[ネタ]諺しかり、格言しかり2
一昨日の思い付きからさらに発展させて。
一昨日は、ファンタジーな内容に合わせた諺の表現はいくつも見たりするが、格言とか名言といったものは、なぜか見当たらないのは不思議である、ということであった。
著名な誰かが遺した一言。国王でも、反乱軍のリーダーでもいい。誰もが知っている言葉が、なぜないのだろう? という話だ。
こういった言葉が広がるためには、最低限、いくつかの条件が必要であると考えた。
まず、口にすることでメリットがあること。次にその言葉が誤解を含めて人々が理解できるかどうか。そしてそれを遺す手段があり、それは不変的なものか、だ。
まずはメリットについて。
考えられるメリットは、婉曲的に示すこと、あるいは当人に知られないようにすること、はたまた、面倒な説明を一言で済ませられること、格言ならば、広い人々が共感できること、だろう。いずれも説明するまでもないことだろう。
次に、誤解を含めた理解、だ。
あらゆる格言が、履き違えて理解されていることなんていうものは五万とあるだろう。中には正しく使っていても、歴史のなかに埋もれ消え失せることだって。いつのまにか誤用が、正しいこととされてもおかしくはない。当人の意図など関係なく、多くの人々に印象付けることができれば、それはフレーズとして形を遺すということは成功なのである。
最後に遺す手段について。
芸術がごとく、格言が死後に評価されるということは滅多にないだろう。それでも、どこかに残っていれば、それを読んだ物好きが誤解を含めた理解を行い、広めだす、ということは考えられないだろうか? 二つ目よりかは弱い理由付けになるが、それが格言として広がりうることはありえるだろう。
これらの要因から考えると、諺や格言といったものは、いかに人々に都合のいい言葉であるか、が重要なように思えてくる。
希望を持つために、説明を省くために、共感したものが曲がり曲がって、そういった表現として残り続けているのではないだろうか?
では物語には、格言をどうやって出させようか、と考えると、そこに住まう人々にとっての都合のいいファンタジーを考えてみるといいのかもしれない。
例えば盗みのひどい町では、露店に品だし(荷物を表に出してたら、盗んでくださいと言っているものだ)という言葉があったとしよう。しかしこれは、そもそもある窃盗団のリーダーが口にしたことで、その部下、一般へと広がってしまった、とか?
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