428.深化篇:小説投稿サイトというゲーム
今回は「小説投稿サイトがゲームである」ことについて述べました。
スマートフォンをお持ちの方はソーシャルゲームを楽しんでいるかも知れませんね。
そこに費やされるのは時間とお金です。
しかし「小説投稿サイト」というゲームは時間と筆力を費やします。
お金がかからないんですね。
それなら「小説を書くゲーム」を始めてみませんか。
(※読み手の方から『小説家になろう』では「削除」ではなく「開示設定変更」をすべきとのご指摘を受けました。それに伴い文章を加筆しました。)
小説投稿サイトというゲーム
小説を書き続けていると、つい昔書いた小説が気になってしまうものです。
「あの作品はなぜブックマークや評価が得られなかったのだろうか」「この作品はどうしてブックマークや評価がたくさん得られたのだろうか」、そう考えてしまいます。
あなたは少し思い違いをされているのです。
「小説投稿サイト」はしょせん「ソーシャルゲーム」だと知りましょう。
小説投稿サイトというゲーム
「小説投稿サイト」は、あなたの時間と筆力を費やすソーシャルゲームなのです。
一般的なソーシャルゲームはあなたのお金を費やしてレアなカードを引きます。
プレイを続けるために都度課金してレアカードやイベントカードを引こうと躍起になるのです。
ですが小説を書いて投稿するゲームである「小説投稿サイト」は、あなたが時間と筆力を費やして、ブックマークや評価を得る「ソーシャルゲーム」となります。
そして「総合評価ポイント」の高低を他の書き手と競う「ソーシャルゲーム」なのです。
「小説投稿サイト」が最もすぐれているのは、「お金を費やさなくてもじゅうぶん楽しめる」点でしょう。
では「小説投稿サイト」という「ソーシャルゲーム」を勝ち抜くためにはなにをすればいいのか。
今日のテーマは「過去を振り返らない」ことにつながります。
ゲーム攻略に低レベルは要らない
過去に「総合評価ポイント」の高い小説を書いたことのある書き手はいらっしゃるでしょうか。
おそらく本コラムをお読みの方の多くは「総合評価ポイント」の高いランキングに載る小説を書いたことがないと思います。
なぜなら「総合評価ポイント」の高いランキングに載る小説を安定して書ける人は、本コラムの知識なんて必要としていないからです。
自分が書きたいように書けば「総合評価ポイント」の高い小説が書けるのですから、あえて私のコラムを読む必要性を感じませんよね。
反面「総合評価ポイント」の低い小説を書いた方は数多いでしょう。
その過去は紛れもなく事実です。
あなたの経歴を傷つける「汚点」だと思っている方もおられます。
いくら新作を書いても、いっこうに「総合評価ポイント」が上がってこない。
もしそうなら、いっそ過去を捨てましょう。
小説投稿サイトから「総合評価ポイント」の低い作品を「削除」するのです。
『小説家になろう』など多くの小説投稿サイトでは、一度投稿した作品を「削除」することに規定が設けてあります。
ですが、書き手はあなたであり文責もあなたにあるわけですから、「削除」する最終的な権限を有するのもあなた自身です。
(※読者様から『小説家になろう』では「開示設定変更」を用いて、投稿した作品は極力削除しないほうがよい、とアドバイスを受けました。私も「「削除」することに規定が設けてあります。」とは書いていますが、それを回避するリストに載らない方法を提案できなかった点は、私の思慮不足が招いた結果です。謹んでお詫び申し上げます。『小説家になろう』では「開示設定変更」をして公開レベルを狭める方向で「不可視化」してくださいませ。)
たとえば駄作を大量に抱えている書き手が、ある日突然スマッシュヒットする作品を書いたとします。
そのとき多くの読み手はその書き手の過去作を読みたくなるのです。
しかし佳作を期待していた読み手は、駄作の数々に愛想を尽かしてあなたから離れていきます。
つまり駄作がリストに残っている限り、あなたの「
まず投稿してみて「総合評価ポイント」の高い作品は残し、低い作品は「削除」(開示設定変更)する。
小説を書くという行為は、たいへんな時間を要する割に苦労が報われないことが多いのです。
たいへんな苦労をしてきたから、その作品を削除(開示設定変更)したくない。
