417.深化篇:人生は有限

 今回は「限りある人生」についてです。

 あなたが小説を書く時間は、人生を費やすほどの存在でしょうか。

 費やすに値するとしたら、できるだけ効率よく小説が書けるようになるべきです。

 そのためには「手本」を探し「繰り返し読み」しましょう。

 今回はそれを振り返ることで「費用対効果」を高めようという意図でまとめました。





人生は有限


 日々つつがなく生活していると、あまり感じないのかもしれません。

 人生が「有限」であることに。

 しかし重篤な病に罹ると、改めてこれまでの人生を省みる時間が持てます。

 そのとき「あれをやっておけばよかった」と思うことがないようにしたいものですね。




執筆は人生を費やすほどの存在か

 そう考えたとき、あなたが小説を書いて小説投稿サイトに投稿することは、有限な人生を費やすほど重要なことなのでしょうか。

「多くの人にこの物語を読んでもらいたい。そのためには限りある貴重な時間を費やしても悔いはない」

 そう思えるのであれば、ぜひ投稿してください。

 もし「よくよく考えると、ここに小説を投稿してもブックマークが一つ二つ付いたことを喜ぶだけだから、そんなに人生を費やすほどのことでもないよな」と思えたのなら。

 潔く筆を置くことも必要です。

 人生八十年時代ですが、八十年生きたとすれば2万9219,2日、70万1260.8時間、175万3152分、1億0518万9120秒ということになります。

 ですが人間には睡眠時間が必要であり、6時間から8時間ほど寝ている人が多いですよね。

 すると活動時間は上記時間の3/4から2/3ほどになります。

 人生って意外と短いことに気づかされるのではないでしょうか。

 たとえば連載小説一回ぶんに一時間を費やして書いているのなら、人生の活動時間の50万分の1ほどが使われたことになります。

 それだけの貴重な時間を使ってもまだ「見返り」のほうが多い場合はよいのです。

 もし「見返り」が満足できるものでなかった場合はどうするのか。

 その時間を勉強に当てたほうがよかったのではないかと考えを改める人も出てくるでしょう。


 せっかく小説を書くのなら、ブックマークがたくさん付いて評価をたくさんしてもらって、できるだけ多くの方に楽しんでもらいたいものです。

 今それができていない書き手の方は、まず小説投稿サイトで企画されている「小説賞・新人賞」に応募してください。

 参加していなかった作品よりも、格段に多くの方に読んでいただけます。

 多くの方に読んでいただけた結果、ブックマークや評価がたくさん付いて「総合評価ポイント」がぐんと高まることはよくあることです。

 企画されている「小説賞」に応募したのに、閲覧数(PV)は増えこそすれ、ブックマークや評価が低く「総合評価ポイント」が低いままだとしたら。どうすればよいのでしょうか。

 まずは「小説」について学びましょう。




手本を探そう

「小説」の学び方は大きく分けて二つあります。

 ひとつが「手本」となる小説を「五回でも十回でも」何度でも読み返して、憶えてしまうことです。

 もうひとつが「本コラム群」のような「知識」を身につけることです。

 まずどちらをやるべきかは人それぞれ、取り組みやすい方から始めてかまいません。

 ただし「本コラム群」で「知識」を身につけても、実践しないことには意味がないのです。

 だから「知識」を前にするのか後にするのかはとくに問題ではありません。

 重視してほしいのは、前回までに述べた「繰り返し読み」です。

 そのためにはまず「手本」となる小説を探してください。

 電子書籍を利用している方は「冒頭試し読み」(Apple『ブック』なら「サンプルを入手」)で人気作品の冒頭部分だけをひたすら読みまくりましょう。

 電子書籍ではライトノベルの冒頭部分も読み放題なので、人気のあるライトノベルの冒頭部分をひたすら読んでみて、肌に合う作品を「手本」として選びます。

 紙の書籍派の方は、基本的にシュリンクのかかっているライトノベルを「手本」にできません。

 その場合は書店の一般文芸(純文学と大衆小説)コーナーに行きましょう。

 そして人気の出ている小説、たとえばランキングコーナーに置いてある作品や平積みしている作品や棚で面陳している作品などを手にとってひたすら読んでみてください。

 こちらは「冒頭」どころかすべて読めてしまいますので、完全に合う合わないは確実に判断しやすいのですが、いかんせん時間がかかりすぎます。

 適度な分量を読んで「これなら『手本』にできる」と思える作品を買いましょう。

 これらの手間を惜しむと、質の高い小説は書けません。

 できるだけ少ない時間で多くの作品をチェックするためにも、Apple『ブック』、Amazon『Kindle』、楽天『kobo』といった電子書籍の「冒頭試し読み」の利用を強くオススメ致します。




