[短編(市場)・日記]我ら、異であれども
今日も地平線の向こうには、青い空がある。雲を流しながら、山の上にも、木々の上にも。日によってばらつきはあるが、多くは、快晴に見舞われる世界樹をいただく市場。
まだ陽の当たる時間帯、大通りから少し踏み込んだ場所にある飲食店の、テラス席。そこには向かい合う二人がいた。
そのうちの片方が、何かを口にする。するともう一方は唖然としてから、口を引き結んでゆっくりと頷く。
それを遠目から見つめるのは、白い立脚類の竜。
「カル、お前はああいうやつらを見て、どう思う?」
黄金の輝きに陰りを差しつつ、対面に座る白い獣に問いかける。
「別にいいんじゃないかな。ぼくたちがあれこれ言う余地はないよ」
見るからに種族が異なる。だが容姿が異なる者たちが溢れるここでは、わりと普通のことであることが多い。
ただの友人や仕事仲間にとどまらない関係に、中には抗議を行うような者たちもいるが、一般論として、そのような感情を抱くのは個人の自由であるとされている。
「……仮にだ、あいつらの間に異形が産まれたらどうする?」
ただのレストランであるにも関わらず、二人は景色に溶け込めていない。
「ぼくたちの、次の世代になるかもしれないって? 別に、それもそれでいいじゃないか」
のんびりと食事を続ける獣。
「ぼくたちは異形ってだけで、特別なことはないって、先代も言ってたじゃないか」
返事をする竜は、どこか暗い。
「親とかけ離れた姿をしてるだけ。そのおまけで、白いだけ。それだけじゃない? そんな毛嫌いしなくても」
獣の諭すような言葉以降、二人の間には食器どうしが奏でる音だけが流れる。
◆◆◆◆
異種カップリングよこせ。その間でいろんな軋みと軋轢を奏でてくれ。
ということで、市場の世界ではわりと多い事象なのではないでしょうか。異種族交流とかカップリングとか。王様たちの親は異種であると明記されています。明確な恋人はギルとシェーシャですが、この二人も異種扱いではあります。
なので樹海の二人も異種に分類はされます。それ考えると人間だけ括りが大きくなりそうですね?
それで、今朝、また異種ネタが浮かびましてね。怪異と人間ものなんですが、もう、なんでこうなるかなーって。もっと拒絶しながら仲良くしてよ。その距離感が堪らないんだから。
なんて、オチがでないのが本日の雑記。しかしそんなものもあってもいいよね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます