[短編(七日)]夏の味6

 ジジジ、と繰り返される、遠くから聞こえる合唱の中、暑さに溶けるのは人間だけではないらしい。

「暑い……」

 神と呼ばれる存在もまた、超常的存在のくせに、ぐったりとフローリングに溶けている。敷いてある絨毯をひっくり返して。

「何してるの。フローリング傷つけないために敷いてるのに、めくっちゃだめでしょ」

 そんなこと言ったって、と羽毛をぶわりと広げて、通気性をよくして床に広がっている万芽は埃だらけだろう床に頬擦りする。

「暑いもんはあついんだよぉー。保冷剤でもいいから、もらってきてくれないかい、ひなたぁー」

 これが一族の神様のひと柱で、あるときは私たちを滅ぼそうとしたというのだら、機嫌はとっておくに越したことはないんだけど、どうして私にはこんなにも甘いんだろう。主に私が世話というか、そういうのをしているからだろうか。

 母親からタオルケットと大きめの保冷剤、おまけにアイスをもらって、部屋に戻る。

 早速適当なところに保冷剤を設置して声をかければ、猛禽の姿をした神様は起き上がって絨毯を戻し、のそのそとひんやりスポットへと入り込み、また溶ける。

「はぁー、生き返るねぇ。酒でもあったら、もう最高なんだけどさぁー」

 それはもう幸せそうな呟きに、私の持っているものは映らないらしい。私はとりあえず、宿題を終わらせようとノートを広げた。


◆◆◆◆


 アイス、今年はとれだけ食べましたか? 私はバニラとかチョコチップとかが好きです。スーパーカップが好きです。


 さて、猫とかおられる家庭だと、フローリングで涼をとるというのも風物詩かと思われますが、その姿を眺めるのって和みますよねぇ。猛禽とかはどうなのでしょう? 止まり木にいるので滅多に降りてこないような気もしますが、リラックスしていると溶けてたりするらしいんですよね。

 そこに暑さは関係あるのか? 観察してみたいところですねぇ。

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