繰り返し読みのススメ

「人生は有限」なのに「繰り返し読み」を推奨しています。

 矛盾していそうですが、破綻していません。

「手本」ひとつをひたすら「繰り返し読み」すれば、その作品の構造も伏線の配置の仕方もキャラの立て方もストーリー展開も、すべてが身につきます。

 これらを身につけるには「繰り返し読み」をするのが最も手っ取り早いのです。


 仮に「手本」を素に「ここはこういう意図があってこう書いているのだな」「あそこにあの伏線を置いてあるから、ここにきて生きてくるんだな」というような「分析」をしたとします。

 それで作品の構造がすべてわかったとしても、同じような小説はまず書けません。

 それは「分析」をしただけであって、要素を活かす書き方までは身につかないからです。

 対して「繰り返し読み」は作品の構造は嫌でも憶えてしまいますし、「分析」に値する要素も勝手に身につきます。

 だからこそ「精読して分析」するより「繰り返し読み」をオススメしているのです。

 そのうえで本「小説の書き方」コラム群のような「小説の書き方」の「知識」を加えることで、あなた独自の文体で小説が書けるようになります。

 今まで小説がまったく書けなかった人でも、必ず一作くらい書けるようになるものです。

 限りある時間を有効に費やすため。

 あなたは「精読して分析」「繰り返し読み」のどちらを選びますか。




費用対効果

 貴重なあなたの人生です。

 できるだけ有意義に費やすべきでしょう。

 あなたが「小説を書く」ことは、人生をどれだけ豊かにしますか。

「小説を書く」ことで、あなたはどれだけのものを手に入れられるのでしょうか。

「費用対効果」を必ず考慮してください。

 たとえばあなたがPlayStation4用ソフト・CAPCOM『MONSTER HUNTER:WORLD』をプレイしている時間と小説を執筆している時間は、どちらが「費用対効果」にすぐれているのでしょうか。

 モンハンをプレイする時間のほうが人生を楽しめるよね。

 そうお思いならモンハンをプレイしましょう。

 小説を執筆するほうが有意義だよな。

 そう思えたのなら、プレイする時間を執筆に当ててみてください。




小説賞・新人賞へ応募しよう

 せっかく書いたのに誰にも読まれなかった。

 これではあまりにもムダが過ぎます。

 誰かに必ず読んでもらうにはどうすればよいのか。

 以前にも書きましたが、小説投稿サイトで企画されている「小説賞・新人賞」に応募しましょう。

 たったそれだけで、あなたの作品はたくさんの人に読まれます。

 企画に参加しないで小説を載せ続けている限り、どんなに名作であってもほとんどの方が読んでくれないです。

 企画に参加することで、多くの方が第一章を読んでくれます。

 現在『ピクシブ文芸』では企画は一本も開催されていません。

 ですので『小説家になろう』『カクヨム』『エブリスタ』などの「小説賞・新人賞」へ応募するのです。

 たったそれだけで、見違えるほど多くの方に読まれます。





最後に

 今回は「人生は有限」なことについて述べてみました。

 限りあるあなたの人生です。

 どう費やそうがあなたの自由。

 ゲームをプレイすることが人生を豊かにするとお思いならゲームをやりましょう。

 仕事を頑張ることで人生が開けてくるとお思いなら仕事をやりましょう。

 小説を書くことで「あなたの妄想」を多くの方に読んでもらいたいとお思いなら、ゲームや仕事を抑えて「小説を書き」ましょう。

 あなたの人生の費やし方を決めるのは、誰でもないあなた自身です。

 私は皆様に読んでもらいたい「物語」を何本もストックしてあります。

 本コラムを執筆しながら、少しずつ準備を進めているのです。

 本コラムは一年以上毎日連載してきた『ピクシブ文芸』では好評なようで、ランキング100位までに数本載ることがよくあります。

 一時期はベスト100のうち11本掲載されたこともあったくらいです。

『小説家になろう』では連載半年程度なので、まだ開拓の余地があるように思われます。『カクヨム』での連載は令和元年5月1日からなので、まだ始まったばかりですね。

 ですので、今は『小説家になろう』様『カクヨム』様で開拓できるところから少しずつ手をつけているのです。

 今の「費用対効果」は本コラムの執筆で「知名度ネームバリュー」を高めることを上位に置いています。

 ですがそろそろ小説を書きたい気分が高まっているのです。

 原題『暁の神話』の連載版『秋暁の霧、地を治む』のあらすじをじきに決めます。(2019年7月時点であらすじは完成しています)。

 皆様にネタバレしない程度に抑えなければなりませんけどね。

「あらすじ」の作例として載せたいので、殴り書きを整える必要があるので、投稿は少し後になると思います。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る