[日記]耳を塞げど届く音

 光り、輝く矩形の中から開演の印を叩く。

 同時に始まる、わずかな振動。耳朶に落ちた一滴は脳へ、心臓へ、爪先まで波紋を広げていく。

 だがここからが本番だ。

 パタパタと降り注ぐ雨粒が、ぐっしょりと濡れた身体を鼓舞する。不快感なんてあろうはずがない。真逆の衝動が溢れ、自然と歩調が拍と出会う。

 ハイテンションな豪雨に意識を奪われ、天をあおぐこともせず足は前へ進む。歩幅が大きくなっているなんて、足取り軽く歩いてく。

 やがて風が雨雲を払い除けようと、胸のうちで、頭の中で繰り返される雨音が続く。

 望む景色に何が映ろうと、変わらぬビートは手を引いていく。


◆◆◆◆


 音楽って、聞きますか? それはどれくらい?


 私はあまり聞きませんね。気が向いたときに流すくらいで、必ず聞いているタイミングといえばアニメのOPですか。

 基本、音楽にノる生活はしてないので、流すだけ、に近いですけれどね。


 で、どうして聞かないのか、といえば、イヤホンやヘッドホンが好きではないからですね。つけてると数分で耳が痛くなるし、蒸れるし。加えて、普段から周囲の音が聞こえている方が楽しいので。

 環境音が聞こえなくなる、という危険意識もありますけれどね。


 一方で、人混みの中であたりを見渡してみると、必ず数人はおられると思うのですが、どんなものを聞いておられるんでしょうね。

 好きな曲、であることは変わらないでしょうが、ポップなのか、クラシックなのか、はたまたアニソンなのか、ラジオなのか。その人の趣味がよくよくうかがえるかと思います。

 イヤホンから流れてくる己の世界に没入する。退屈を紛らわせるためにビートを流す。

 普段からこれくらいの余裕があってしかるべき、なのかもしれませんね。


 そういえばヘッドホンキャラが一人いましたねぇ。名前も容姿も忘れてしまいましたが、どんなやつだったかな……。

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