鳥籠の戦士たち

スーク

第1話 スタートダッシュ

朝が来た。「鳥籠」での初めての朝だ。俺は目を擦りながら床から背を離す。「あーベッドで寝るの忘れてた。まぁ昨日は色々あったかんなぁぁーわ」もはや欠伸を止めるのすらめんどい。早く朝飯食べて、学校行かんと。段ボール箱が転がった廊下を歩きリビングへと向かう。「おはよー」「あんたまだ家にいたの!早く学校行きなさいよ!」朝から怒声が新しい家に響く。「えっ、8時半が登校時間でしょまだ7時だよ」「あんた昨日ここに来た時の学校からのプリント見てないの!今日は始業式があるから7時半には学校にいなきゃでしょ!」…こういう時って血の気が引くよね…ヤバイヤバイヤバイこのままじゃ遅刻だよていうか昨日こっちに来たばかりなのに翌日から学校ってのがおかしいんだ!俺は悪くない!ってそんなこと思ってる暇もないぐらいヤバイ!

〜15分後〜…はぁはぁ家から学校が近くてよかった…マジでここに来てからいいことねぇよ…まぁクラス掲示されてるし自分の名前でも探すか。

「えっと…って一クラスしかないじゃん!しかも人数もいち、に……じゅ…13人しかいない…マジかよ」とりあえず教室に向かうことにした。ドアを開ける。そこには11人の生徒と1人の教師らしき人が座っていた。何とも冷ややかな視線を浴びながら自分の席に座る。すると先生らしき人物が「どうやら始業式に出る生徒は集まったようですねぇ」そして立て続けに、「もう1人は今バルトに着いたみたいなので自己紹介の時までには着くそうですぅ」自己紹介か…陰キャの俺にとっては入学早々重い試練だ。

そんなことを考えながら入学式の会場へ向かう。

会場に着くやいなや会場の前列中央に13個のパイプ椅子と来賓席のみがこしらえられてるだけの何とも言えない哀愁漂う会場が眼前に広がっていた。ぼーっとしてる内に入学式が始まった。「校長からの言葉、校長先生お願いします」だっだっ 校長の足音だけが響く

「ようこそ私の学び舎へ、能力者スキルホルダー、異種族の皆さん私の理念として「選ばれし者に環境と自由を」というのがありましてね。貴方達は一般人とは違うつまり選ばれし者なのですよ。かくいう私も能力者スキルホルダーなのですが能力者には能力者に適した環境を一般人には一般人に適した環境をってところでね、まぁつまるところ…ここは能力者スキルホルダー、そして異種族

の方々しかいません!種族差別主義の一般人も能力者スキルホルダーを気持ち悪がる一般人もいません!ここでは皆さん自らの能力スキルを、つまり個性を伸ばしてもらいたいのです!以上です。」俺は一般人でいた期間が長いせいかこのスピーチを聞いていて何だか胡散臭い新興宗教の説教を聞いてるみたいだった。昔、と言っても2年前くらいだが、本で見たことがある。「人は「選ばれる」という事に対して途轍もなく興味や関心を引かれる」らしく宝くじや宗教などはこれを利用して利益を出してると著者は言っていた。宝くじで言えば、

自分が高額当選に「選ばれる」、宗教で言えば、

自分は神様に「選ばれる」まぁいわゆる自分を認めて欲しいという承認欲求というものだ。著者は「SNSで自分の行動を発信してる人間は顔も知らない誰かに「わぁ〜すごいね」「オシャレでいいね!」と言われたいだけなんですよ」とまで言っていて、この人結構ズバズバみんなの暗黙の了解的なとこいっちゃうなぁーなんて思ってたのを思い出した。まぁ今やその著者のファンなんだけどね。そんな事を考えながら退屈という言葉がよく似合う入学式が終わった。



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