[ネタ]夢と現は紙一重
私は夢を見た。布団に入って、じわじわと暖かくなってくるのを感じながら、意識が遠退いていくのを感じていたから、夢に間違いない。
夢では、私は町を歩いていた。見覚えがあるような、ないような、ふわふわとした感覚。カメラになっていて、勝手に手足を動かされる感覚だ。歩こう、とは考えていないのに、歩いてる。見据える先は、たまに揺れてビルを眺める。
するとそこに、落ちていくものがあった。
重量という万有引力に引かれてすっと、静かに、あっという間に見えなくなったそれは、どよめきに変換される。
ざわめく景色。揺れる感情。思わず走り出したのだろう。立ち止まった人々をかきわけているのを感じる。
でもこれは夢だ。夢だ。そろそろ朝なのだろうか。
結局、落ちた場所にたどり着くことなく、私ははっと目を開く。
不吉な夢である。だが不吉である、という情報を残して、今、飛び込んでくる情報に上書きされて、夢は要らないものであると霧散していく。
今日の予定は、と。二度寝はできそうだ。
そんな惰眠の続きの床に就こうとしたそのときである。
朝日の差し込む窓の外を、なにかが横切った。
◆◆◆◆
夢が、実は現実に起きていたこと、というネタは昔からありますが、それだけ夢というものは、ずっと昔から人々を悩ませたものだったのでしょうね。
で、ネタを生地のように広げているときに考えたのですが、物語において、そういった夢を見た、という内容って、今後の展開に関わってくるのかな? と読者に勘づかれてしまいますよね。
これを隠すなら、もっと断片的な内容にするか、はたまた、重要なこと以外はなんでもないような内容で塗りつぶす、が考えられるのですが、そうなると回収するのがまた、大変なんですよね。
ちりばめたピースをかき集めて一つのシーンにする、はたまた語りかけてくる人はすり替わっていて、本当に発言していたのは誰かを整理する。
それだけならいいのですが、たどり着けないんですよね、逆算して。何をきっかけにして夢であることを否定して現実であると認識させ、夢を現に修正するのか? おぼろげな夢を事実に落とし込むのか? これが難しい。
だから夢で見た内容は、事実を直接的に記すパターンが多いのでしょうね。で必要なときになったらそれを引っ張り出して、情報を整理して初めて意味を理解する、と。
けど直接的に示すのはどうかなぁ、と挑戦をしてみたいネタの案でした。
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