467.発想篇:ランキング上位のいいとこ取りをする
今回は「書きたい小説がとくに思い浮かばないのだけどランキングには載りたい」という横着な書き手に向けたご提案です。
とりあえず現在ランキング上位にいる作品の「いいとこ取り」をしてみましょう。
ただし展開そのものは取らないように。それは盗用です。
「いいとこ取り」するのは「
「あらすじ」「キャプション」や「キーワード」「タグ」に含まれている「
ランキング上位のいいとこ取りをする
どうしても書きたい物語が思い浮かばなければ、いっそ書きたいジャンルのランキング上位の作品からインスピレーションを得ることも考えてみましょう。
他力本願な発想法です。
もちろんそのまま参考にしたのでは盗用になりますし、最低でも「テンプレート」をそのまま用いているだけの無難な小説になってしまいます。
そこでもうひとつの作品からもインスピレーションを得てください。
ふたつの作品の「いいとこ取り」をすれば、「テンプレート」を用いて手軽に人気の出る作品が書けます。
もちろんふたつに限るべきではありません。
物語が破綻しない範囲で、ランキング上位の作品からいくつでも「いいとこ取り」をするのです。
ただしあまり入れ込みすぎると物語が破綻して、支離滅裂になってしまうので注意してください。
エッセンスの抽出
ランキング上位の作品はなぜ人気があるのか。
その「
たいていの場合、小説投稿サイトに掲載されている作品の「あらすじ」「キャプション」と「キーワード」「タグ」に「構成要素(エッセンス)」が書かれているのです。
ここに「
「
読み手は「
だからといって「あらすじ」「キャプション」と「キーワード」「タグ」だけを見ていても、実際に読んでみないことにはどう面白いのかはわからないものです。
短編小説なら一作を読むのにそう時間はかかりません。
しかし連載小説は、一投稿ぶんの分量が少なくとも、それまでに何回連載してきたかで「総文字数」に差が出ます。
そうなるとすべての作品を読んでいくのに苦労するはずです。
そこで「あらすじ」「キーワード」を頭の隅に入れながら、その要素が出てくるまで読み飛ばしてください。
その結果「あらすじ」「キーワード」に含まれていた「
読んだ結果、もし「
ランキング上位は「看板に偽り無し」の小説が入っていることが多い。
期待して読み始めて、読んでみたら「
だから評価されるのです。
あなたがひとつでも上のランキングを狙いたいのであれば、「あらすじ」「キャプション」と「キーワード」「タグ」に作品の「
パクリとテンプレート
「
ランキング上位の作品の展開を丸々用いてしまうのはただの「パクリ」です。
「パクリ」と「テンプレート」は似て非なるもの。
「テンプレート」は物語の「
「パクリ」は物語の展開を丸々拝借して、「この展開にすれば読み手にウケるだろう」という下心から生まれます。
つまり「
「いいとこ取り」するのは「
「どんな人物」が「どんなところ」で「どんなことを行なう」のかのうち、「どんな人物」かを抽出すれば「テンプレート」です。
たとえば「元勇者」「おっさん」「悪役令嬢」などは「テンプレート」だと言えます。
また「異世界」「近未来」などの「どんなところ」かも「テンプレート」です。
しかし「どんなことを行なう」のかまで用いると「パクリ」になります。
ですが「どんな人物」を変えて「どんなところ」で「どんなことを行なう」のかを転用するのは「パクリ」になりません。
たとえば「戦士」を「魔術師」に変えれば、同じ「剣と魔法のファンタジー」で「魔王を退治する」物語を書いても「パクリ」にはならないのです。
主人公が異なれば、大筋の展開が同じでも、細部の展開は異なってきます。
「戦士」なら剣や斧などを用いて力ずくで解決しようとするでしょうが、「魔術師」なら魔法を用いて知性で解決しようとするでしょう。
だから「主人公」を変えてしまえば「パクリ」にはならないのです。
また「魔術師」が「現代」で「魔王を倒す」話のように「どんなところ」かを変えてしまえば、これまた「パクリ」にはなりません。
「勇者」が「異世界」で「魔王を倒す」物語は鉄板のテンプレートです。
「勇者」が「辺境」で「スローライフを満喫する」物語も今ではテンプレートになりました。
では「なぜその展開をするに至ったのか」を考えてみましょう。
「勇者パーティーから追放された」「解雇された」が今の流行りのようです。
少し前は「異世界転生」ものが流行り、その前に「異世界転移」ものが流行りました。
ここをとっても「テンプレート」の「
「魔術師」が「異世界」で「勇者パーティーから追放され」て「スローライフを満喫する」話はどうでしょうか。
今では鉄板の「テンプレート」であり、読み手も食傷ぎみかもしれません。
ただし書き慣れない初心者にとっては、類似の作品が大量に投稿されているので、書きやすい物語だと思います。
「書きたい小説がない」人には、そんな発想法もあるのです。
最後に
今回は「ランキング上位のいいとこ取りをする」ことについて述べました。
ちなみに「著作権」に「物語の展開」は含まれていません。
登場人物の名前や外見などは、出版社や書き手によって「意匠権」「商標権」といったもので保護されています。
なぜ「物語の展開」が「著作権」に含まれないのか。
「物語のパターンはほぼ出尽くしている」からです。
つまり「これからどんな小説が書かれても、必ずどこかの誰かが書いた小説の展開とバッティングする」と特許庁はわかっています。
だから「物語の展開」には「著作権」が発生しないのです。
「それはパクリだ」と思えば避ければいい。
「それならこの『物語の展開』を使って自分の小説を書こう」と思っても違法ではありません。
小説に限らず「物語の展開」のバリエーションには限界があります。
だからこそ「いいとこ取り」の他力本願な発想も、ときには必要となるのです。
どうしてもよい小説が思い浮かばないときに限り、「物語の展開」を転用しましょう。その際は「主人公を変える」「状況を変える」ようにしてください。
すべて同じではただの「パクリ」です。
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