[創作論]最弱にして最強

 ぼくと契約してくれるの?

 精霊はそう尋ねてきた。もちろん、と答えれば、どうして、とさらに。

「わたしだって、精霊使い適正ゼロだから」

 精霊。森羅万象が在るのは彼らのおかげであり、生活どころか生命維持にすら欠かせない存在だ。

 火に水、風に土があれば、草、木、氷、気、と様々いるものの、いまだに新規発見される精霊も存在するのだから、驚きだ。

 その中で、需要があるのは、やはり生活に密着しているものたち。家事炊事、水車に風車、畑仕事なんて土と木が大活躍だ。

 すなわち、精霊と契約してその力を行使できれば食うに困ることはない。だから、毎年激化する精霊科の試験に、実技が追加された。

 前提として、精霊を連れていること。すなわち、契約を結んでくれる精霊と出会い、結ばなければならない。もしいなければ、入学試験票さえも届かない。偽装しようものなら、国から厳罰を受ける羽目になる。

 でもわたしは、精霊使いとなりたい。助けたい人がいるから。適正がないと、言われようとも。

 目の前にいる、ふわふわとした、つかみどころのない精霊。一体、何を司る精霊なのかはさっぱり分からない。きっと、得たいが知れないから、契約者が現れなかったんだろう。

 自分から契約を申し出れば、わたしたちは値踏みされる。

 彼らから契約を持ちかけられれば、それは才能があるということ。

 そんな日々を送っていた、どちらからも適正ゼロと判断されたわたしは、試験申し込み受付の前日、帰り道の道端で何かの精霊と出会うこととなった。

 これが、世界に唯一存在する精霊との、契約の始まりだった。


◆◆◆◆


 最弱だけど無双(最強)シリーズってあるじゃないですか。もっとこういう導入増えてほしいと思いません?


 こう、最弱(周囲評価or自己過大評価)って、初めからそうであるパターンばかりじゃないですか。自他共に認める最弱から最強に殴り込んでほしい。勘違いなんて、ギャグでなければ物語のノイズです。

 では先述のお話の最強部分は? といえば、得たいの知れないということですね。つまり、火も土でもない何かができる。身近にあるもの全てを消去法で消していけば、何ができるのか? そして、世界で唯一であることが意味することとは?

 いやー、楽しいじゃないですか。ネタを練って練って、面白い「最強」を作ってみませんか? ここにステータスとか混ぜてもいいですが、私なら……核(コア)、とか?

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