俺とべた褒め

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 悠久の魔女のお屋敷に泊った翌日。


 俺は朝食を食べた後、ずっとメリッサさんから剣の稽古を受け続けた。


 メリッサさんの教えは的確で、素人なりに、自分が剣を扱うのが上手くなっていくのを感じていた。メリッサさんの前では、誰でも剣技が上手くなるだろうと思うけれど、その一つ一つを習得するたびにメリッサさんは大袈裟に褒めてくれる。


 正直に言うと、その誉め言葉は冗談のようなモノばかりだ。


「獣人にも捉えられねぇ速さの剣技だ!」とか「そうやって体重を乗せればドラゴンの尻尾も切れるだろうな!?」なんてのは可愛い方で、最近では褒め言葉を見つけられなくなったのか「この調子ならエターナルで最高の剣士になれるぜ!?」とまで言ってくれた。


 お世辞にも、メリッサさんは人を誉めるのが上手いとは思えない。


 しかし、その甲斐もあってか、剣術の稽古は楽しかった。


 メリッサさんの腕っぷしや太ももは筋肉質で、男よりも男らしいぐらいだったけれど、その顔に広がる笑顔はタルサとはまた違う魅力に満ちている。


 裏がなくて、とても清々しい。


 こんな風に女性から褒められるのは、男冥利に尽きるってもんだ。

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