[創作論]たどり、結びて、道となす

 彼女にはどんなエピソードがあったっけ。その中で今触れなくていいシーンはここだから、あ、こういうのがあったか。

 プロットはろくに書かずに進めた市場の物語を指で追いかけて、外伝の一節を進める。

 するとどうだろう。なんだか思っていた方向と違う方向に進んでる気がするが、ここからどう軌道修正してやろうか。

 これには彼も絶句するしかない。だってこの外伝には、想定ではこんなシーンなかったんだもの。

 さて、ここで告げる決めゼリフ。何がいいだろうか。

 キザなものは絶対口にしないし、ちょっと固めな口説き文句程度がいいのだろう。僕が守るから、という言葉は少し前のところで否定されてるし、告白ももう済ませてるし……。

 そうなれば、彼女を支えようとするものがいいだろうか。彼女は、絶対に言葉を正面から受け止めることはない。ならばちょっと変化球にしたいな。

 彼女を折らせたい。歪んでる彼女の背筋を伸ばさせて、彼と向き合ってほしい。

 たったワンシーンの一言。大きな大きな分岐点。

 不器用な彼の言葉選びに、手を止めて首をかしげる。


◆◆◆◆


 以上、世界樹の市場、赤と青の外伝の途中経過でした。

 三が日のいずれかで触れましたが、年末年始に市場の外伝を書いていました。現在6000文字程度。どちらかというと後日談にはなるのですが、二人の関係をやきもきしながら書いています。濡れ場を目指して書いてます。


 で、その中で気がついたのですが、書いている最中、このシーンフラグにできるな、と思ったことはございませんか?

 プロットに沿って進んではいるけれど、ここでこの情報を入れ忘れた、あるいはこういうシーンを書きたいから入れた。途中、振り返ってみると今ならここでどうしてそうなったのか、を書けるな、なんて。

 しっかり作り込んでいない証拠ですねぇ。ダメですねぇ。

 でもこういった思い付きって珍しいことではないですよね。プロットと添い遂げればいい作品が出来上がるわけではありませんし、時にはアドリブでフラグを回収すれば、なんとなくなるほど、という感動も得られるんですよね。そこに論理的感情的道理も通っていれば、なおさら。


 そんなことを魔王討伐で書ければいいなー。全体がどんな長さになるかとか考慮せずに書いてるからなぁ。あー、時間おくれやす。

 魔王討伐もストックがあるとはいえ、所詮は一ヶ月分。こっちもサクサクと進めなければ。

 では、市場の外伝も、お楽しみに。

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