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「
タルサの言葉の意味を図りかねて、コメットさんはまた小首を傾げていた。
「シュウ様は必ずSSランカーになるっ!! 楽しみにしておれ!」
タルサがまた馬鹿笑いしている。
これだけ公言されると、なかなか当人としては気まずいんだが。
しかし、改めて思えば、タルサと別れてここに来た時、俺の不安は恐ろしいほどに大きかった。そんな俺を温かく迎え入れてくれたこの場所に、俺は感謝している。
「あの……色々とありがとうございました!」
俺の礼に、コメットさんは
「いえいえ、私こそ――期待して待っておきますね!」
「妾も世話になったな。また縁があれば、その時はよろしく頼む」
「はい、お気をつけて!」
俺たちはコメットさんと別れ、隣の水晶の付いた機械へと向かった。
「ところで、悠久の魔女に会っても大丈夫なのか?」
俺は思いついた質問を、素直にタルサに聞いてみる。
「かまわぬ」
即答するタルサに眉を寄せる。
「……派手に動いてるような気がするけど、黒い腕に気づかれないよな?」
「
タルサはまたしてもニヤリと笑った。
「妾の力を売り込むには直接話した方が手っ取り早いし、協力するなら悠久の魔女は適任じゃ。お主様が作った機会を最大限に利用する」
なるほどな。
タルサからの評価がこれほどに高い悠久の魔女とは、いったい何者なんだろう? 悠久の魔女って、やっぱり凄い人なんだろうな。
そう考えながら、俺は水晶の付いた機械に神ランキングの登録カードを挿入した。
俺たちが神ランキング協会に来た理由は、全部で三つだ。
一つ目は、悠久の魔女と
二つ目は、タルサの登録情報を
三つ目は、俺の登録カードを更新すること。
一つ目と二つ目を行う理由は、黒い腕の
機械がうなり、俺のカードが再排出された。
タルサが更新しろと言うから更新してみたけれど、俺のカードは安っぽい生地のままだし、あんまり意味がない気がする。
しかし、俺は更新したカードを見つめ、その変化に気づいた。
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