[創作論]論理パズル

 論理。それは倫理とは、語感は似ているが真逆のもの。たったの一文字、しかしら行において隣同士であっても、言偏が人偏になろうとも、彼らは交わることはない。

 唯一、コトワリである、ということを除いて。


 と、まぁそんなことは置いておいて、論理パズルは好きだろうか? 例えば文章で記されたものの中から、表題の問いに答える、というものだ。

 例えば、五人のなかで一人は嘘つきだ。嘘つきは誰か、というものは有名であることだろう。

 しかし論理パズルというのは、物語を作る上でかなり有効なネタになるのではないかと、考えてみたのである。


 もちろん嘘つき一人を指摘するようなものでは物語に落とし込むことは、それはもう難しいだろう。そこには登場人物の性格などは一切出てこない、明瞭な答えがあるために、曖昧にする材料がないためだ。

 例えば嘘つきAが、嘘つきはBだ、という回答をしたとしたら、それは問題上、嘘ではあるが、嘘偽りのない事実である。Aは嘘をついているが、Cが嘘つきだとは言っていない。すなわち、Aは嘘においては正直なのだ。そこに嘘に忠実である、という属性以外は存在しない。

 ここにもし、AがBに対して貶めよう、という意図を持っていたらとしたら、ここで初めて物語に展開する糸口が開かれる。加えて、Aの嘘が全てではなく一部が嘘であるならば、どうしてそこだけを脚色しているのか、という疑問から展開することも可能だ。

 そしてそこで、閲覧者の不意を衝くことができれば、それはもうネタとして大成功だ。予め用意された漠然とした命題が、一つの道筋として形を成していく。その感覚を覚えさせてしまえば、あとは表現するメディアを選ぶだけである。


 とはいっても昔から、ドラマやゲーム、ミステリーなどといったもので展開されているものである。勉強するには、サンプルは腐るほどある。

 しっかりと食材が用意されて、加工されているのかをよくよく観察しながら物語をたどっていくと、きっとあなたの地盤造りを手伝ってくれるのではないだろうか。

 ドラマはあまり見ないから、今話題の人のを見てみるのもいいかもしれないな。

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