366.孫子篇:十.地形篇
今回は「小説賞・新人賞」の種類と敗因についてです。
「テンプレート」をいかに活用するかが求められます。
孫武は「負けない戦い」をするために「テンプレート」をとても重視しているのです。
孫子篇:十.地形篇
「小説賞・新人賞」の種類や敗因について述べられています。
六つの小説賞
小説賞には六つの種類があります。
こちらも行けるし相手も来れるような誰もが応募できる自由度の高い小説賞では、逸早く人気のある「テンプレート」の作品を投稿しておくと有利になります。
投稿するのは容易だが取りやめるのが難しい小説賞では、もし他の書き手に備えがなければ先に投稿してよい態勢を築いておけば勝ち残ることができます。
誰かが先に投稿して有利な状況を確保しているときは、退くのが難しいため不利になります。
誰もが投稿すると不利になる小説賞では、たとえ誰かが利益で誘われても投稿してはなりません。
そういうときは潔くその小説賞から撤退して、他の書き手の半数が調子に乗って投稿してきたところで反撃すれば有利となります。
有名な「テンプレート」同士の間にある狭い「テンプレート」が要求される小説賞では、先に投稿しておいて他の書き手が取りやめやすい出口をあけておいて他の書き手がやってくるのを待つべきです。
もし誰かが先に出口を確保しているときは投稿してはなりません。
もし先着されていても取るに足りない内容であれば投稿するのもよいでしょう。
ガチガチの「テンプレート」が求められる小説賞では、真っ先に投稿して他の書き手が来るのを待ちます。
もし先に投稿されていたら投稿をあきらめましょう。
自分の得意なジャンルからかけ離れた小説賞では、こちらと他の書き手との筆力が互角ならば投稿しても賞を獲ることは難しくなります。
以上六つのことは「小説賞・新人賞」の道理であり、その判断は書き手にとって重要な役目となるので、よく考えなければなりません。
六つの敗因
「小説賞・新人賞」には六つの敗因があります。
一.こちらと他の書き手の筆力が等しいにもかかわらず、こちらが本気を出していなければ敗れ去るのみです。
二.読み手の支持は高いのに書き手に自信がなければ弛んでしまいます。
三.書き手が書いた作品自体は力強いのに「
四.書き手と語り手口調がうまくまとまらず勝手気ままに書いていれば自ら崩れ去るのみです。
五.書き手が書いた作品がか弱くて厳しさがなくブックマークや評価が低調で位置づけがめちゃくちゃであれば乱れてしまいます。
六.書き手が小説投稿サイトの流行を把握できず付け焼き刃の知識で小説を書くようであれば、敗北するしかないのです。
以上の六つは敗北に至る要因であり、こうならないようにするのが書き手の重要な役目となるので、よくよく考えなければなりません。
そもそも「テンプレート」は「小説賞・新人賞」を競ううえでの補助的要因です。
他の書き手の情勢をはかり、勝てる作戦を立て、「テンプレート」の仕組みや得意分野か否かをよく検討するのは小説を投稿する書き手としての重要な役目です。
これをわかっている者は必ず勝ちますが、わからずに投稿していれば必ず負けます。
小説賞の規約から見て必ず勝てるのであれば、断固投稿しましょう。
必ず負けるのであれば「
このように書き手は自分の判断で投稿してもしなくても、自らの責任を避けることを考えてはならないのです。
ひたすら読み手や選考さんを楽しませ、その結果書き手に利益をもたらす決断ができるようになりましょう。
書き手が普段から読み手を気にかけて接していれば、読み手は書き手を慕って多少難しい小説であろうとも読んでくれるようになり、一緒になって小説賞応募作を盛り上げてくれるようになります。
しかし読み手を甘やかして規則を乱しても罰しないようなら、読み手はわがままな子どものようなもので手に負えなくなるのです。
勝敗が五分五分なとき
こちらの小説が他の書き手の作品に勝利できる力があるとわかっても、他の書き手にじゅうぶんな備えがあるために投稿してはいけないときがあります。
このことを知っていないと勝敗は五分五分です。
相手の情勢から投稿してよい状況にあるとわかっていても、こちらの小説が不完全な状態であるときがあります。
このことを知っていないと勝敗は五分五分です。
相手の情勢から投稿して良い状況にあることを知り、こちらの小説を投稿してもよい状況であることを知っていても、「テンプレート」が不利で投稿してはいけないときがあります。
このことを知っていないと勝敗は五分五分です。
「小説賞・新人賞」のことによく精通した者は投稿しても迷いがなく、つねに勝てます。
だから「相手の情勢を知り、こちらの小説の完成度を知っていれば確実に勝利できるし、『テンプレート』の使い方を知り、投稿する時機をよく知っていればつねに勝てる」といわれるのです。
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「六つの小説賞」「六つの敗因」「勝敗が五分五分なとき」について述べられていますね。
とくに「勝敗が五分五分なとき」に登場する「相手の情勢を知り、こちらの小説の完成度を知っていれば確実に勝利できる」のくだりは「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という故事成語としておなじみです。
これを「小説賞」に当てはめるとこのような表現になります。
私はこの「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」は「あれも知っていてこれも知っていれば百戦しても危うくならない」と訳しています。
「彼」の字は『孫子』の中でこの一文にしか登場しません。戦争する相手について孫武は「敵」「人」の字を用いています。
また「彼」を相手とするなら、自分は「我」にしないと対にならないのです。
だから「あれも知っていてこれも知っていれば百戦しても危うくならない」と訳しました。
最後に
ここでは「小説賞」に対する見識が見て取れます。
本来戦場や戦況について述べている篇なのですが、小説に当てはめると「小説賞」が適切です。
とくに小説投稿サイトで開催されている「小説賞・新人賞」が、『孫子』の見立てた実際の戦場や戦況にふさわしいと思います。
その前提で読めば、ひじょうに奥深いことが書かれている篇です。
『孫子』の作者とされる孫武も、戦場や戦況による戦い方について重要視しているのか、かなりの緻密に述べています。
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