[短編(市場)]こすちゅーむいめーじ8
市場の一角で、彼らはたむろしていた。
「ギルってさ、服ってどれくらい持ってる?」
また唐突だな、と目を細めた彼はカップから指を離しながら、立脚類特有の長い足を組む。
「服なんざ、交渉のときに使う正装が二つ、私服が三つか。そのうちのひとつがこれだ」
と、人差し指で自身を示す先には、これまた個性のない無地の淡い青のシャツ。下には暗い紺色の、立脚類向けのズボン。
「いやね、ラクリに、こんなの着てみたらってファッション雑誌渡してみたんだけどさ」
おう、と軽食を摘まむ青年は、服など身につけない相手の方を見やる。
「全部、好みじゃないっていうわけ。立脚類、加えて膝折の専門誌、折角見つけてきたのにさぁ」
そんなものがあるのか、の感心する彼に、それがこれ、と胸の鞄から取り出される一冊。
「ずいぶんとまた……ニッチなやつ見つけてきたもんだな」
市場では、少なからず服を身につけない習慣を持つ者も多い。四脚類は最たる例で、他人の手を借りる必要があるために好まれない。よって、着るにしてもケープなどが好まれる。
立脚類は人間という模範がいるために、その点苦労が少なかった。獣竜用の体格骨格に合わせたものを作ってしまえば、あとは手先が器用な傾向にある彼らにとってはまねるだけでよかったのだ。
「似合うと思うんだけどなぁ」
立脚の青年が手を伸ばして、表紙をめくる。
そこには海を背景に、読者を横目に見つめるモデルがいて、その衣服は……。
「……おまえの趣味なら、俺は別に気にしないが、あいつはこういうの、嫌うだろう」
えー、と眉間にシワを寄せる四脚類に、性格を考えろ、と追い討ちをかける。
◆◆◆◆
別衣装って、そういえば考えたことないよなぁ、と思いまして。市場では、ラクリさんはアリアから送られてきた黒衣装、ギルは傭兵衣装、インスは肌着スタイルがありましたっけ。
王様はいつも白いし、テレアは着ないし。
こういう多種属市場だと、●●族なりきりセットなんてものもありそうですよね。所詮はカチューシャとかなんでしょうけれど!
そういった別コスで他作品に出張なんてのもいいですねぇ。コラボみたいな感じ。
そのためにはサクサクと出展させるための舞台を先に整えないといけませんね。うん。
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