その気持ちは痛いほどわかります。
ですが小説投稿サイトを攻略していく「ゲーム」をするのであれば、「総合評価ポイント」の低い作品を残しておく理由がありません。
レベル99の作品が書けるのに、過去作としてレベル1の作品が残っていたらどうでしょう。
あなたは「小説投稿サイト」攻略ゲームがあれば、レベル99の作品を主軸にしてデッキを組みますよね。
レベル1の作品は攻略ゲームにおいて戦力となるのでしょうか。
そんな手札を持っていてもなんの役にも立たないばかりか、かえって「本当は入れておきたい手札」を入れることができず、結果として「
レベル1の作品とはなるべく早く縁を切って、レベルの高い作品でデッキを構築していきましょう。
そのために、どんなに苦労して書いた作品であっても「総合評価ポイント」の低い作品は「削除」(開示設定変更)すべきなのです。
どうしても残したいのであれば、リメイクしていってください。
同じ人物、同じ世界観・舞台、同じ展開を、今持っている技術で改めて書き直すのです。
手間はかかりますが、作品自体は残しておけます。
ですがこれは最後の悪あがきであり、理想はすっぱりと「削除」(開示設定変更)すべきです。
総合評価ポイントの高い作品があるのなら
では「総合評価ポイント」の高い作品を持っている書き手を想定してみます。
あなたとしてはレベル99の作品を主軸にデッキを構築したいところですよね。
しかし過去作がすぐれていたからといって、今の自分にどのような影響があるのでしょうか。
「小説投稿サイト」攻略ゲームが対戦型であれば、いつも同じ作品が主軸だと相手に手の内がバレてしまいますよね。
すると相手は「あなたのレベル99作品に勝つ」デッキを構築しようとするでしょう。
そうなればあなたのエースであるレベル99作品はそのうち力を失っていきます。
前例や経験なんていうものは「攻略ゲーム」において役立つのはほんのひとときにすぎません。
過去はあくまでも「過ぎ去った」ものであり、現在のあなたにはそれほど影響を与えないのです。
過去を重んじすぎれば、健全さと威厳が失われてしまいます。
「攻略ゲーム」に必要なのは「同時代性」です。
「今」という時代をとらえた作品を書かなければ、すぐに古びてしまいます。
遥か昔のレベル99作品を後生大事に持っていても、時代が変われば評価も変わるのです。
たいせつなのは「これまで生きてきた」ことではなく、「今生きている」こと。
「今」という時代だからこそ書ける作品が必ずあります。
たとえば「iPS細胞」や「無人飛行機ドローン」を素にして小説を書くのです。
「スマートフォン」は、すでに多くの作品がライトノベルとして「紙の書籍」化されています。
今は医療分野なら「iPS細胞」、IT分野なら「ドローン」、自動車業界なら「自動運転車」が時代の先頭を走っているのです。
これらを効果的に用いた小説を考えるだけでワクワクしてきませんか。
ワクワクしてこないようなら、あなたはまだ「テンプレート」から脱せられないのです。
過去の実績による「テンプレート」ではなく、あなたの独創性を活かせる「同時代性」の作品を書けるかどうか。
それが独り立ちするためには必要不可欠なのです。
もし明日の技術を想像できるのであれば、それを書いてみましょう。
川原礫氏『ソードアート・オンライン』(『SAO』)は当時流行り始めていたMMORPGに、当時概念として存在していた明日の技術「VR」を取り入れた作品です。
だから『SAO』には今でも時代の先端を行くような「近未来感」があります。
それは現在の「VR」が単にスコープ型をしているだけで、感覚がゲームとリンクしているわけではないからです。
『SAO』に登場する「ナーブギア」に迫るか追い越すほどの「VR」が現れるまで、『SAO』は「近未来感」を感じさせ続けます。
最後に
今回は「小説投稿サイトというゲーム」について述べてみました。
「小説投稿サイト」は「読み専」で、いつも「ソーシャルゲーム」に励んでいる方、おられるはずですよね。
お金を使わず毎日楽しめる「ソーシャルゲーム」は、皆様の目の前に存在しています。
あなたも「小説を書く」というゲームを始めてみませんか。
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