[ネタ]決意を植え付ける
目を開くと、見慣れぬ場所だった。
ごりごりとした感触の、シート越しの地面の感触を味わいながら、身体を動かそうとする。しかし思うように動けず、もやもやとした気持ちを抱く。
ここはどこだろう、とあたりを見渡せば、どこかの誰かの駐屯地に張られているようなテントの中にいることがわかる。
と、話し声と足音がこのテントの前を通りすぎた。捕らえたとか、なんとか。ボクのことだろう。とりあえず脱出しよう。何がなんだか分からないけど、逃げないと。
とりあえず、不用心に置いてあった刃物でどうにか拘束に使われていたロープを切る。さてどうしよう、と音をたてぬように注意を払っていると、テントが揺らぎ、頭がキンと痛くなった。
正しくは、頭を揺さぶるような轟音が鳴ったのだ。どこからか、全ての音をかき消し、衝撃波となるような。
一体何が……くらくらする頭の中で、ボクはなぜか、はやる気持ちに脚を走らせて、外を見る。多分この方向から聞こえたはずだと眺めてみると、そこは戦場と化していた。
二つに分かれている大量の人々が、衝突し、混ざり、悲鳴をあげ、勝どきをあげ、死んでいた。
なんだこれ。なんだか分からないけど、だめだ。これを、止めなければ。
どこからか沸き上がる使命感に、ボクは駆け出した。
◆◆◆◆
昨晩、魔王討伐を投稿してからARPGのキャラ設定をざっくりと考えていたのですが、プレイアブルキャラたちをシール君に加担させる動機づけが難しいと思いまして。
逆にシール君は、なぜ戦おうとするのか、というのも悩みまして。結果、使命感を植え付けられて、という理由になりました。
しかし真面目に考えると、具体的動機付けって難しいんですよね。
最強になる、とかいうのはよくありますが、最強というのは抽象的で、では何をもって最強というのか、ゴールはどこなのか、を設定されているのでしょうか?
敵討ちだとか、勝利を納めるとかならシンプルですよね。憎しみを動力源にしてしまえばよく、ゴールもシンプルです。
思えば、最近の無双ものには終着点はあるのでしょうか? 単に勢いだけで走っているように魅せているだけならば、それは物語として成立しているのかどうか……。
もちろん目的のない名作は存在しますが、かといってゴールをおざなりにしていい理由にはなりません。どうしてそこを目指すのか、再確認するのもいいかもしれませんね。
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