セックスしてる奴らなんて皆死ねばいいのに。

奥月 陽人

童貞の詩

満員電車の窓から、ラブホの明かりがみえると、


本当に憂鬱な気持ちになって、


ため息が漏れる。


都会を通り過ぎる時、「アホか」ってくらい


大量にラブホがみえる。


あの趣味の悪い、下品で低俗なネオンが、


死ぬほど目障りだ。


かといって上を見上げれば、今度は高級ビジネス


ホテルの部屋の明かりが、ちらほら灯っているのが


みえる。そういう時、思わずにはいられない。


「ああ、今頃ブルジョワが高値で買ったJKを美味しく


頂いてるんだろうなぁ」って。


もちろん、純粋に相手を見つけて、この大都会の


陰に隠れてせっせと励んでいる奴らも沢山居る。


相手が居るのに、別の奴とヤる


背徳感を味わっている奴も居る。


あの明かりの数だけ、セックスしている男女が居る。


全裸になって、抱きしめ合って、愛だ金だとゴミみたいな


御託を並べては、猿のように性欲を満たす。


クソだな、と思う。カスだなと、嘲笑う。


でも、本当は知っている。


家帰って、不味い飯食って、シャワー浴びて、


一人寂しくオナニーしている俺の方が、


よっぽどみじめなんだ。


俺の布団は冷たい、奴らのベッドは暖かい。


孤独の夜と、人肌の夜。


この差は一体、なんなんだろう。


俺だって、頑張って生きてるのに。


俺だって、一生懸命やってるのに。


つり革を握る手に力が入る。


足を踏まれた。


人にぶつかった。


ふと、一番高いところの明かりが目に入った。


ああ、いいなぁ。


俺達を遥か眼下に見下しながらするセックスは、


どれほど気持ちがいいんだろう。


俺は、何の為に生きてるんだろう。


毎日辛くてしんどいだけなのに。


「明日も、会社に行かなくちゃ」


ぐっすり眠れるわけがない。


セックスしてる奴らなんて、皆死ねばいいのに。



幸せな奴らなんて、皆死ねばいいのに。












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