[ネタ]不幸自慢
完成までのカウントダウン。
食後の楽しみと称して、一杯だけのドリンクを楽しむ。楽しむとはいっても、香りとか、甘さとか苦さとか。そういった感覚を刺激しているだけなのだが。
ゼロ。
完成したよと開く扉の中にある、一つのカップ。さて近くのベンチにでも座って味わうことにしようか。
手を伸ばして、カップを優しく握る。そして持ち上げようとすると、ふわりと妙な感覚が腕にかかる。いつものような重さがないのだ。
不思議に思って覗き込む。そこには液体は入っている。ただし、私が注文したものではない。いやただしくは半分は、だろうか。材料だけで言えば、三分の二は入っている。容量的には、五分の一だろうか。
ほんのりコーヒーの酸味の香るはずのそれは、真っ白だった。
つまり、こういうことである。
自販機に注文したものはカフェオレで、コーヒーが切れている状態で稼働している。そこに、コーヒー出ません、という注意書があったのだが、別のボタンの場所に貼られていた。だが実際には同じコーヒーを使っていて、切れてしまったと。
結果、残っていたミルクとガムシロップだけか出力されて、甘々なしょんぼりなミルクがカップに注がれた、と。
うーむ、商品が品切であることを検知するのは難しいのだろうか?
折角の時間が邪魔された気分だが、さてどうしたものだろうか。返金してもらおうにも、こういうのは手間がかかるものだ。
よくある、少額ならば別にいいや、というやつだ。たった10や100円を取り返すために、手続きを踏む方が手間で、億劫というやつ。
しかしこのガムシロップミルク、もはやキャラメルだな。
甘味に支配された口を唾液で潤して、今日の不幸自慢は終わりとしよう。
◆◆◆◆
今、起きたことです。ほんとに。
砂糖で底面がテカテカしてるカップが目の前にあります。
ネタに困っていたからってこれはないよ。ほんとに。冷えるからホットカフェオレで和もうとしていたら、渡されたのはキャラメルドリンクって。しかも極少量の。
……売り切れ検知機能ないんだ、と悟った今でした。
多分、液体で中に保存しているはずなんですよね。重さで検知できないのでしょうか。液体だと基本的に重くなるので、閾値以下になったら販売停止状態にしたらいいのでは。
粉からドリップしているにしても重さ検知できるでしょうよ……うーぬ。
と、自販機にどうこう言ってても仕方ないので、別のものを用意するとしますよ。
あー、甘かった。
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