[短編(オリ)]ただその一言が欲しい、と?
※めっちゃ暗い感じです
何もしたくない。何もしないことを、したい。
誰しもそういうときがあるだろうが、俺の場合は少し違う。
疲れたから、疲れているから、飽きたからとかではなく、何をしても、何もしたくない。意味が分からない? そうだ、俺も分からない。
例えば仕事や人間関係に疲れて、しばらく一人で休みたい。そうなったときにやることといえば、趣味だろう? あるいは、いつもとは違うことをしてみたり、とか。俺には、それがない。
それを一般には、無気力、という。
布団の上で大の字に寝転がって、指一本さえも動かすのが億劫で、いっそのこと点滴で栄養を補充できればいい。いや、でもそれはそれで嫌だな。この身体は健康そのものだ。
けれど、何もしたくない。食べるのも、動くのも。呼吸さえも。いっそのこと、このまま目を閉じたら死んではくれないだろうか? そんな下らない期待のもと、覚醒している意識を瞼とともにぐっと押さえつけてみた。
「おまえは、すごいな?」
次に目覚めたとき、そんな言葉が。
「一種の悟りを開いたのか。全ては無駄になる。無意味なのだと」
素晴らしいことだ、と続けられた瞬間、俺はとっさに起き上がって声のする方を見上げた。
そこには神様がいた。何がいるのかは分からないが、それは神だと、直感で理解した。
「……と、言われてみた感想はどうだ?」
だが俺の起きた顔を見た途端に、落胆したような言葉後投げ掛けられる。
「全てに期待せず、かといって覇道を極めようともせずに、ただ死を待つおぬしに、かける言葉などないよ」
おかしそうな神は、続けた。
「ここでなければ、と繰り返すなら、なぜ歩かん? 何もしたくないならば、なぜ生きようとする?」
反論したかった。けど無気力はそれを上回る。
「何もない、けど何かを授かる? 愚か。人間ならばつかみとってなんぼだろうに」
神は、俺を嘲笑い続ける。
何もない俺に、口にできる言葉は何もなかった。
◆◆◆◆
自己顕示欲、というのでしょうか。よくある授かってあれこれですが、実際そんなもので逆転なんてできるんでしょうか?
実は万能★なんてネタも疑問ですよね。そんなにまわる知恵があるのかなぁ? とかとか。ギャグとして成立するならまだしも、それで王道と称するのはどうなのかと……。
と、そんな愚痴を覚えながら、災害にはお気をつけを。
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