第30話 女性のお父さんは怖いものだよね
今日からグラス高等学校の学生だ
グラス高等学校は皆からグラス高校って呼ばれている。
シンシアは相変わらず遅い、早くしないと置いていっちゃうよ、説明会でもぎりぎりだったじゃないか
シンシアは姉さんだ、でも本当の姉さんでもない
生まれた時から変わらない存在だったのに・・僕が12歳くらいの時なんかシンシアも成長しだした。
それ以来シンシアから姉ちゃん禁止令が出ている
でも、見た目が変わってもシンシアはシンシアだ、我儘で涙もろくて生き物に優しい姉ちゃんだ・・
シンシアがパンを加えながら出てきた
学校の制服がシンシアに似合ってる、しかしスカート短くないか?
目のやり場に困る・・・姉ちゃんなのに・・・困るよ
学校までは自転車で行く、自転車が出来て本当に移動が楽になった。
砂利道も硬く固められて走りやすい
全部父さんが手掛けた、足でこぐ事も出来るけど。
風の魔法ですーっと動くのがグラス流だ、ただ事故もあるので
スピードは漕ぐのと同じスピードだけどね
スピード違反したら、犬に乗ったお巡りさんがすぐに駆けつけて切符を切ってしまう。
この島の自転車は免許が必要なんだ、なにせ風魔法使えれば簡単にものすごい速さを出せちゃうから
スピード違反の取り締まりは厳しい
点数が低くなると厳しい下水道掃除という罰則がある、あれは臭いからね・・・
しかしやっぱりシンシアのスカートは短い・・・見えてるじゃん
「シンシア、スピード落とさないと・・・」
「なによ!お巡りさんが怖いの?ワンちゃんなんてお願いすれば何とかなるわよ、それに捕まるほどのスピードじゃないわよ」
「いや、見えちゃうよ・・シンシア」
「なにがよ」
「パンツがだよ」
「!」
シンシアはサドルに座りなおした・・・やれやれだ
入学式にはいろいろな顔ぶれや種族がいた
国ではグラスのほかに、ベロニカやクーマ王国の生徒が多い今年は初めてオワリの生徒も来ている、人間の女性2人に鬼人の男が一人、オワリから初めてこの学校に入学した生徒だ。
さらにゴルゴンの国からも頭が蛇のメデューサ族の女性
ドワーフやノーム・ホビットやリザードの女生徒も今年はいるようだ ベロニカやクーマ王国からの生徒も多い。
30歳くらいの魔法使いの人が今年の最高齢らしいベロニカの人だ
入試は難関だが、
この学校には基本的に試験はない。
好きな授業を選べる、といっても毎年のように研究所から新技術が出来上がるのでそれを教える学校だ。
武器学 魔法学 金属学 農業学 素材学 機械学この辺が人気の学科で学科は全部で20近くある
だから特に低学年は仕事をする暇はない。
3年間は勉強漬けだ、4年以降は結構仕事しながら皆学んでいる。
それだけ、ここの学問はこの世界では魅力的なのだ。
だから近年は国からの派遣生徒が多く、特に年々入学の難関は上がってる。今年は定員50人にたいして受験者は1500人を超え過去最高だったそうだ。
毎年過去最高を更新しているが・・・
合格率は今年は3%だったということだ・・・本当に厳しい
入試機関の3月は、本当にいろんな国の人達がこの島にやってくる。
ベロニカ経由なのでベロニカの交易船だけじゃ足りず。島も海運業に乗り出したほどだ。
当然講師も優秀な人材が集まっている。
校長のハーフノームのクリスさん初め、金属加工や蒸留技術に優れたドワーフ。農業知識の高いホビットの老師、なんとジーフ母さんの叔母さんのシーナレインさんという魔女まで講師で参加している。
500歳を超えるというが、ジーフ母さんと姉妹といってもおかしくない若さだった。
闇魔法学科は、属性者が少ないので毎年生徒は少ないそうだが、今年の生徒は何人か闇属性を持っている生徒がいる、あのオワリの女の子も闇属性持ちだそうだ。
オワリの女の子といえば入試の時に騒動になった。
オワリからの船が20隻来航したのだ、唯でさえ受験者で混む港が大混乱になった、戦争でも始まるのかと・・・
島の防衛隊も、鉱山職員たちでさえ駆けつけたくらいだ・・・・まさに戦闘態勢だった。
でも受験に来た、というので受験者はどこの国のものでも、拒わない掟なので、上陸を許可された。
ただ1隻以外は護衛の軍船で、入港したのは1隻だけだった。
さらに受験を受けたのは、わずか5人で3人が受かったようだ。落ちた二人も来年も受験するそうで
オワリの使者と共に大きな家を買い、街の一角に異様な場所ができてしまった。
