[日記]白米を押し固めたもの

 おにぎり。

 それは適量の白米に具となるおかずを乗せて、包み込んで握ったものである。もちろん具がなく、調味料だけで全体にまんべんなく味付けをしたものも存在するが、基本的にそんなものである。類義語は、おむすび。


 この、具や味付け、というものは、いわばフレーバーに類するものだが、これをご覧になっているあなたの好きなものはなんであろうか? あるいは、食べれたもの、食べられなかったもの、どうあがいても食べられないものはなんだろうか?

 もちろん、焼き肉で包んだり、チャーハンでいいのにそれを握ってみたり、稲荷寿司なんていうお揚げの庇護を受けているものだったりもあるが、まぁそれも含めるとしよう。

 鮭、おかか、昆布、焼き、いくら、牛時雨煮、梅、その他諸々、期間限定も含めたとしても、私は塩を推したくなる。

 基本となる塩気とデンプンの塊の甘味。むしろ米そのものが具材と言っても過言ではないだろう満足感。量は他のものとそう変わらないというのに、いつの時代でも安価をキープしている。では他の塩気のついたおにぎりは、と言えば、具材がその深みを邪魔するのだ。我が主役であると割り込み、米の甘味を引き裂いていく。

 そう、塩こそ至高、と私は思っている。しんぷるいずべすと。香りを放つ海苔の衣さえも脱ぎ捨てた、塩気の力をまとうかれこそ、塩おにぎりなのだ。


 と、語っているが、一方で口にできないのはマヨネーズシリーズだ。なんでもマヨをいれるなマヨラーめ!(マヨラーだけが悪いわけではないけど)

 マヨネーズそのものが食べられない。ただそれだけなのだが、いかんせん、おにぎりコーナーに「マヨ」の一言が多すぎる。新商品シールが貼ってあると、フレーバーを確認する。すると「マヨ」っとあるのだ。私の中からは一瞬で選択肢が消え失せる。そうなると定番の昆布や鮭が私の手に乗ってくる。

 もちろん、塩があれば塩をとるが。


 好みなんてそれぞれ、そんなものだ。

 高菜を好む人がいれば、いっそのこと塩さえもかけていないもの、むしろ焼き海苔が好きで買ってる、なんていう場合もあるだろう。

 だから販売やめろ、なんていうクレーマーになるつもりはない。しかし塩の美味しさを知ってほしい、という気持ちというよりかは、塩のよさを書いてみるとどうなるのか、を期待して書いてみた。

 さぁ、おにぎりを買うのです。塩。そこに、塩おにぎりが、あるでしょう? あ、マヨはやめて。油の匂いがダメなんです……。

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