60.中級篇:閲覧数を増やすには

 小説投稿サイトに投稿したんだけど閲覧数が増えなくて困っている。

 そんな方のためにサイト別対処法を書いてみました。





閲覧数を増やすには


 小説投稿サイトに投稿したんだけど、閲覧数がなかなか増えないんだよね。

 そうお思いの方は多いと思います。何を隠そう、私もそうです。

 では閲覧数を増やす工夫を考えなくてはなりません。どんな手段があるでしょうか。





適切なジャンルとキーワードを付ける

 おおかたの小説投稿サイトではジャンル検索機能と「キーワード」「タグ」検索機能が付いています。ジャンルと「キーワード」「タグ」を組み合わせたり、複数の「キーワード」「タグ」を指定したりして読みたい小説を絞り込むことができるのです。


 小説投稿サイトに載せられる小説は、各サイト合計して毎日数千本はあります。

 その中から、いかにして読み手を作品に触れさせるか。これを工夫するのです。

 そのためにはジャンルと「キーワード」「タグ」を最大限に生かさなければなりません。

 ジャンルはたいてい大まかな目安になります。次に「キーワード」「タグ」を指定して絞り込んでいくのです。





あらすじ・紹介文・キャプションが鍵を握っている

 ジャンルと「キーワード」「タグ」で絞り込んだ後、読み手は検索結果に表示される作品のタイトルと作者名と「あらすじ」「紹介文」「キャプション」を見ることができます。


 まずは絶妙なタイトルを付けることで読み手の関心を惹くべきです。

 タイトルが平板だとその作品が自分に合っているかどうか判断しづらいのがネット小説時代の読み手です。

 作者名については「前作で人気のあった書き手」か否かを判別するときによく見られます。ここに関しては過去の実績だけが物を言うので、現在書き手がどうこうできる問題ではありません。

 そこで最も重要になるのが「あらすじ」「紹介文」「キャプション」です。

 「あらすじ」「紹介文」「キャプション」でいかに「この小説にはこんなことが書いてあります」とどれだけ短い文章でアピールできるかが閲覧者を増やす鍵を握っています。

 後述しますが二次創作が主戦場の『pixiv小説』では全角95文字程度、一次創作(オリジナル)が主戦場の『ピクシブ文芸』では全角200文字程度が表示されます。その限られた文字数で、どう書いたら読み手のアンテナに引っかかるか。そのことだけを意識してください。

 どう書いたらいいのかがわからないようでしたら、とりあえずランキングに載っている作品の「あらすじ」「紹介文」「キャプション」を精査してみましょう。

 『pixiv小説』『ピクシブ文芸』はたいていが連載ものであるため既存の読み手にだけアピールしている「あらすじ」「紹介文」「キャプション」も目につきます。それらは無視して、概要がきちんと書いてある作品を探すべきです。他の小説投稿サイトでは基本的に小説の内容をコンパクトにまとめてあります。そちらを参考にするのも有用でしょう。





小説投稿サイト別閲覧数向上法


■小説家になろう

 『小説家になろう』では小説のジャンルをかなり細かく分類したタグを付けることができます。

 「恋愛」なら「異世界・現実世界」。「ファンタジー」なら「ハイファンタジー・ローファンタジー」。「文芸」なら「純文学・ヒューマンドラマ・歴史・推理・ホラー・アクション・コメディー」。「SF」なら「VRゲーム・宇宙・空想科学・パニック」。「その他」は「童話・詩・エッセイ・リプレイ・その他」。そして「ノンジャンル」です。その数21ジャンルになります。


 『小説家になろう』は「異世界転生ファンタジー」が最も読まれるジャンルであるため、人気の高いジャンルは「ハイファンタジー」になるでしょう。ということは「ハイファンタジー」でジャンル付けしてあれば『小説家になろう』の読み手がジャンル検索したとき、あなたの作品が目に入る可能性も高くなります。

(2022現在では異世界恋愛が強くなっています)。


 『小説家になろう』ではさらに「異世界転生」「異世界転移」「ハーレム」などの「キーワード」、『pixiv小説』でいうところの「タグ」が付けられます。つまりジャンルを指定して「キーワード」で絞り込んで興味のある作品を選び出すことができるのです。

 さらにあらすじを全角1,000字付けることができるため、作品の紹介を余すところなく行なうことができます。検索一覧でも全角500字読ませられるとはなんとも贅沢な話です。他は『ピクシブ文芸』以外100文字未満になりますからね。


 また「読了時間」の推定される分が表示されるのも見どころです。これがあると「10分あるからその間に読める小説はどれかな」と選択の一つになります。

 連載中か完結かもひと目でわかるので便利です。完結していれば、読了時間で小説をより分けられて便利になります。





■エブリスタ

『エブリスタ』もジャンルが多いことが特徴です。

「恋愛」「ファンタジー」「ホラー・オカルト」「ミステリー・推理」「ライトノベル」「ノンフィクション」「SF」「青春・友情」「BL」「歴史・時代」「経済・社会・政治」「童話・絵本」「詩」「お笑い・ギャグ」「イラスト写真小説」「設定・プロット」「その他」の17ジャンルから選べます。

