かさばる人道的

韮崎旭

かさばる人道的

 と、読みたいものと書きたいものの乖離を見ているのだろうか。鉄道路線と台湾旅行雑誌がおかれていますが……怪談のような朝にもさくヒルガオの角砂糖とか消滅、連想される形態は蒙昧、出来事は障碍じみてきた乖離にささくれ立ったままでいてくれと命じている。

彷徨するにも、抱えるものがいるのだ。

そしてそんなものは持たないし、シュガーピンクのふかふかのくまさんがおかれた部屋で死にかけている死にかけていた意思にかけてみよう死にかけてみたい、死にかけてみたら、死にかけているのだが、美しいもの、さびた血痕、残念そうに疑った、川口湖畔・旅客鉄道の乗車券、乗車券、羊羹、春の不安定な天候で完全に心身が壊されている、砂糖のような唐突な雨が、吐きそうにさせた。


 朝にも昼にも死亡記事のような、シジミチョウと菜の花畑は目の前にない。

 障りのある災害のように? 例えば。

 ミス、タイプミスなのだ、生存はわたくしのタイプミスで、今朝の服薬、怠薬しないようにしないと、もう疲れたのに、疲れたから自傷して寝ようそうすれば私の前頭葉は穏やかに生も死も考えることのない常同性を手に入れることだろう。板張りの床で泣きそうなガラス片の塊ととうに割れていた鏡と、カマドウマと、秋風、山林、私有地、国有林、砂防ダム、重力式コンクリートダム、浴室に引きこもること、書き損じ、アーチダム、捜索の、売女、書き損じた、売女、書き損じた、池袋から170円区間、でき損ねた、コバルトグリーン、できそこなえ、東長崎から各駅停車で書き損じの弱いタイプミスの誤読の可能性のペールトーンの春雨の移動性高気圧の抑制がないよく弛緩した書き損じのタイプミスを繰り返せなくなってくる売女によく似た、病者のうわごと。

 

 だから寝ればよかった、板張りの床が強迫的に私に神経質であることを強要するのであれば、天候の悪化、この5月のいけにえを観よ、想起される反抗の行く先の、有価証券、高じた失態の、紺色のインクで書かれた、死胎、私のタイプミスの死産、地下鉄、都営地下鉄新宿線、東南口の水族館の草稿に重ねた、供するもの、不浄。

 タイプミス、早朝のけだるい、周遊するうっそうとした、万緑の、かけらの時刻見落としと、逆方向の路線図による。

 ホタルなど観察することが可能、河川敷または用水路にて。

 日本旅客鉄道路線図。

 チアリーダー、日本旅客鉄道、明るい未来を築く第一歩、貴方にできる社会貢献は身近なところから小さな心がけでこの世をより住みよくすることが非・宗教的に可能となる、電球、旧市街、弘南鉄道弘南線、知らぬ間に落ちてゆく人間に抜かす現、ろくでもないこと、人間になることが、ろくでもないことであることに気が付いているはずなのに人間を求めます、世捨て人ではないから、日暮里舎人ライナーは乗り換えです副都心線相互乗り入れなのですか東急線内は快速で運行します、Fライナー?ああああああ明るいみらいみたいな何かの滅亡なんて俺の知ったことか!

羊羹はカリウムをはじめとした多様な栄養素の富むので、朝食にはうってつけ。多様なチアリーダーのミスリードの再開。都営浅草線、出来事、ここには何らかの出来事が描写されています、手にとって、マグカップのコーヒーを緩慢な動作で少し口に含んでから飲み下すとややため息をつくような呼気ののち、中原昌也の『パートタイム・デスライフ』をさっき置かれていた場所からそっとわきによけ、おもむろにこう切り出した。「でもそれってだから、虚構のたたき売りってことですか?」 私はおりしもこのようなあらゆることにうんざりしていたために、思わず席を立ちそうになるのを人間的にあふれる社会性を発揮して控え、「君はもう少し言葉を慎みたまえ」と抑制の取れた、少なくともそう思いたい、口調で返した。私はこういった何もかもにうんざりしていたので、『僕はどうやってバカになったのか』のいかにも啓蒙的でスノッブな、というのがいかにもひどい語彙なのは想像できるが、まあその、教養ある人間というか文学性を持ち合わせてしまったばっかりにそうせずにはいられなくなったいわゆる知性的猜疑と皮肉みたいなもの、または都市部に特有のともいえそうだがそういった振る舞い、を見ることにも耐えられないのは春先の極めて不安定な気象現象に脳髄ぶち壊されてるからなんですけど……床にばらまかれたコーヒーカップの砕片や目の前の人間の飛散った血液脳脳漿は誰が始末するのだろうかと心配にならないでもない。僕は鉄道路線に疎いのだ。ぼんくらなのだ。できそこなったのだ。それでもはがきは投函しないとならなかったから、今その内容を考えているところ。

つまり、「一面の花束、一面の名詞、動詞、分詞、形容詞、過去分詞、現在完了、受動相、中道態、見るな。一面の、一面の遺骸、一面のわたくし、一面のガイガーカウンター、一面の放射性廃棄物、花、其の、苑、失くしもの、一面に、一面の、兆候、描かれた、一面、一面の関東地方、一面の道路交通情報、一面の三郷JCT、一面の渋滞、一面の立法キロメートル、一面の尺度、一面の大うつ病性障害診断尺度、探し物、私が、くまさんが、思想形成期の失態、一面の四六時中、一面のy、一面に任意の、恐怖心の一面、見過ごすことがよくある、一面の非存在、一面には辞職、一面で死亡記事、一面の通行許可証、冥府、カドミウム、なるほどそうですか、

電話を切る。

交換手は翌月にはもう死んでいた。末期の結核だった。」、一面の茫漠たる正体不明の辛辣な寒々しい、憂慮と不安。


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