[創作論]オノマトペ

 ベシャ。突然の不釣り合いな音に足を止める。

 グチュ、グチュ。音が鳴る。湿った、不快感を呼び起こすもの。

 チリチリチリ。ガラス越しであるか、間違いなく聞こえている。

 ミチミチミチ。見えている。

 パシッ、パシッ。

 ペタン。

 パシッ、パシッ。

 ペタン。

 丸い、ピンク色。

 こねられ、たたかれ、形成されていく。

 できあがったものはお盆に並べられて、規則正しく並べられる。

 カタン。満席となったそれは奥へと運ばれていき、また新たな観客席が用意されて、また整理券か配布され始める。

 ペシャ。グチュグチュ。チリチリチリ。ミチミチミチ。パシッペタン。パシッペタン。

 おっと、待ち合わせ時間に間に合わない。きれいなピンク色が、こちらを見送った。


◆◆◆◆


 Q.なんの光景?

 A.100%肉ハンバーグタネ実演作成中!


 さぁ、何を想像しましたか?

 先日も触れた成人向けの内容の異説短編にて、ふとオノマトペを全然使っていないなぁ、と思いまして。

 とはいっても官能的オノマトペ表現って、かなり選択肢が少ない気が。激しさを示すために音を繰り返すためか、いっぱいあるように見えて、実は数パタンしかない気がしています(私の見てきた中では)。

 ならいっそのこと音は脳内補完してもらったほうが熱は上がりそう。文字というフィールドからまぐわいを再生してもらう方が興奮しそう。そんな気がする。


 で、オノマトペってよく使うと思います。息づかいしかり、爆発音しかり、戦闘しかり。

 でも同じものを使いがちですよね。例えば剣戟がぶつかり合う音(キンキンキンとか)、ため息(ハァ)、足音(コツコツコツ)とかとか。実際に流れているだろう音を言葉に落とし込むわけですから。

 かといって過去の経験知を生かしてユニークなオノマトペ使うと「なんやそれ」ってつっこまれるわけで。

 そう考えると、オノマトペは音への集合知から派生した「一般的な音」の一種なのかも。音を示すことは同じだが、文字使いたちが表した音のテンプレート。自由に見えて、実は同じものの使い回し。あるのは変化球ではなくて、勢いの違う球。

 変なオノマトペに違和感が現れるのは、こういうことだからなのだろうか?

 うーん、またよく分からなくなってきましたね。そもそも音を文字に表すってこと自体がすごいことなんでしょうけれども。


 また思い付いたら書きましょう。

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