-49度 たいじのスエオ2
今更ながら魚人の話をしよう。
魚人は大きく分けて三タイプに分かれる。
顔は魚で
そんな俗にサハギンと呼ばれる種族が前衛として並んでいたが、こいつらはほぼ全て足を凍らされて動けない状況だ。
魔法に強いタイプに、基本的に女性しか産まれない、下半身が魚で上半身が人間の人魚タイプがいる。
魚人は衣服を身につけない習慣から、主に観光資源代わりとして期待されているが、実際は
ちなみに陸上移動が苦手なので、今回は参加していない。
「な、なんか気味悪いのが残ったべ……」
能力的には戦士も魔法使いもいけるハイブリッドタイプ。
この異形型の魚人たちが、先ほど水のシールドを張っていたのだ。
その体は魚そのものであり、とってつけたように人間の手足がついている。
ドラゴン倒しちゃう系女子のヌ〇サとラ〇ニムとか、秘宝的な南国のタ〇ノくんとか、スライム消去のすけ〇うだらとか、銃刀法行方不明な学園のマグ〇マンとか。
「き、気持ち悪い見た目だべ……」
(((((お前が言うな!)))))
魚人たちの気持ちが一つになった。
そんな中、ベースの魚がタイの連中が中央で回っていた。
何かしらの儀式を行っているようだ。
「みんな
出てこんね!タイ神!」
魔方陣のように輝いた中心から、現れたのは小さな空を飛ぶタイ。
タイ児とか言うつもりだろうか。
こんなので戦力になるはずが……と思ったスエオの思考が止まる。
「あで?ちぃっとばかし多くねえか?」
サイズこそ小さいが数が異常。
わかりやすく言うとポケットティッシュサイズだろうか。
そのサイズの小さなタイが、百や千どころではなく十万百万と出てきているようだった。
スエオがさっき魔法で凍らせた約4千人よりも、体積で上回っているようなのだ。
どんどん上下左右へと展開していくタイ児たち。
「ど、どこまでコレ増えるんだべ……?
そろそろ魔法をぶっぱ───ぬおぉぉぉぉぉぉ!?」
一瞬固まりのような群れの一部が光ったかと思うと、ものすごい速さでスエオの足元に突き刺さった。
とっさにバックステップで距離を取りながら、土魔法で壁を作るスエオ。
こだわりの詠唱は余裕が無くて破棄である。
もともと意味ないし。
ちゃんと師匠の訓練のおかげか、敵側は剣山のようにトゲトゲになっている。
タイ児の大半はそのトゲに突き刺さるが、後発分は回り込むように左右から突っ込んでくる。
「あの子が王都のどこにいるかわがんねえからな……
ここは一匹も通すわけにいがねえだよ!!!」
右手からはブリザード、左手からは竜巻を追加で放つ。
ブリザードは通過しようとするだけで凍るような猛吹雪、竜巻はさりげなく土魔法で作った鉄片が混ざっており、タイ児たちをつみれ……もとい、ズタズタに切り裂いていく。
「どっちの魔力が先に切れるべか……ちょっとおで不利じゃねえべか?」
敵軍で魔法を使っているのはざっと数えて千人以上はいると思われる。
今頃数の不利に気づいたスエオの、一対千の魔力比べがここに始まるのであった。
現在の王都死傷者数:0
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