 タグ検索に強いのも『エブリスタ』の特徴です。

 登場人物は「チート」「探偵」「ツンデレ」「ドS」「魔王」「OL/サラリーマン」「刑事」「犯罪者」「教師」「幼馴染」「ヤンデレ」「変態」の12パターン。

 要素は「短編」「どんでん返し」「ゲーム」「百合」「転生」「剣と魔法」「シンデレラストーリー」「復讐」「性転換」「ハーレム」「三角関係」「年の差」「禁断の恋」「片思い」「身分差」「エロティック」「グロ」の17パターン。

 雰囲気・傾向は「甘々」「シリアス」「ほのぼの」「切ない」「スリリング」「泣ける」「ドロドロ」「元気が出る」「ハッピーエンド」の9パターン。


 これだけあればかなり細かく検索することができますよね。

 「キャプション」は冒頭全角40字ほど表示されます。おそらく小説投稿サイト最少でしょう。

 その代わり表紙絵が付けられます。表紙の雰囲気と全角40字ほどのキャプションで選別するのです。

 『小説家になろう』と同様、連載中か完結かがひと目でわかるので、ページ数を参考にして読みたい小説を選ぶこともできますね。





■カクヨム

『カクヨム』は選べるジャンルが『pixiv小説』より少し多い程度です。

「異世界ファンタジー」「現代ファンタジー」「SF」「恋愛」「ラブコメ」「現代ドラマ」「ホラー」「ミステリー」「エッセイ・ノンフィクション」「歴史・時代・伝奇」「創作論・評論」「詩・童話・その他」の12ジャンルから選べます。

 さらに「短編(〜2万文字)」「中編(2万文字〜8万文字)」「長編(8万文字〜)」、「連載中」「完結済」かも検索対象にできます。ブックマーク数による検索もできるのが特長です。

 「キーワード」については『pixiv小説』同様自由に付けられますし、人気の「キーワード」も表示されるのでより探しやすくなっています。

 「紹介文」は全角89文字程度表示されるのであまり書き込めませんが、連載中かどうか・何文字あるか・どのようなタグがついているかもひと目でわかるため、総じて探しやすいといえるでしょう。

 また『カクヨム』は「キャッチコピー」がいちばん目立ちますので、ここでいかにアピールできるかが問われます。





■pixiv小説・ピクシブ文芸

 カテゴリーは「文学」「エンタメ」「エッセイ・ノンフィクション」「恋愛」「SF・ファンタジー」「ミステリー」「ホラー」「歴史」「子供向け」の9ジャンルあります。ただジャンルはとくに指定しなくてもいいので「ノンジャンル」として扱うと実質10ジャンルです。

 さらに9ジャンルは重複してもかまわないため「恋愛」「文学」や「SF・ファンタジー」「ミステリー」のような掛け合わせも考えられます。


 タグは10個まで指定できますが、カテゴリーを指定するとそのカテゴリー名のタグが自動的に挿入されます。成人向けも「R-18」タグが自動的に挿入されるのです。それ以外のタグは自由に付けられます。

 他の小説投稿サイトのように「異世界転生」「ハーレム」などの「タグ」を付けてもいいですし、「YOI【腐】」「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」のように二次創作になった原典タイトルを付けてもよいです。


 と言いますか『pixiv小説』でジャンルも「タグ」も付けなければ誰の目にも触れません。検索する手段がありませんからね。

 新着欄からひとページずつ地道にめくって探し出すか、マイピクになった人の新着小説なら「マイピク新着小説」で探すことはできます。

 覚書ならいいですが、せっかく書いた小説にジャンルも「タグ」も付けないのでは閲覧数が増えないのも当たり前です。

 『pixiv小説』では「キャプション」は冒頭の全角95字ほどが表示されます。

 『ピクシブ文芸』に関しては現在毎日数十本しか投稿がないため、ジャンルも「タグ」も付けなくても「みんなの投稿作品」でその日一日に投稿された作品の「キャプション」を苦労せずにすべて見つけることができます。

 検索する手段がありませんが、ランキングに載ったり「みんなの投稿作品」から見たりした場合に「キャプション」を見ることができるのです。

 『ピクシブ文芸』ではキャプションは冒頭の全角200字ほどが表示されます。





最後に

 今回は「閲覧数を増やすには」というお話を致しました。

 以上のようにジャンルと「キーワード」「タグ」で選別したら、最後に判断するのは「あらすじ」「紹介文」「キャプション」です。

 ここでどれだけ読み手の心を掴めるか。

 全角100文字未満で伝えようとすると無理があります。

 ただ「冒頭○○文字」というだけで「あらすじ」「紹介文」「キャプション」それ自体はもっと書ける小説投稿サイトがほとんどです。

 冒頭だけキャッチーに書いて興味を惹き、クリックさせて閲覧してもらう。

 これだけで閲覧数自体は稼げます。

 そこで残りの「あらすじ」「紹介文」「キャプション」を読んでもらってから、本文を読むか別の小説に行くかを決めてもらうのです。


 『カクヨム』は「キャッチコピー」がつけられます。これは小説の特徴を視覚的に訴えかけやすいシステムなので、使っていない方は必ず活用してください。

 目立つ色合いにし、適切な「キャッチコピー」が書ければ、それだけで閲覧数は急上昇するのです。

 ちなみに本コラムは現在、青色の「キャッチコピー」をつけております。


 以上のようにすれば「閲覧数を増やす」という目的は達成できるでしょう。

 まぁ「出だし詐欺」にだけはならないように。

 継続して閲覧数を増やすためには、本文の質を高めておくことが大前提ですからね。



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