[ネタ]語尾につけへんの?

 ふとテレアが尋ねるも、その頭部を見上げるタマモは、そう申されましても、二つの尻尾を揺らす。

「コン、だなんてつけませんよ。なぜそのような話に?」

 それが、たまたま思い出したのだという。狐の口癖に、コンとつけたり、犬はワン、猫はニャだとか、どうとか。

「ずっとずっと、昔の話やけどな? なんかわからんけど、そんな頃があったような気がするんや」

 思い過ごしでは、と口にしてみるも、けどなぁ、と無表情ながらも曇る言葉。

「箱から、音が聞こえてくるんよ。光るのとか、光らへんのとかあったんやけど、そういった獣の登場人物に声、充てるときにな、ニャーニャー、ワンワンゆうたりするんよぉ」

 揺れる主に、にこやかなタマモは、

「では、是非とも続きを教えてくださいませ。あなたしか知らぬことを、教えてください」

 と促す。テレアはおぼろげであるという念を押しつつも、ぽつぽつと、途切れ途切れに話し始める。


◆◆◆◆


 よくある生物へのアテレコ。鳴き声だったり擬音語だったりを語尾につけがちですが、これを小説でやられると、なかなかきついものを感じるのは私だけでしょうか。

 私がアテレコするなら、大体が関西弁になります。語尾には何にもつけずに、語尾を伸ばした関西弁に。


 さて、その生物が一体なんであるのか、を示すためにこれらは使われるわけですが、一時のワンシーンだけならまだしも、主要キャラの台詞に終始ひっつけると、絶対にしんどいですよね。

 緊迫しているときにキャンワンコケとかつけられたら、なんで今つけた!? と感じるんです。加えてキャラの差別化が語尾だけ、というのも具材が変われば料理が違うみたいな感覚に陥ります。

 いや、何入れようがカレーはカレーやろ。ブロッコリー入れてもカレーやろ。シチューやないねん。

 ……語尾にそういうのをつけて書ききるなんてことをしてみたらきつそう。真面目な顔でフゴフゴ言わせたくはない。


 ですがこういうことって、どこを見てもそうそうないあたり、無意識に共有されているのでしょうか。テレビの動物系の番組だと濫用されていますが、小説で濫用されているようなものは見たことがありませんね。人間化しても急に認識が人間レベルになること自体は不思議ですが、自分がそれだったんですアピールがないだけ、マシ、なのでしょうか。

 いや、知らんだけやろうけど。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る