第29話 計算高い聖女は最強だよね

私の親はいない。


何処の生まれかも解らない


ある日、グラス火山の山頂で泣く赤子をグラスさんが保護したということだった。

それ以外は分からない、親が誰なのかも。


私は孤児として育ったけど、何一つ不自由は無かった。この島はグラスさんが保護した孤児達が一杯いたし大人達も元孤児の人が多かった。

この町は、孤児達が作った町、そこで育った私は寂しくなんかなかった


みんなの父が、グラスさんであり、みんなの母がエレンさんだった。


そんなある日エレンさんがいなくなった、代りに金ちゃんが現れた。

その現実を、みんな受け止めれなかった。だから金ちゃんは敵だと思ってしまった。


でも違った、金ちゃんはグラスさんの入れ替わりの守護者だった。

グラスさんほどの威厳は無いけど、優しく面白い人だった。


最初はお詫びのつもりだった・・・

でも、だんだんここに来るのが好きになった。 


金ちゃんは、なかなか受け入れてくれなかった。 

いつも自分が死んだ後の事を考えていた。 

だから私もより積極的に動いた

桜の花が咲いたころに、やっと金ちゃんが受け入れてくれた。


私にとっては、もう金ちゃんのいない人生は考えれなかった。

むしろ私の知らない所で、争いに巻き込まれて、金ちゃんが死ぬなんて耐えられなかった。


金ちゃんと初めて結ばれた・・夜の金ちゃんは激しすぎるけどね


初めて結ばれた夜・・神様が私の元に現れた

守護者の伴侶としての能力を決めるということだった。


私は考えた。 私は治癒魔法には自信があったけど、戦闘に置いては役に立たない。

光り属性を強く持つ、というのは分かってたけど、その中で治癒能力はよく伸びていた。

また、水の適性も持っていたので治癒士として子供の手当などをしていた。

だから、金ちゃんが危険な時に絶対に治せる存在になりたかった。

そして選んだ能力は、金ちゃんが命の危機がある時私の元に召喚させる力。


これなら、金ちゃんが私の知らない所で死ぬ事もない、グラスさんのようにね・・・

金ちゃんの家に通って本を沢山読んで既に決めていた。


ただ即死級の攻撃や、消滅クラスの攻撃を受けた場合はもう手遅れになる。

光や水の魔法で手遅れでも、助かる可能性はある、闇の治癒魔法・・

闇の蘇生を行えれば・・しかし私には闇の属性は無い。


だから、闇の属性の治癒魔法が得意な人物を探さないといけなかった。

だから、孤児院に行きながら、子供達の能力の見極めもしていた。 なんか怖い目をしているって

子供に言われたな・・・


でも翔太をお腹の中に授かって、その活動も止まってしまった・・


でも、それは向こうから現れてくれた。闇の属性の魔女ジーフだ。

しかもジーフは特別な目で金ちゃんを見ている、わたしにはすぐに分かった。


しかも魔女は歳をとらない人間なのでずっとキンタロウを守れるこんな人物はいない

私からジーフに近づいた ジーフは驚いたようだったがすぐに打ち解けた。

悲しい過去を持つ優しい子だった。 なおさら一緒に金ちゃんを助けたいと思った。


でも金ちゃんは頑固なところがあるからね、私も苦労したし・・・

金ちゃんが、ジーフを受け入れるまでに10年以上かかってしまった・・・


今はこうしてジーフと共に金ちゃんを支えている。

俊太も大きくなった、目元は金ちゃんに似ているかな。

なかなかかっこいい子に育った、小学校の卒業式には女生徒が沢山俊太に集まってた。

ふふふ、罪な息子ね

シンシアは、なんか面白くなさそうにその様子を見ていた。


もしかしてシンシアは・・・ふふ 面白くなるかも


メグミを見ていると、私もまた子供を産みたくなってきた。

20年は長いんじゃないかな?って思ってたし、そろそろいんじゃないかなって思ってる。


俊太も15歳で大人になったし次の子を育てたい・・・

金ちゃんにはなしてみよう。


ジーフが学校に働きに行っている間は、私がメグミの面倒を見ている。

女の子も可愛いなあ・・金ちゃんが用意してくれた哺乳瓶ってすごい、赤ちゃんのおっぱいの代りになる代物。


既にツユキ商店にも売っている、あのハバの木からこんな乳頭の様なものが出来るなんて

考えもしなかった。


金ちゃんの作る魔道具を商品化して、この島には沢山の人が来るようになった。

金ちゃんとグラスさんは違う、似ているけど違う。

グラスさんは、なんだかんだみんなを引っ張っていって、危険な所には一人で行く人だった。


でも、金ちゃんは人を育てて困難に立ち向かう人。 


そして私の旦那様 ふふふ


メグちゃ~んあなたのパパは凄い人なんですよ~




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