[日記]第800話 見える見えないは分かるが
ナンカチガウ。
かれこれ一時間、キャンバスと向き合っているが、ずっとこれの繰り返しだ。
描いては消して、描いては消して。
何が気に入らないかといえば、彼らしさがないことだろう。そんなイラストなど描いたことないというのに、彼らしさという曖昧模糊を求めているのだから、それはそれで滑稽である。
液タブを購入してから、ようやく四枚目を描くのだが、これまでと異なり彼のデザインははっきりとはしていない。世界樹の宴にて一枚だけ描いたが、正直満足はしていない。
彼の名前は、ギル・ヴルム。かつての傭兵であり英雄だが、その腕は細く、のっぺりとしている。
これではいけない、貫禄すらもないと睨みを利かせ近寄りがたい雰囲気を目指しているが、ああだめだ。ナンカチガウ。
どうしてこうなるのか、と考えた結果だが、直近で描いた二人よりもイメージが遊んでいることと、もう一つの理由が考えられた。
おそらく、絵を苦手とする多くの人は、見える見えないは分かるが、どう見えているかが分からないのだ。
例えば写真をとるとしよう。被写体の目線の高さで、かつ全身が写るようにしたとき、被写体の何が見えて見えないかは、すぐに予想がつくだろう。
正面は見えて、背面は見えない。足裏は見えないが、足の甲は見える。だがどう見えるか、は想像できるだろうか?
この場合、足の甲は、実寸大よりも小さくなることは明確だろう。胴回りもわかりにくいが、写真のレンズから離れれば離れるほど、被写体は小さくなる。
単純な話ではあるが、これを絵に落とすとなると、さてどうか。足がやけに大きく見えたりしないだろうか? 理由は簡単、目線と足の距離を考慮して、どう見えているか、を描けていないのだ。
こればかりは意識しておいて、訓練するしかないのだろう。めげるな、私。
いや、ほんと、ゲームばかりをしていたあの頃が、非常に遠く感じてしまう。いや、そういう世代なのだから仕方のないことかもしれないが。
◆◆◆◆
第800話がこんなんでいいんですか! 知らんがな!
絵って視覚に関わることですから、なおさら難しいですよね。相手の感覚に委ねられる要素が、文字よりも格段に少ないです。
加えてゲームなんかにも、あれば困らない技術ですからね。軽く後悔していますが、今からでも、と今日も立ち向かいたく思います。
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