[日記]推せば推すとき推せよ

 いわば、それは人におすすめする、というよりかは独りよがり気味な、柔らかな表現である。


 そういえば、推す、という単語が一般に溢れ始めたのは、わりと最近なことである気がする。多人数アイドルの個人に対して、好きでもなく愛でもなく、推す、という表現に腰を据えている場合が多いような。

 そこから、アイドルだけでなく量産されているキャラクターにも適用されて、私の好きな、ではなく、私の推すすめするキャラはこれ、と自己紹介したりする。


 自己表現として、好きと愛してる、に「推す」、というランクが追加されたイメージが近いだろう。おすすめ、というのは自己から他者に対して勧めるものだが、推す、というものは、他者に勧めるものではなく、私の中での評価の高いのは、という意味合いが強いようである。

 たしかに、関係を持ったことのないのに、突然、好きとか愛してる、などと言われるよりかは、ずっとマイルドなことにはちがいない。好きという、愛という、より高度な概念・執着を持たれている、という重いものを向けています、と公言されるよりかは、私はあなたを素敵だと思っています、程度の内容の方が、言われた相手の心身への負担も少なくなることが予想できる。


 さて、この推薦する、という概念だか、私自身はなかなか推したい、となるようなことがなくて困っている。

 そもそも、自己は自己、という認識が強いからか、自分の好みが相手の好みと完全一致することなんてない、という考えもちらつく。

 それ故か、好きであることは自己完結する。上記のように、好きであること公言する意味では、好きななだけ公言してしまっていいものなのだろうが、では私が推したくなるような物事とはなんなのだろうか?

 まぁ、極端な話、感動できればそれでいい、というのが私の鑑賞スタンスなわけで。そこに推す、というような概念が生まれるかというと、また別の話で。


 もっと考え込む前に、軽く公言すればいいと思うんですけどね。面倒な性格ですね、こやつは。

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