに、集まっている神々の過去の罪や恥辱を一人ずつ暴き立て巧みに罵倒しました。のちに神々に捕らえられ、巨大な岩に息子ナリの腸で縛られて洞穴に幽閉されたのです。そこは蛇の毒液が滴り落ちる場所で、いつもは妻のシギュンが器を持ってそれを防いでいます。しかしその器がいっぱいになり彼女が捨てに走るとき、一瞬だけ頭に毒液があたり彼は苦痛のあまり大声で叫び身をよじると、その影響で地上に起きるのが地震であるとされます。
「ラグナロク」において戒めが外れ、巨人族を率いてアース神族を滅ぼすために出陣し、最期はヘイムダルと相討ちになりました。
ファールバウティ
ラウフェイまたはナールの夫で、ロキ、ビューレイスト、ヘルブリンディの父。
ラウフェイ
巨人ファールバウティの妻で、ロキ、ヘルブリンディ、ビューレイストの母。
シギュン
ロキの妻。子どもにナリとナルヴィ、またはナリ(別名ナルヴィ)とヴァーリの二人がいるとされます。
ロキはバルドルを死に追いやり、神々を誹謗した報いとして捕縛され、鉄に変わったナリの腸で拘束される。その際スカジがロキの頭上に毒蛇を配した。滴り落ちる毒蛇の毒液をシギュンは洗桶を支えて受けます。
だが桶がいっぱいになるとシギュンはそれを捨てにその場を離れなくてはならず、離れている合間に顔へ毒液を受けるとロキは苦痛で猛烈にもがき、それが地震になるのだと言われています。
ナリ
ロキとシギュンの子。ナルヴィという別名があるか、ナルヴィの兄弟だとされています。
ロキはエーギルの広間での宴のさなかに自身がバルドルの復活を阻止したことを明らかにしました。のちにロキを捕らえたアース神族は、ロキを大きな岩に縛りつけるための拘束具とすべくナリを捕らえたのです。
神々にはナリの兄弟のヴァーリを狼に変身させてナリの体を引き裂かせ、腸を引きずり出しました。ナリの腸は鉄となり、「ラグナロク」までロキを拘束しているといいます。
ナルヴィ
ロキと妻シギュンとの息子。
ロキの息子ナリの腸でロキは拘束され、兄弟のナルヴィは狼に変身させられた。狼がナリを殺すといった趣旨は見られない。
しかし夫婦の息子ナリは別名がナルヴィであり、ナリの他にヴァーリという息子が登場し、これが狼に変身させられてナリを引き裂いてしまいます。腸を引きずり出したのは神々とされます。
ヴァーリ
ロキの息子で、オーディンの息子ヴァーリとは別人。バルドルが死んだ後、アース神族はロキを追い詰めて捕らえました。
神々はロキをある洞穴へ連れていき、神々は三個の平たい岩を取り、刃をあててそれぞれの岩に穴を開けたのです。それからロキの息子ヴァーリとナリを捕らえてきました。アース神族はヴァーリを狼の姿に変え、彼は兄弟であるナリを真っ二つに裂いたのです。そしてアース神族はナリの腸を取り、ロキを三つの岩の上に腸で縛りつけました。一本目はロキの肩の下へ、二本目は彼の腰の下へ、三本目は彼の膝の下を縛めた。そしてその枷は鉄へと変えられたとされています。
最後に
今回は「北欧神話:巨人族:ロキの血族1」についてまとめてみました。
ロキの血族は主に巨人族ですが、神馬スレイプニールの母でもあるという奇妙な立ち位置にいます。
次回はフェンリル、ヨルムンガンド、ヘルをまとめたので、そちらもご期待くださいませ。
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