[ネタ]デバフさんにインタビュー
結局のところ、と首をかしげた一人がメンバーの一人に問いかける。
「弱体化とかって何してるの? 麻痺とか毒とかはまだ分かるんだけど」
問われると、デバフで敵に大ダメージを与えることのできると引っ張りだこの魔法使いはにやりとする。
「聞きたいのか? この私にその秘訣を!」
堅牢な敵がいたら私を呼べ。古今東西金さえあれば地獄まで。さぁ任せろ私のアーマーブレイクが着火材!
「いや、原理を教えてくれればいーよ。炎とか水とか、そういうのが効くかどうかは分かるけど、あんたがうさんくさいから」
歌い始めた魔法使いに水を差すと、問うた本人はじっと眺める。
「まず君は、敵がどうして硬いのか、を知っているかね?」
いいや、と否定する。硬さを盾にして攻めてくるやつがいるのは分かるが、なぜ硬いのか、といわれると。
「まずは、そこからか。いいか? 硬いと一口にいっても、その性質は全く異なるのだよ。例えば、凝灰岩とインゴッド、どちらも硬いが、同じものかね?」
違う、ということは誰でも分かるだろう。
「一口にアーマーブレイクという魔法を使っているが、実際には、何十という種類がある。敵の利用している硬いを、脆くする原理が異なるのだよ」
胸を張る魔法使いに、ふーん、と。
「そうそういないが、鉄ならは錆びさせる。岩ならば砂となるよう振動を与える。もし筋肉ならば、それを弛緩させる毒を生み出しているのだよ」
ふーん。
いかにも興味なさそうなメンバーの一人は、よく分からないけど大変なんだね、と話を打ちきり横になってしまう。
「そうだろう? こんなときがあった。私を窮地に追いやったあいつは……」
誰もそんな話は、誰も聞いていない。ただ一人、雇われの魔法使いは延々と語り始める。
◆◆◆◆
デバフってなんでしょうね? ゲーム要素だから深くは考えないにしても、そこに理由を色々とつければ面白くなるような気がします。
単にデバフ、と言えば魔法を思い浮かべますが、実際のところ、狩りを行うときにいかにして楽をするかを編み出しているのが生物です。
衝撃を起こして気絶させるとか、自身には効かない毒を使うとか。探せば色々と見つかるのではないでしょうか。
デバフとか少し違う気はしますが、単に効きやすくなるなるとか言うよりも深みを作り出すために考えてみてもいいのではないでしょうか。
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