[短編(ネタ)]そうだ、最強になろう
最強になれば、名声はもちろんのこと、富を得るのも簡単だ。クエストこなせば高額報酬を得ることもできるし、それにかける労力も削減できる。
では何において最強になるか。もちろん、ひとつ、ふたつなんて選択肢にない。全ジャンル一択だ。
そうと決まれば一旗揚げなければ。まずは経験値稼ぎのためにどこかに入れてもらうのが吉か。荷物運びとこのために参加しても入るものなのだろうか。
いくぜ、この世界を。俺のためにあるこの世界にしてやる!
◆◆◆◆
ある自主企画に参加していたので、どんなものが他にあるのだろうと眺めたとき、三作品に一つは最強というワードがありました。
……なんでこんなにも最強ワードが飛び交うのか。どうして最強になりたがるのか。最強でありたがるのか。そこが「?」でした。
別にそうふれまわっている作品を読んだわけではないのですが、タイトルだけでもお腹一杯で、固執しすぎでは? いや、なんで最強サイツヨでありたがるのか……サイツヨでないと死ぬ病でもあるんですか?
安直な無双ものを嫌う理由の一つではありますが、それを表す言葉、すなわち最強だとかの言葉が軽くなってしまうんですよね。ほんと、読まれやすいから使ってるだけのワードなのではないかと。
また、どうして最強やSランクとかいうのを目指すのでしょう? 実入りがいいからとか、俺より強いやつに会いに行く、とかではなく、単に強くなりたいから、になっていないでしょうか?
何かでありたいと願った末に、最強という曖昧な単語を目指すとすれば、ただ芯なく走り続けている脱け殻にしかなりえません。そこにもっともらしい理由やこじつけがあって始めて、登場人物が最強という概念に近づくことができるのではないでしょうか。
かくいう私も、王様が最強でしたっていうの書きましたけど、あれは既に最強なのであって目指してるとかではないんですよね。大手を振ってドやることもないし、可愛い愛娘を助け出すために勇者100人を集めただけの強いおじいちゃんっていう。(指摘はいくらでも甘んじて受けましょう)。
なぜこれを目指すのか。どうしてそうありたいのか。彼らに少しばかり問いかけてみてください。そこにある願望は、筆者のものになっていませんか? その世界は、自分の分身が、思いどおりにできる遊び場になってはいませんか?
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