強そうな鬼人兵が門を守り、受かった生徒3人をこれまた強そうな兵が守っていた。
その鎧はこちらで流通している鎧とは違っていたが頑丈そうであった。
父さんはその鎧を知っているようであった。
父さんはなんでも知っている、さすがだ。
オワリの女性の一人はオワリの守護者の娘らしい、いや全員娘か息子らしいが一人は正式な伴侶の娘として特別な扱いらしい
成績も優秀だった
*「あれが・・この島の守護者の息子のツユキ・シュンタだ」
*「え!本当に?かっこいいかも」
島の外からの人だろう・・なんか注目されているな・・・・
*「一緒にいるのが、あれか?弱い守護者シンシアって」
*「そうそう!お菓子を出す能力しかないらしいよ」
*「でも守護者の伴侶になれば、永遠の命と力がもらえるらしいぜ」
*「でも、この島の守護者に守られているらしいぜ・・」
*「じゃあ守護者に手を出されているかもしれないのか?まだ幼そうなのに」
*「かわいそうにな、幼いのに」
*「なんでも守護者には既にこの島の1.2番の美女が妻としているらしいぞ」
*「ほえ~守護者って見境ないな!美女から子供までとは・・」
うーん?シンシア 存在だけで父さんの評判を落とすとは・・・
シンシアが守護者というのはすでに各国にばれている、まあ年をとらない少女というのは目立つからね
その時いくつかの国から使者が来てひと悶着あった、でも父さんがシンシアの能力を説明して、なおかつ
いくつかお土産を持たせて納得させた。
父が持たせたお土産は手榴弾、すでに再現されている武器でまだこの島でしか出回っていない。
このお土産の威力を見て、取引を申し出る国が後を絶たなかったが、すべて受けてた。
その代わりにシンシアを認めるということになった。
オワリには既に『ホウラク』という似た武器があるようだが、父さんの手榴弾の方が威力が高かった。
シンシア
「なんかみんなに見れらているね 私がかわいすぎるからかな?」
シンシアは幸せ者だ・・・・
*「あなたが守護者ツユキの息子のシュンタ様でございますか?」
オワリの少女が話しかけてきた
「はあ キンタロウの息子のシュンタです」
*「噂以上に聡明な顔立ちですわね」
「ありがとうございます」
*「私はオワリ国、皇女のイロハと申します。あなたに提案がございますの」
「なんでしょう?」
イロハ
「私の伴侶となって父の下に付きませぬか、そしたらこの島も安泰でしょう」
へ? なにさらりと怖いこといっているんだ?この人は?
シンシア
「ちょっとあんた何なの? そんなのシュンタが決めることでしょ ここの島の掟は誰の配下にもならない事よ」
「そ!そうですよ イロハさん この島に学生として住む以上 オワリとかそういうのは無しです」
イロハ
「これは失礼いたしました、ならば・・私の魅力であなたを振り向かせて見せますわ・・」
イロハはシンシアの胸を見た。そして自分の胸を張った・・・うん、大きい・・・体は細身でありながら・・反則的だ・・・・
そういえばオダ・ノブナガの伴侶はエルフと聞いたときがある。ということはこの子はハーフエルフかハーフエルフはエルフの特徴が出やすいはずだが守護者の力かな人間寄りだ
しかしエルフの豊満な胸はお持ちのようだ・・・
イロハ
「そうそう、父が申しておりました。ツユキケキンタロウ、姓が先に来る文化からしてあなたのお父様は、私のお父様と同じ世界の同じ国から来たのではないかと言っておりましたが。
いずれ会いに来るそうです、伝えるよう言われましたの・・よろしくお願いいたいますね、よしなに」
なんとこれは・・・一大事じゃないのかな 父さんが悩む顔が浮かぶ そういうことは父さんに任せよう・・・・
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シンシア
「チョット何なのよあの女は・・なにがよしなによ・・・俊太の伴侶なんてあの女が決めることでもないでしょうに・・・」
「まあシンシア落ち着きなって、それよりあの恐ろしき守護者がこの島に来るかもしれないんぞ・・・」
シンシア
「落ち着けるわけないでしょ!あの女私の胸見て勝ち誇った顔してたわよ・・俊太はあんな女が好みなの?」
「ち・ちがうよ・・・」
シンシア
「そうでしょ!なのにあの女ったら、まったく・・」
シンシアはやっぱり平和なようだ・・・・
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